住友林業(株)11日、同社の傘下で米国の森林アセットマネジメント事業会社であるEastwood Forests, LLC(以下、EF社)が、森林ファンド「Eastwood Climate Smart Forestry Fund I」を組成すると発表した。6月の組成を目指す。
住友林業グループは、SDGsの目標年である2030年を見据え、長期ビジョン「Mission TREEING 2030」を発表。「循環型森林ビジネスの加速」を掲げ、森林ファンドの組成に向けて取り組みを進めてきた。同ファンドは、住友グループとしてこの取り組みにおける初の組成となる。
同ファンドでは、参画企業各社の出資金により、北米の森林を中心に購入・運用。木材販売等から得る利益や森林が生み出すカーボンクレジットを出資者に還元して、社会全体のカーボンオフセットに貢献する。また、森林が持つCO2吸収・炭素固定機能や生物多様性、水資源の保護等の多面的な機能が発揮できるように、持続可能な森林経営を実践していく。
EF社は、米国における森林ファンドの組成・運営の経験と知見と持つAlex Finkral氏、Glenn Wallace氏と、住友林業の100%子会社Sumitomo Forestry America, Inc.が共同で設立した会社。同ファンドのアセットマネジメント会社として森林資産の運用に助言する。私募取扱やファンドGPの日本国内業務の受託は、同じく子会社のSFCアセットマネジメント(株)が担う。
なお、同ファンドには、ENEOS(株)、芙蓉総合リース(株)、ユニ・チャーム(株)の3社も参加を表明しているほか、複数の企業が参画を検討している。
住友林業グループでは、30年までに管理・保有する森林面積を計50万haにまで拡大、運用資産規模1,000億円の森林ファンドの構築を目指す。