不動産ニュース / リフォーム

2017/12/1

横浜のシティホテルをリノベ/いちご

リノベ後のラージツイン(30平方メートル)の客室
ラージツインの従前の状態と同じタイプの客室

 いちご(株)は1日、初の自社ブランドホテル「HOTEL THE KNOT YOKOHAMA」(横浜市西区、客室数147室)をグランドオープンした。

 敷地面積854.06平方メートル、延床面積5,794.75平方メートル、鉄筋鉄骨コンクリート造地上10階建て。横浜市営地下鉄「横浜」駅徒歩5分に立地。1984年築のシティホテル「横浜国際ホテル」を、2016年3月に取得。同社が展開する、既存不動産に新しい価値を創造する「心築(しんちく)」事業の一環としてリノベーション。営業を続けながら、約1年半をかけて順次改修を進めてきた。ブランド構築においては、運営者である(株)ホスピタリティオペレーションズと協働し、ハードとソフト両面の価値向上を実現した。

 トータルディレクションには、商業空間やブランドの価値創造を得意とする、(株)ランドローの橋本健司氏を起用。ホテル名の「KNOT」は、「結び目」と航海時の速さの単位からきている。“旅-街-人を「結ぶ」”をコンセプトに設定した。

 客室は、港町・横浜を感じるキャビンをイメージ。若手カメラマンによる横浜のまち並みの写真を飾った。また、横浜は開港以来、アメリカとの接点も多いことから、室内家具には、アメリカの60~70年代のヴィンテージ家具等を取り扱う「ACME Furniture」を採用。室内にある家具の一部(ソファ、ランプ、テーブル、イス)は、利用者がその場で同じ商品を注文できるシステムも導入した。ゆとりを持って過ごせるよう、シングルをあえてなくし、セミダブル(12平方メートル)以上で構成。最も多い部屋がダブル(13平方メートル)。一人利用から家族連れまで対応できるよう、多様なプランを用意している。

 共用部は、10階にあったレストランを1階に変更し、店舗も刷新。西洋と東洋の食文化が融合した横浜らしく、洋食と中華による新コンセプトのレストラン「PANWOK」を採用した。通りに面した立地やデリのテイクアウト販売など、宿泊客以外の客が立ち寄りやすいようにしている。

 2階のロビー・ラウンジは、横浜を拠点とする旅や街の情報を中心としたモノ・コトの情報を提供する開放的なスペースに変更。誰でも利用できるパブリックスペースも設置している。2・3階のバンケットルームは、ビジネス利用や地域生活者のパーティー利用等、さまざまなシーンに対応できるスペースとした。

 客室からバンケット、レストラン等の細部にこだわることで、横浜の魅力が伝わるホテルとして、まちの拠点となることを目指していく。

 総費用は約10億円。料金は、リニューアル後の客室が、セミダブルの一人当たりで平均1万5,000円前後。従前より1~2割程度料金を上げている。稼働率はほぼ100%の状態。利用客は幅広い年齢層で構成されており、そのうち外国人は25%程度。

 今後、リノベ前の状態の9階とレストランのあった10階も改修する。10階は客室のスイートルーム(44平方メートル)とする計画。18年4~7月頃オープンする予定。そこで1棟全体の改修が完了する。

気軽に立ち寄れるパブリックスペース

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