不動産ニュース / 決算・業績・機構改革

2017/5/11

ビジネスモデル革新を推進/三菱地所が中計

「2020年以降も見すえた計画とした」と話す吉田社長

 三菱地所(株)は11日、グループ中期経営計画(2018年3月期~20年3月期)を策定した。

 同中計では、(1)前中期経営計画期間までの収益基盤強化の成果を利益として具現化、(2)環境変化の加速をチャンスととらえ、2020年代のさらなる成長に向けたビジネスモデル革新を推進、していく。

 (1)については、丸の内エリアを中心とする大型プロジェクトの竣工・稼動が寄与するとして、ビル事業である「大手町フィナンシャルシティ グランキューブ」や「大手町パークビルディング」、住宅事業である「ザ・パークハウス 西新宿タワー60」などの開発・運営ノウハウ、ブランド力を最大限に発揮し、確実な収益を獲得していく。また、海外事業の拡大・進化として、米国・マンハッタンの「1271 Avenue of the Americas」の大規模改修プロジェクトに加え、新興国においての開発事業を積極的に拡大していくとした。

 (2)については、オープンイノベーション活性化の仕組みや最先端の働き方の提供などを通じて、ビジネス活動の生産性の向上に貢献。また、既存ハードのリノベーションや付加価値付けなどによる社会ストックの有効活用などに注力していく。
 すでに4月に「新事業創造部」を社長直轄化。意思決定のスピードアップとグループ全体での事業イノベーションを加速している。また、ビル事業グループに「オープンイノベーション推進室」を新設し、丸の内を中心としたビジネス創発を強化していく予定。

 計数目標としては、成長性と効率性、健全性の指標で目標値を設定。20年3月期の成長性(営業利益)は17年3月期比14%増の2,200億円ROAは3.5%程度、EBITDAは8倍台半ばを目指していく。

 期間中(18年3月~20年3月期の合計)の投資回収計画は、ビル事業の投資が5,000億円、回収が2,000億円、ネット投資が3,000億円。生活産業不動産事業の投資が2,000億円、回収が500億円、ネット投資が1,500億円。住宅事業の投資が8,500億円、回収が7,500億円、ネット投資が1,000億円。海外事業の投資が4,000億円、回収が1,500億円、ネット投資が2,500億円とした。
 また、ビジネスモデル革新のための「全社横断」投資枠として1,000億円を初めて設けた。事業の幅と厚みを増すことで、20年代の「新たな収益の柱」を育てていく。

 同社執行役社長の吉田淳一氏は、同日に開催した説明会において「これまで当社が培ってきた強みを発揮することと、環境変化の加速を掛け合わせて、ビジネスモデルを革新していく。当中計ではそのために1,000億円を投資する。明確は使途は決定していないが、現在でも最先端のベンチャー企業の誘致や、地方空港の運営ビジネスに進出するなどしており、こうした取り組みを加速していく」などと話した。

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