不動産ニュース / 開発・分譲

2021/4/9

聖蹟のタワマン、新常態ニーズも取り込み好調

物件模型。水害対策として敷地全体のかさ上げ。電気室を2階に置き、受水槽・給水ポンプも地上に配置したほか、すべての住戸を多摩川護岸より高い位置としている

 東京建物(株)が(株)東栄住宅、京王電鉄(株)、伊藤忠都市開発(株)と共同で開発を進めている分譲マンション「Brillia Tower 聖蹟桜ヶ丘 BLOOMING RESIDENCE(ブルーミングレジデンス)」(東京都多摩市、総戸数520戸)が上々の滑り出しを見せている。4月3日から1期170戸の登録受付を開始。同社想定を上回るペースで申し込みを集めている。

 同物件は、京王線「聖蹟桜ヶ丘」駅より徒歩4分に立地。約8,500平方メートルの建設地は京王百貨店の駐車場跡地で、現在同物件を含め3ブロックで土地区画整理事業が進行中。北側が多摩川護岸に接している。建物は免震構造鉄筋コンクリート造地上33階建てと多摩市では最高層。デザイン監修は、光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所。住戸は、2LDK~4LDK、専有面積約54~124平方メートル。竣工は2022年9月。

 経済産業省が実施した19年度超高層ZEH-M実証事業に採択された、ZEH仕様のタワーマンション。樹脂インナーサッシの二重サッシ、Low-Eガラス、HEMSモニター、リビングエアコン、エコジョーズ等を採用し、一次エネルギー消費量を23%削減、共用部を含むマンション全体で20%以上削減する。

 また、建設地が多摩川に接するハザードエリアのため、水害時の浸水対策にも配慮。路盤を多摩川護岸と同レベルの高さにかさ上げしたほか、電気室を2階に、受水槽と給水ポンプを地上に設置した。非常用発電機や各階に給水できる増圧ポンプ、各階への防災備蓄倉庫などを導入した。

 住戸はディスポーザ、食洗器が標準。二重床二重天井で基準天井高は2,450mm。在宅勤務の増加に対応し、リビングに隣接する居室へのカウンター設置を無償オプションとしている。最上階住戸のみ、タイル張り廊下、石張りキッチンなど仕様がレベルアップする。テレワーク対応のコミュニティラウンジを共用部に設置。2,500平方メートルのコミュニティガーデンなど建物周辺の植栽にも力を入れた。空地率は70%に達する。

 1期の販売価格は、3,900万~1億2,500万円。最多価格帯5,000万円台。坪単価約270万円。無償カウンターの希望者は約4割。20年9月の物件ホームページ開設からの資料請求件数は約3,500件。21年1月23日のモデルルームオープンからの来場者数は約1,500組に達している。
 30~40歳代のファミリー層と50~60歳代のアクティブシニア層が中心。居住地は、地元多摩市が3割、日野市、府中市、八王子市含め6割。その他23区から「同じ予算で広い郊外に」というニューノーマル的考えを持ったユーザー含め広域から反響を得ている。検討者の評価ポイントは上位から「都心へのアクセスと駅近、リバービューの立地」「物件規模」「駅周辺の利便性」の順。ZEHへの評価はさほど高くないが、モデルルームでのプレゼン後の評価は4位だという。

モデルルーム。全戸すべての窓を二重サッシとしている。多摩市最高層からの眺望がウリ
ニューノーマルによる在宅勤務の増加に対応し、リビング横の居室へのカウンター設置を無償で行なう。コロナ禍後に仕様を追加した

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