不動産ニュース / ハウジング

2017/9/22

木材をふんだんに使った戸建てを拡販へ

リビング
公開した「木育の家」リビング。スギの無垢・無塗装床が特徴

 製材やプレカット加工、不動産業などを手掛ける(株)長谷川萬治商店の関連会社で、建設業等を展開する(株)長谷萬(東京都江東区、代表取締役執行役員社長:長谷川 健治氏)は、木材をふんだんに使った注文住宅ブランド「木育の家」の初弾物件(東京都新宿区)を竣工。22日、プレス向けに公開した。

 「木育の家」は国産材の利用促進を目的に、スギの無垢・無塗装床など天然木をそのまま使用するほか、壁にも自然素材の塗り壁などを採用。木材の持つ柔らかく温かみのある印象だけでなく、調湿や断熱効果も生かす住宅ブランドとして立ち上げた。

 今回公開した初弾物件は、個人宅ですでに入居済み。木造軸組+CLT3階建て、延床面積242.75平方メートル。構造材やフローリング等、使用した木材96.45立法メートルのうち、70%超となる68.42立法メートルに国産材を使用。梁や構造壁として26.70立方メートルを使用したCLT(直交集成板)も、すべて国産材で賄っている。

 無垢の床や自然素材の壁だけでなく、リビング脇に設けた子供の遊びのスペース「木育広場」の建具を端材など低価値木材でつくる「ブレットシュタッペル」という技術で製作。水に濡れやすいキッチン回りのみ、色の濃いクリ材の床として内装のアクセントとした。また、構造壁ではないCLT壁の内部を一部空洞化し、空調に活用するなど、新しい試みを取り入れた。

 建築費は約8,500万円。「林野庁のCLT関連の補助金を活用したほか、プレカット工場で出る端材や、材木業を営むグループとしての調達力などを生かせるのでこの価格でできた。一般的には1億円を超えるのではないか」(同社工事部CLTグループ部長・恒田義久氏)。

 同社代表取締役執行役員副社長の長谷川 泰治氏は「“木育の家”は、坪単価60万~100万円ぐらいの層を狙っていく。今回はCLTを活用したが、CLTにこだわらず全体としてどうやって木を使っていくかを提案していき、年間100棟の受注を目指す」と話す。

CLT
CLTの断面を見せ、見た目の“面白さ”も生かす

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CLT

木材板を積層接着した厚型のパネル。英語のCross Laminated Timberの略で、和訳は「直交集成板」である。 CLTは、板の層を繊維方向が直交するように交互に張り合わせたもので、高い寸法安定性、優れた断熱性があるほか、CLTを柱や梁とする構造は軽量で耐震強度を確保できるとされている。

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