ジョーンズ ラング ラサール(株)(JLL)は10日、2016年第3四半期の「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD)」を発表した。日本のオフィス、リテール、ロジスティクス、ホテル市場における市況、需要や空室状況、賃料・価格動向および12ヵ月予測をまとめたもの。
当期の東京オフィス市場は、Aグレードオフィスの坪当たり平均月額賃料が3万5,840円(前期比0.2%上昇)と、18四半期連続で上昇。空室率は1.4%(同0.4ポイント低下)と、07年以来初めて1.5%を下回る低水準となった。価格は、前期比0.1%上昇、前年比9.3%上昇と、16四半期連続で上昇。投資利回りは、前期比横ばいで推移しており、賃料上昇を反映した。
今後12ヵ月については、17年にかけての限定的な新規供給を受け、空室率は3%を下回る低水準で推移、賃料は緩やかに上昇する見通しと予測。ただし、18年の供給予定は03年に次ぐ大規模な水準となっており、賃料上昇率への影響が懸念されるとしている。
大阪のオフィス市場は、Aグレードオフィス坪当たり平均月額賃料が1万7,013円(同0.9%上昇)と、9四半期連続で上昇。空室率は3.8%(同横ばい)と、2四半期連続で4%を下回り、08年以来8年ぶりの低水準が続いている。
今後12ヵ月は、空室率は4%を下回る水準で推移、賃料は引き続き上昇が見込まれるものの、上昇ペースは減速すると予測した。
東京の商業施設市場は、平均月額賃料が7万8,304円(同0.7%上昇)と、16四半期連続で上昇。価格は、前期比0.7%上昇、前年比12.3%上昇となり、賃料上昇を反映した。
物流市場は、平均月額賃料が4,139円(同0.3%上昇)、空室率が8.0%(同0.6ポイント上昇)。ホテル市場の需要については、訪日外客数の上昇が昨年からペースダウンしており、16年1月から8月までの累計は1,610万人(同24.7%増)にとどまった。東京都の延べ宿泊者数は、16年初来6月までの累計で2,500万人。そのうち、外国人宿泊者数は810万人(前年比1.8%増)、日本人宿泊者数は1,680万人(同6.8%減)。