三井不動産(株)が運営する原鉄道模型博物館(横浜市西区)は1日、企画展「東急電鉄展~街と人のために~」をスタートした。会期は、12月3日まで。
東急グループの原点となる田園都市(株)の創業100年を記念したもの。同社は、ロンドン郊外の「田園都市構想」をもとにした住宅地を、現在の東京都目黒区洗足や大田区田園調布等で計画し、宅地造成とともに、住民の足となる鉄道を敷設した。洋風の客間を設けた住宅を建設し、公務員や軍人などの「新中間層」を呼び込んだ。週末が休みの同層に向けさまざまなレジャー施設を設け、各住宅地での住民コミュニティ形成を支援するなど、現在の電鉄会社のビジネスモデルを作り上げた。
企画展では、田園都市の設立趣意書や住宅開発計画図、販売チラシ、住宅ジオラマなどの貴重な資料が展示される。また、ステンレスカーなど先駆的鉄道車両を多数送り出してきた東急車両製造(株)(現:(株)総合車両製作所)の創業70周年を記念し、オールステンレスカーのさまざまな部品も展示した。
オープニングセレモニーで挨拶した東京急行電鉄(株)代表取締役副社長の巴 雅雄氏は「資本主義の父と呼ばれた渋沢栄一氏が興した田園都市は、日本のまちを良くするにはどうしたら良いかを考え、ロンドン郊外のガーデンシティを基にしたまちづくりを進めた。これが東急のまちづくりの原点。今回の展示は、そのまちづくりの思想をいろいろな資料をもとに紹介しており、改めて当社のルーツを発見できた。当社はそのDNAを引き継いで、多摩田園都市でも鉄道と一体となったまちづくりを進めてきた。まちづくりは、新しい社会の価値観と住民の皆さんのニーズを実現するため、永遠に続くもの。これからも安全で安心、サスティナブルなまちづくりを進めていく」などと語った。
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