不動産ニュース / イベント・セミナー

2017/5/26

IREM会長が来日、記念セミナー開催

商業用不動産管理の可能性等について話す
2017年度IREM会長のMike氏

 IREM JAPANは24日、「ザ・リッツ・カールトン大阪」(大阪市北区)で記念セミナーを開催した。

 セミナーでは、来日中の2017年度IREM会長のMike Lanning氏が「商業用不動産管理の可能性と拡大手法について」をテーマに講演。アメリカのCPMの約6割が商業用不動産の管理に携わっていることを述べ、商業用不動産の管理が増えてきた要因について「機関投資家による投資割合の増加」「データの増加」を挙げた。「約30年前は、機関投資家のポートフォリオのうち商業用は約2%だったが、現在は約10%に増えている」と現状について言及。「商業用不動産のデータが増え、アクセスが容易になったことも商業用増加の要因の一つ」とし、「成功しているアセットマネージャーや不動産管理士は、リアルタイムにデータを分析し、効率的な運営法を見つけ差別化している」と話した。
 また、「成功するためにはブランドが必要」とし、「自分の会社が他社とはどう違うのか、その強みを語れなくてはいけない。投資家やクライアントのニーズを掴み、望むサービスを提供していくことで差別化することが成功の秘訣」とアドバイス。さらに、「CPMを受ける過程で学んださまざまなことが私自身を優位に立たせてくれ、競合他社との差別化につながっている」と話した。

 引き続き、(株)クラスコ代表取締役の小村典弘氏が、家賃アップにつながったリノベーション事例や、地域における知名度を上げたブランディング戦略、デザインの重要性、業務のIT化手法などを披露。「他にはないアイディアやデザインをリノベーションに反映させることで、築30年超の物件賃料は平均で40%アップしている。不動産業界は、仲介手数料ビジネスから付加価値型ビジネスへの転換が必要」と強調した。

 オーナーズエージェント(株)代表取締役の藤沢雅義氏は、「急激な人口減社会を見据え、われわれがチャレンジしなくてはいけないことは何か」と問題提起した上で、「仲介から管理への動きは確定的、先付賃貸仲介は淘汰される。賃貸管理は恵まれた業種、クライアントのコンサルタントになることが有利」とした。
 同氏はまた、「まちづくりはわれわれ不動産プレーヤーの仕事」とし、「“稼ぐまち”をつくるため、まちを文化の発信地とすることや、観光とのコラボレーションが大切」と、「エリア・リノベーション」の必要性について話した。

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