不動産ニュース

2020/12/10

「令和3年度税制改正大綱」、各業界団体がコメント

 政府与党が10日に発表した「令和3年度税制改正大綱」について、各業界団体のトップから、以下の通りコメントが発表された。

(一社)不動産協会(RECAJ)理事長 菰田正信氏
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)会長 坂本 久氏
(公社)全日本不動産協会(全日)理事長 原嶋和利氏
(一社)不動産流通経営協会(FRK)理事長 山代裕彦氏
(一社)不動産証券化協会(ARES)会長 杉山博孝氏
(一社)日本ビルヂング協会連合会 会長 木村惠司氏

(一社)不動産協会(RECAJ)理事長 菰田正信氏

 本日決定された「令和3年度税制改正大綱」では、最重点要望と位置づけていた土地固定資産税について、地価上昇により令和3年度の税額が増加する全ての土地に対し令和2年度と同額とする特別措置が講じられることとなった。また、住宅ローン減税の控除期間の延長措置の2年延長と住宅取得等資金に係る贈与特例の非課税枠の堅持とともに、床面積要件が緩和されることとなった。
  コロナ禍という未曽有の事態により、経済状況や事業者の経営環境等が著しく悪化し、雇用所得環境にも弱さがみられ、先行きの不透明感も非常に強まる中、経済の早期回復に寄与するものであり、高く評価している。
 さらに、都市再生促進税制をはじめとする、都市、住宅、土地等に係るその他の主要な要望についても延長等が認められることとなった。ポストコロナも見すえた、まちづくりの推進によるDXの加速や多様なニーズに対応した質の高い住宅ストック形成等にも資するものであり、評価している。
 ご尽力頂いた関係各位に対して、厚く御礼申し上げたい。
 今回の税制改正を踏まえ、当協会としても、引き続き、国民の暮らしを豊かにするまちづくりや住環境の整備を通じ、我が国の経済・社会の発展に貢献して参りたい。

(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)会長 坂本 久氏

 令和3年度税制改正では、コロナ禍での税負担増を回避するため、業界最大の懸案であった固定資産税の負担据置きを実現することができた。また、住宅ローン減税の面積要件の引き下げは、対象が限定的ではあるが、これまでの住宅政策のあり方を転換するものであり評価したい。
 今回の税制改正、そして経済対策に盛り込まれた新たな住宅ポイント制度等を有効に活用し、政府が進めるデジタル化の波も見据えながら、この逆境をチャンスに変えていきたい。

(公社)全日本不動産協会(全日)理事長 原嶋和利氏

 本会がかねてより要望して来た住宅ローン控除の床面積要件緩和が実現することとなった。今回の大綱では、コロナ禍での経済対策及び消費税率引上げに対する反動減対策としての「特例措置」の位置づけとなるが、まずは要望の完全な実現に向けた第一歩を踏み出せたものと受け留めている。多様な住まい方が広がる中で、消費者の購買意欲に好影響をもたらすものと期待したい。

 また、路線価の発表前後から強く懸念されていた固定資産税についても、用途種別を問わない増税の回避措置が取られることとなった。コロナ禍の景気対策として大きな意味を持つと考える。これらをはじめとして、本会からの主要な要望が認められた。政府・与党関係各位によるご尽力に感謝を申し上げたい。

(一社)不動産流通経営協会会長(FRK)理事長 山代裕彦氏

 今回の税制改正大綱では、内需の柱である不動産・住宅市場について、新型コロナウイルス感染拡大で大きな影響を被っているわが国経済の足元をしっかりと固めていくための当面の対応として、土地の固定資産税の評価替えに伴い税額が上昇する土地についての税額の据置措置、特別特例取得に関わる住宅ローン控除期間の3年間延長の特例の適用期限の1年延長、そして住宅取得等資金贈与の現行の非課税額を維持する措置が盛り込まれた。これらの施策は、目下の重要課題である経済再生の大きな支えになるものと評価する。大綱の策定にご尽力をいただいた政府・与党の関係者の皆様に厚くお礼申し上げたい。

 また、ローン控除期間の3年間延長の特例の対象となる住宅について、住宅ローン減税等の最低床面積要件を40平方メートルに引き下げる措置が併せて盛り込まれた。このことは、世帯構成や暮らし方の変化に伴い拡大するコンパクトマンションニーズなど、顧客の多様なニーズが充足される厚みのある市場に向けた発展を一歩前進させるものと期待している。

 当協会は本年に設立50周年を迎え、これを機に、不動産流通業が目指すべき市場の姿について考え、市場の発展に向けた具体的な提案を「FRK提言2020」として取り纏めた。

 内需の牽引役である不動産市場において、既存住宅流通市場に期待される役割が益々増大するなか、その活性化に向けて、目指すべき市場の姿を実現すべく鋭意取り組んでまいる所存であり、税制・法制等の政策面での支援を引き続きお願いいたしたい。

(一社)不動産証券化協会(ARES)会長 杉山博孝氏

 Jリートに代表される不動産投資市場は、これまで国内外の投資家に様々な投資機会を提供するとともに、不動産と金融資産を繋ぐ資金循環機能を通じて都市の再生と地域の活性化を推進し、我が国経済の成長や国民生活の向上に重要な役割を果たしてきた。

 令和3年度税制改正大綱においては、当協会が要望した「投資法人、特定目的会社及び特例事業者等が不動産を取得等する場合の登録免許税・不動産取得税の軽減措置の延長及び拡充等」や「固定資産税・都市計画税の負担調整措置の延長及び拡充(一定期間の課税標準の据置き)並びに条例減額制度の延長」等が講じられた。
 これらの措置は、コロナ禍の先行きが不透明である中で不動産投資市場の活力を維持し、資産デフレ再燃の防止に寄与するものであることから、高く評価したい。
 ご尽力いただいた関係者の方々に深く感謝を申しあげる。

 当協会としても、我が国の不動産投資市場の健全な発展を通じて、コロナ禍によって委縮した日本経済の再活性化と、ウィズコロナ・アフターコロナの時代における新たな社会づくりに貢献すべく、一層の使命感を持って取り組む所存である。

(一社)日本ビルヂング協会連合会会長 木村惠司氏

 令和3年度与党税制改正大綱において、不動産市場の活性化や良質なまちづくりの推進に向け当連合会が要望していた特例措置が延長されたことを評価したい。
 特に、来年は土地に係る固定資産税の評価見直しの年にあたり、近年、商業地の地価の上昇が顕著の一方、コロナ禍による経済の停滞が懸念されるなか、土地に係る固定資産税の負担調整措置及び条例減額制度の3年間延長に加え、特別に、一定の税額の据置きの措置が認められたことは、経済の再生に向けて、意義深いものと高く評価したい。
 当連合会は、今回の税制改正を踏まえ、ビル事業の一層の推進に努め、成長力・国際競争力の強化、都市再生と地方創生の推進を図ってまいる所存である。

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