積水化学工業(株)は23日、同社グループの新中期経営計画「Drive 2.0」(2023~25年度)についての記者会見を開催した。
現在進めている長期ビジョン「Vision 2030」の実現に向けて、“持続的成⻑”と“仕込み充実”を図る。新事業領域の創出を目指した仕込みの具体化により成長を加速させ、現有事業の着実な成⻑とポートフォリオの磨き上げにより利益効率を高める。また、持続的成⻑と仕込み充実に資するESGマネジメントも強化する。新事業として、住宅分野ではまちづくりとAI・デジタル技術の融合によるスマートシティの開発を計画している。
同社グループ全体で25年度の売上高は1兆4,100億円(22年度比13.4%増)、営業利益は1,150億円(同25.4%増)、純利益は820億円(同18.3%増)を目指す。
住宅カンパニーは、前中計での営業利益の大幅計画未達を受け、住宅(戸建住宅)事業において収益性改善に注⼒する。リフォーム・不動産・まちづくり各事業でカンパニー業容拡大を牽引していく。厳しい事業環境の想定を前提に、コア領域の深化(収益性改善)、フロンティア領域の⾶躍・探索(ポートフォリオ強化)により、利益の底上げを図り、コロナ前⽔準への回帰を狙う。
住宅事業では、売上棟数増(同300棟増)に向け、分譲・建売の拡販、商品競争⼒の向上に注⼒。市場成熟化の加速を想定し、⻑期的な事業・⽣産体制の最適化を推進し、収益性改善図る。エネルギー⾃給⾃⾜等のスマート&レジリエンス性能のさらなる強化によるスマートハウスNo.1戦略を進化。土地の仕入れを強化するほか、スマート&レジリエンスをテーマとした分譲地「ユナイテッドハイムパーク」を訴求する。受注棟数1万1,500棟(同4.5%増)のうち、分譲(建築条件付き+建売)棟数3,650棟(同15.8%増)、比率32%(同9ポイント上昇)を掲げた。また、成⻑領域(他事業含むフロンティア領域)への人員シフト、⻑期的視野での事業・⽣産体制最適化の検討等も実践する。同カンパニープレジデント・神吉利幸氏は、「住宅市場は、長期的に見ても受注が漸減傾向にあるとみている。建替比率が低下し、一次取得者層が堅調な状況を踏まえ、分譲住宅の供給増を図ることにした」などと述べた。
リフォーム・不動産・まちづくり事業では、フロンティア領域を中⼼に経営資源を積極投入、事業間・社外との融合を推進し、業容拡大を図る。リフォーム事業では、リノべる(株)との資本業務提携を生かし、外販での売上高100億円規模を目指す。不動産事業では、買取再販事業を集合住宅でも展開するほか、保有不動産の賃料収入・売却益の増大も図る。まちづくり事業では、25年度までの販売分の土地仕入れは終わっており、9プロジェクトを売り出す予定。同年度以降に向けた仕込みとして、専任担当者の増員等を実施する。
同カンパニーの25年度目標は、売上高5,800億円(同16.4%増)、営業利益400億円(同21.9%増)としている。