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住協グループは1日、東京大学高齢社会総合研究機構との共同研究成果を反映したモデル住宅(建売住宅)「Make Full」(東京都練馬区、全4棟)を報道陣に公開した。
同社は2022年から、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授の大月敏雄氏や東北工業大学講師・東京大学客員研究員・DOG一級建築士事務所代表取締役の齋藤 隆太郎氏との共同研究を開始。先進的住宅の視察、建物の設計、コンセプトワークなど約1年にわたり取り組み、人生100年時代に対応した次世代住宅・住宅地のモデルガイドラインの策定、モデル住宅の開発、実用化を目指してきた。「Make Full」はその研究成果を反映。35年・1世代で役目を終えることが多い建売住宅を、居住者のライフスタイルの変化に対応し、長期間使いこなせる・住みこなせる工夫を盛り込んだ。物件名は「make full use of~(充分に使う)」から名付けた。
同日会見した大月教授は「50年・100年と住み続けることができる住まいやまちづくりの在り方が、私の研究テーマ。今の建売住宅は、夫婦の子供が育つまでの35年を過ぎると2階を使わなくなる。夫婦が50~90歳代と歳を取っても使っていける住まいの在り方を共同研究してきた」と語った。また、斎藤氏は「この取り組みで得られた知見を、住協さんを通じて広く社会に広めていくことが大事。そのため、奇をてらった設計はせず、住協さんの基本仕様をベースとしている」とした。
同モデル住宅は、西武池袋線「大泉学園」駅からバス11分、最寄りのバス停から徒歩4分の同社開発地内に位置する。建設地は、元農地で19年末に取得し、宅地に造成した。開発地の最も東寄りに位置し、北東が神社の緑に隣接。4棟を東西方向に雁行させ配置している。第1種低層住居専用地域、建蔽率40(一部50)%・容積率100%。土地面積約110平方メートル、木造軸組み2階建て、建築面積は約89平方メートル。なお、同モデルハウス以外にも建築条件付き土地として10区画余を先行販売済み。
内外装は、白を基調にしたシンプルな構成。居住者の経済状況や家族形態の変化に合わせて、主として2階部分を多用に使いこなすための工夫を盛り込んでいるのが特長。あらかじめ外階段を設け、2階にダイレクトアクセスできるよう設計。2階は、シャワールームとトイレを設置。主寝室のクローゼット部分はキッチンに改修できるよう、ガス・水道管を先行配管。外階段入り口部分に壁を設けることで、賃貸住戸、二世帯住戸、アトリエ、ネイルサロン、レンタルルームとして独立させることを可能としている。
また、低層住宅地の2階建てでは珍しいルーフバルコニー(約20平方メートル)を設置。モデル棟にはホームエレベーターも設置した。他の3棟はコストダウンのため階段だが、塔屋は共通設計でリフォームによるホームエレベータの取り付けを可能としている。躯体は、住協グループの標準仕様で、あえて長期優良住宅化やZEH化などはせず、コストアップ要因は可能な限り排除している。また、最大35年間のメンテナンスプログラムも提供し、建物の長寿命化をバックアップする。
共同研究のメンバーで、同社取締役の宇野健一氏は「コロナ禍を経て今後の住宅はどうあるべきかを先を見据えて研究してきた成果。当社の営業マンにモデル住宅のコンセプトを周知して、その意義をお客さまに説明できるようにする。間取りの可変性や外階段、1低層エリアでのルーフバルコニー提案などは顧客のニーズも高く、他の物件にもフィードバックしていく」と抱負を語った。
エレベーター付き住戸はモデル棟として、同社の顧客や営業社員、関係者などに幅広く公開していく。残りの3棟は7月中に販売を開始する。価格は6,380万円、6,480万円、6,580万円。
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