
旭化成ホームズ(株)は10日、温室効果ガス(GHG)削減に関する国際的イニシアチブ「SBT」において、パリ協定が定めた平均気温上昇を1.5度以内に収める「1.5度目標」の認定を取得したと発表。併せて、企業等に対し、気候変動関連リスクおよび機会に関する項目開示を推奨するタスクフォース「TCFD」への賛同も表明した。
「SBT」は、パリ協定が求める水準と整合した、5~15年先を目標年として企業が設定するGHG排出削減目標のこと。SCOPE1(事業者自らによるGHGの直接排出)+SCOPE2(他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出)で17年度比55%のGHGを削減、SCOPE3(事業者の活動に関連する他社の排出)で17年度比35%を削減する。
「TCFD」は、気候関連の情報開示と金融機関の対応をどのように行なうべきかを検討するため、金融安定理事会によって設立されたもの。同社は事業活動全般におけるGHG削減を目に見える形で達成するため、「SBT」の認定を取得し、その上でより実効性の高い気候変動対策を実施するために「TCFD」への賛同表明に至った。
一方、太陽光発電設備を設置した顧客と共に脱炭素社会の実現に貢献する形で、国際的な環境イニシアチブ「RE100」にも参加。同社グループが供給する電力供給サービス「へーベル電気」を通じて、太陽光発電システムを搭載したヘーベルハウス・ヘーベルメゾンオーナーからFITによる固定価格買取制度の期間が満了した発電設備の電力を買い取り、事業活動で消費する電力に充当している。当初は38年までに、事業における使用電力を100%再エネで賄うことを目指していたが、環境貢献参加意識の高まりもあり、目標を大幅に上回る23年度中に達成できる見込みだという。
また、すでに 80%を超えている戸建住宅のZEH化に加え、独自のZEH-M賃貸住宅「Eco レジグリッド」の推進によって賃貸住宅のZEH-M化を進める。その他、社有車および社用車のHV化やEV化を推進することで、事業活動で消費するGHGを削減する。
会見で同社代表取締役社長の川畑文俊氏は「当社は51年目を迎えているが、創業より脈々と流れていたサステナビリティの考え方を整理して、今後はより前面に打ち出していく。事業を通じて、お客さまと共にサステナブルな社会の実現に貢献する会社を目指していきたい」などと述べた。