不動産ニュース / 決算・業績・機構改革

2022/2/15

住友林業、30年に経利2,500億円達成へ

 住友林業(株)は14日、2021年12月期決算(連結)と、新たな長期ビジョンおよび中期経営計画の説明会を開催した。

 20年12月期より決算期を3月末から12月末へ変更している関係で、21年12月期の通期実績における前期比は、20年3月期実績と比較している。

 当期(21年1月1日~12月31日)の売上高は1兆3,859億3,000万円(20年3月期比25.5%増)、営業利益1,136億5,100万円(同121.2%増)、経常利益1,377億5,100万円(同134.2%増)、当期純利益871億7,500万円(同213.0%増)。米国の戸建住宅事業を中心に海外住宅・不動産事業が好調に推移したことで売上高・経常利益は大きく増加し、過去最高益となった。

 木材建材事業は、木材価格高騰により流通事業における輸入製材・合板・国産材の販売価格が上昇したことなどから、セグメント売上高は2,168億5,800万円(同3.0%減)、経常利益は99億8,400万円(同63.8%増)となった。
 住宅・建築事業は、ウェブ集客が奏功し戸建注文住宅の受注金額が3,583億円(同23.8%増)・棟数8,663棟(同12.1%増)と、受注は好調に推移した。売上金額は3,356億円(同4.8%増)・棟数は8,347棟(同12.4%増)。戸建注文住宅の工事が進捗したことや、20年にグループ会社化したコーナン建設(株)の業績貢献の一方、木材を中心とする建設資材のコスト上昇により、売上高は5,109億3,900万円(同7.8%増)、経常利益は196億4,100万円(同13.0%減)だった。
 海外住宅・不動産事業は、米国住宅事業で好調な住宅市場を背景に販売戸数・販売価格が上昇。米国不動産開発事業も物件売却数・物件当たりの利益額が上昇したことで、売上高は6,445億7,300万円(同61.4%増)、経常利益は1,043億3,400万円(同202.1%増)と、大幅な増収増益となった。

 次期(22年12月期)は、売上高1兆5,240億円、営業利益1,185億円、経常利益1,350億円、当期純利益860億円を見込む。

 また同日、30年に向けた長期ビジョン「Mission TREEING 2030」および中期経営計画「Mission TREEING 2030 Phase1」(22~24年)の策定を発表。
 長期ビジョンでは、「森と木の価値を最大限に活かした脱炭素化とサーキュラーバイオエコノミーの確立」「グローバル展開の進化」「変革と新たな価値創造への挑戦」「成長に向けた事業基盤の改革」を掲げた。建築分野では、建設時の排出量は鉄骨造比約マイナス40%、炭素固定量は3.7倍のLCCM住宅を販売する計画。海外では木造の「ネットゼロカーボンビル」の供給を推進する。
 住宅は注⽂・分譲合わせて年間1万⼾を⽬標にシェアを拡⼤。⾮住宅はロードサイド店舗、公共施設、介護施設などを積極的に受注する。海外では、住宅は米国で2万3,000⼾、豪州で5,500⼾、その他で1万1,500⼾と、年間で現状から約2万3,000戸増の計4万⼾の供給を目標に設定。国内と合わせて年間住宅供給戸数5万戸を目指す。⾮住宅は中⼤規模の⽊造商業施設・オフィスビル等の開発を加速させる。

 その実現に向けた中期経営計画では、「木材資源の活用による脱炭素化への挑戦」「収益基盤の強靭化の推進」「グローバル展開の加速」「持続的成長に向けた経営基盤の強化」「事業とESGの更なる一体化」を事業方針に設定。森林のCO2吸収源としての価値を訴求した新たな事業の展開、住宅・建築事業および木材建材事業の収益力の回復、将来の市場変化を見据えた変革の推進、米豪住宅・不動産事業の拡大やアジアにおける収益基盤の確立などを実施する。国内外の住宅・不動産事業においては、DXを活用した営業で圧倒的なシェア獲得を目指す。また、米国および豪州は、厳選した土地仕入れやエリアの特性に応じた商品展開を図り、大きく販売戸数を伸ばすほか、米国・豪州・欧州において中大規模非住宅木造建築の開発を推進する。24年12月期の販売目標は国内で9,750戸(21年12月期9,711戸)、米国1万6,000戸(同1万1,230戸)、豪州4,000戸(同3,169戸)で、計2万戸(同1万4,399戸)を目指す。

 業績目標については、24年12月期の売上高は1兆7,700億円、経常利益は1,730億円、当期純利益は1,160億円。30年12月期の経常利益は2,500億円を達成するとした。

 同社代表取締役社長の光吉敏郎氏は、「森林経営から木材加工・流通、木造建築、バイオマス発電におけるウッドサイクルを回すことで、事業全体を通じて自社のみならず、社会全体のCO2の吸収・固定に寄与していく。木造建築分野では、脱炭素設計のスタンダード化を図ることで、住宅においては炭素固定への貢献、住み心地と環境負荷低減の両立を目指す」などと述べた。

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