不動産ニュース / 開発・分譲

2021/10/29

「旧九段会館」建て替え、保存棟が12月に完了

保存棟正面玄関エントランス

 東急不動産(株)と鹿島建設(株)は29日、登録有形文化財「旧九段会館」を一部保存しながら建て替える「(仮称)九段南一丁目プロジェクト」について、保存棟(旧九段会館部分)の保存・復原工事が12月に完了すると発表した。

 東京メトロ半蔵門線・東西線、都営新宿線「九段下」駅徒歩1分に立地。敷地面積約8,765平方メートル。鉄骨造(コンクリート充填鋼管構造)・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造地上17階地下3階建て、延床面積約6万7,738平方メートル。

 「水辺に咲くレトロモダン」をコンセプトに、築約90年の旧九段会館本館部分(鉄骨鉄筋コンクリート造地上5階地下1階建て、延床面積約1万4,000平方メートル)のうち約7,000~8,000平方メートル部分を保存・復元する。創建当時の雰囲気を生かしながら、貸会議室・宴会場やシェアオフィス・小規模オフィス、屋上庭園など多用な施設を設置。オフィス、クリニックモール、店舗などで構成する新築棟と一体的に開発する。

 保存棟は、免震レトロフィット工法を採用。地下1階に免震装置を設置することで保存部分への影響を最小限にしながら、耐震性能を大きく向上させた。重厚な内装を残しながら、1階には会員制のシェアオフィスを、2~4階には、ハイグレードなセキュリティサービスを兼ね備えた小規模オフィスを設置。新築棟地下1階に計画している食堂やシェアオフィスと連携したサービスも提供していく。

 2・3階では、創建時の姿を再現した宴会場「鳳凰」と「真珠」を保存・復原し、一般利用が可能なカンファレンス施設等として活用。両室とも照明や天井・壁面の唐草模様など装飾品を可能な限り創建時と同様のデザインで復原し、昭和初期のモダニズムを感じさせる空間を創出する。

 また、2階の応接室・役員室として使われていた部屋は、寄木張りの床や絹織物の天井など当時の雰囲気を生かしつつ貸し会議室として利用する。また、4階には、これまでの歴史がわかるギャラリーも設置する。5階屋上には、ワーカーの憩いの場となる屋上庭園と専用ラウンジを。屋上庭園には仕事の合間にリフレッシュできる健康家具なども備える。

 全体竣工は22年7月の予定。

2階応接室では、工事過程で発見された正倉院宝物殿にある銀壺と類似した模様のクロスを保存
貸し会議室イメージ。応接室・役員室は、貸し会議室として活用する予定

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「海外トピックス」を更新しました。

サントスの「動く博物館」と中心街の再活性化【ブラジル】」を更新しました。

ブラジル・サンパウロ州のサントスでは、旧市街地2.8キロをめぐる「動く博物館」が人気となっている。1971年には一度廃止された路面電車を復活して観光路面電車としたものだが、なんと日本から贈られた車両も活躍しているという。