不動産ニュース / ハウジング

2017/11/10

千葉大内に健康な室内環境目指す実験住宅

実証実験住宅外観

 積水ハウス(株)は9日、千葉大学柏の葉キャンパス(千葉県柏市)内に竣工した、健康な室内環境づくりを目的とした実証実験住宅2棟をマスコミ向けに公開した。

 同社は、2017年4月より千葉大学と共同で、同大学予防医学センター内に「積水ハウス 健やか住環境創造のためのシックハウス症候群対策研究部門」(5年間)を設立。積水ハウスの空気環境配慮仕様「エアキス」に関し、医学的観点での取り組みをさらに深めるための研究を推進している。

 今回竣工した実証実験住宅は、化学物質の少ない建材を採用したエアキス実験住宅(軽量鉄骨住宅、平屋、建築面積64平方メートル)と、一般的な住宅(在来木造住宅、平屋、建築面積64平方メートル)の2棟。
 実際の住空間に近い設計を採用し、間取り(2LDK)や内装仕上げの見た目を統一、滞在評価実験も可能なつくりとした。今後は被験者を募り、1棟約90分の滞在で室内化学物質やにおい等、室内環境が与える影響に関し、さまざまな実験、調査を行なっていく。

 同社執行役員総合住宅研究所長の石井正義氏は「超高齢化社会の中で、『住まいと健康』というテーマは、より取り組んでいかなければいけない課題。中でも重要なのが室内空気環境ということは間違いない。今回の研究では、シックハウス症候群にならないといったマイナスの改善は当然として、より健康を増進する、健康寿命を延ばすという観点からの空気質を追求するのが狙い。得られた知見を生かし、個々の住宅、住まう人の状態に合わせた空気環境の提案に生かしていきたい」などと述べた。

実験の様子。室内空気環境が暗算などの
パフォーマンスにどう影響するかを調査

記事のキーワード 一覧

この記事の用語

シックハウス症候群

住宅に起因する、倦怠感、めまい、頭痛、湿疹、のどの痛み、呼吸器疾患などの症状を総称していう。 汚染された住宅内の空気を吸引することによって発症する場合が多いとされ、建材や家具に含まれる有機溶剤や防腐...

続きはR.E.wordsへ

動画でチラ見!

第18回 ジバコー 「原点」を語る

ニュースはこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年5月号
「事故物件」、流通の課題は?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/4/21

「記者の目」を更新しました

有事に立ち向かうエリアマネジメント」を公開しました。

エリアの価値向上に大きく寄与する複合開発。住宅や商業施設、公共施設、教育施設や図書館、クリニックなどが一体的に整備されることで、再開発されたエリア内で日常生活が完結できるような、利便性の高い生活環境が整うケースもありますが、その規模感の大きさから有事の際に全体が連携できるのかといった懸念も…。今回は、オフィスビル・賃貸マンション・分譲マンションの3棟からなる複合開発「MEGURO MARC」を取材。防災対策の本音を調査しました。