三菱地所レジデンス(株)は、中古ビル再生事業「Reビル事業」の担当者が手掛けた初のリノベーションシェアハウス「ザ・パークレックス永福町」(東京都杉並区、全30室、物件名称は「フォロー永福町」)を竣工。27日、報道陣に公開した。
同物件は、京王井の頭線「西永福」駅徒歩7分に立地。1980年築、地上2階建て、延床面積1,240平方メートルの建物は、NTT東日本の独身寮で、三菱地所レジデンスと物件を転借・運営するオペレーターの(株)オークハウスがコンペに当選して改修を進めてきた。
Reビル事業による住宅への転用は、2016年2月運用開始の「ザ・パークレックス東陽町」(東京都江東区、総戸数10戸)に次ぐもの。今回は、ベースがトイレ・浴室・キッチン等の水回りを共用する独身寮だったことから、もっとも効率的な改修が可能なシェアハウスへの転用を選んだ。
食堂を共用ラウンジ、厨房をシェアキッチンへそれぞれ改修。中庭にはウッドデッキを設けた。入居者同士が同じような趣味や志しを持ち、互いに交流し合うオークハウスが提唱するコンセプト型シェアハウスとしており、今回は「アート」「ものづくり」をテーマとして、木工や彫金、裁縫ができるアトリエと機材を置き、服飾家や画家、陶芸家などがキュレーターとして入居し、入居者イベントや指導を行なう。
居室は1階12戸(1人部屋)、2階18戸(2人部屋)。居室面積は全室19平方メートル。生活に必要な家具家電付きで、月額賃料は1人部屋が9万8,000円、2人部屋が12万8,000円。1人部屋はすでに満室、2人部屋は募集開始前。申込者は20~30歳代が中心で、外国人が約半数。
同日会見した三菱地所レジデンスReビル事業部長の鶴見弘一氏は「Reビル事業は空きビルをリノベで再生する事業として4年前スタートしたが、住宅事業拡大に向け、社宅や独身寮にも注目してきた。シェアハウス第2弾を6月に駒込でオープンする。今後も、所有・サブリース、オフィス・住宅と物件やオーナーニーズに合わせて事業提案していく。これまで約1万1,000坪の貸床を供給してきたが、20年度には2万5,000坪へ増やす」などと語った。
また、運営するオークハウス取締役会長の山中武志氏は「当社は、20年前に創業し、6,000室のシェアハウスを運営しており、日本にシェアハウス文化を根付かせたという自負がある。近年は、“ソーシャルレジデンスアカデミア”として、一緒に暮し学び合うシェアハウスを提案している。この物件は中庭がとても印象的で、全体がアート空間のシェアハウスにしたら面白いのではと地所さんに提案した」などと語った。