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2024/1/5

「2024年 年頭挨拶」(各社)

不動産および住宅会社や関連会社各社のトップは、下記のような年頭所感を述べた。(順不同)

三井不動産(株)代表取締役社長 植田 俊氏
三菱地所(株)執行役社長 中島 篤氏
住友不動産(株)代表取締役社長 仁島浩順氏
東京建物(株)代表取締役社長執行役員 野村 均氏
野村不動産ホールディングス(株)代表取締役社長 グループCEO 新井 聡氏
東急不動産ホールディングス(株)代表取締役社長 西川弘典氏
(株)長谷工コーポレーション代表取締役社長 池上一夫氏
オリックス不動産(株)取締役社長 深谷敏成氏
(株)大京 代表取締役社長 深谷敏成氏
森ビル(株)代表取締役社長 辻 慎吾氏
森トラスト(株)代表取締役社長 伊達 美和子氏
中央日本土地建物グループ(株) 代表取締役社長 三宅 潔氏
東急グループ 代表 野本弘文氏
東急(株)取締役社長 堀江正博氏
(株)西武ホールディングス代表取締役社長 後藤高志氏
サンフロンティア不動産(株)代表取締役社長 齋藤清一氏
三菱地所レジデンス(株)取締役社長 宮島正治氏
三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長 遠藤 靖氏
東急リバブル(株)代表取締役社長 太田陽一氏
住友不動産販売(株)代表取締役社長 竹村信昭氏
三菱地所リアルエステートサービス(株)代表取締役社長執行役員 湯浅哲生氏
東京建物不動産販売(株) 代表取締役 社長執行役員 福居賢悟氏
(株)大京アステージ、(株)穴吹コミュニティ代表取締役社長 真島吉丸氏
大和ハウス工業(株) 代表取締役社長 芳井敬一氏
積水ハウス(株)代表取締役 社長執行役員 兼 CEO仲井嘉浩氏
旭化成ホームズ(株)代表取締役社長 川畑文俊氏
三井ホーム(株)代表取締役社長 池田 明氏
積水化学工業(株)代表取締役社長 加藤敬太氏
トヨタホーム(株)代表取締役社長 後藤裕司氏
住友林業(株)代表取締役 社長 光吉敏郎氏
パナソニック ホームズ(株)代表取締役社長 井上二郎氏
ポラスグループ 代表 中内 晃次郎氏
(株)AQ Group 代表取締役社長 宮沢俊哉氏
オリックス・ホテルマネジメント(株)取締役社長 似内隆晃氏
ケネディクス(株)代表取締役社長 宮島大祐氏
ハウスコム(株) 代表取締役社長執行役員 田村 穂氏
クリアル(株)代表取締役社長 横田大造氏
(株)ジェクトワン代表取締役 大河幹男氏

 

■三井不動産(株)代表取締役社長 植田 俊氏

 謹んで新年のお慶びを申しあげます。

 昨年は、Chat GPT4の登場による生成AIの急速な普及や、ウクライナ戦争の長期化・パレスチナ問題の再燃による世界の分断の深刻化、主要各国での高金利の継続など、様々な出来事があり、パラダイム転換が起きた年でしたが、 劇的な環境変化のもと企業間競争にさらされる現代は、さながらビジネスにおける「カンブリア紀」とも呼べる状況ではないでしょうか。

 今年は、バブル崩壊後の「失われた30年」にピリオドを打ち、デフレから完全脱却ができるかどうか、その見極めをする勝負の年だと考えています。デフレのもとでは、付加価値創出のための努力が報われず、中々イノベーションを起こすのは困難でした。しかし、賃金上昇も伴った持続的・安定的なインフレに移行することで、投資の拡大、イノベーションや付加価値の創出、そして、その付加価値をお客様に正当に評価いただく、という好循環が生み出されます。この好循環のもと、日本経済が持続的に成長していくことを期待しています。

 当社グループはこれまでも、街づくりを通じた「場」と「コミュニティ」の提供により、集まる人々や企業のイノベーションや付加価値向上のお手伝いを行い、共に成長してきました。大きな環境変化の中で激しい競争に打ち勝つためには、従来のやり方に固執するのではなく、いま一度「顧客志向」を徹底し、お客様に「喜び」「感動」を提供できているか見つめなおすことが必要です。 多様な変化に適応しながら、突き抜けた発想でイノベーションを起こし、付加価値を創出することで、日本の産業競争力の強化に貢献していきたいと考えています。

 昨年は、大規模再開発プロジェクト「東京ミッドタウン八重洲」や「ららぽーと門真・三井アウトレットパーク大阪門真」などが開業しました。今年は、当社として初めて手掛けるアリーナ施設「 LaLa arena TOKYO BAY 」が開業予定です。昨年はさまざまなスポーツイベントが開催され、スポーツという「シナリオのないドラマ」に人々が大変魅了されました。今年は「パリ 2024 オリンピック・パラリンピック」も開催され、より大きな「スポーツの力」によって、 世界中の人々を感動の渦に巻き込むことでしょう。当社グループとしても、引き続きスポーツ・エンターテイメントの力を活用するなど、コロナ禍が明け再認識された「リアルの価値」を最大限に高めるミクストユースの「行きたくなる街づくり」、そして、「行きたくなる街にある、行きたくなるオフィスづくり」を一層推進してまいります。

 同時に、激しい環境変化のもと、多様化した顧客ニーズに対応していくためには、当社グループの中にも多様性を包摂し、社会のニーズや価値観の多様化に的確に応えていくことが不可欠です。当社グループらしさや強みとなる企業文化を大切にしながら、異なる価値観やバックグラウンドを持つ人同士がそれぞれの意見や発想をぶつけあうことでお互いを高め合える職場づくりや人材育成、女性活躍を含めた「ダイバーシティ&インクルージョン」を実現してまいります。

 最後に、昨年に引き続き、脱炭素社会の実現に向けてサプライチェーン全体を巻き込んだ各種施策に、これまで以上にスピード感とスケール感を持って取り組んでまいります。

 皆様のこの一年のご健勝とご多幸をお祈り申しあげます。

■三菱地所(株)執行役社長 中島 篤氏

 2023年は、新型コロナウイルス感染症の5類引き下げや物価上昇に対応する高水準な賃上げなどにより、停滞していた経済活動が正常化に向かい、デフレ脱却への兆しが見える一年となった。中東情勢の混乱や中国の経済不調等、世界的な先行きの不透感は強まる一方ではあるが、人々の価値観や事業環境の変化を中長期的に捉えながら、社会全体で着実に成長し、経済の好循環を生んでいくことが必要となる。

 訪日外国人客数は、昨年より堅調に回復し、今年はコロナ禍前の水準を超える見通しだ。当社は、2024年2月に「ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 名古屋」、8月に「ローズウッド宮古島」の開業を予定しており、インバウンド需要を積極的に取り込んでいきたい。
 また、今年9月には大阪駅前で進める「グラングリーン大阪」のまちびらきを予定している。コロナを経て、街にどのように付加価値をつけていくかがさらに重要になった。大型都市公園を含む新たなエリアマネジメントを行い、多様なステークホルダーと共に、持続的にイノベーションが生まれる街づくりにチャレンジしていく。

 長期経営計画2030では、株主価値向上と社会価値向上を戦略の両輪としているが、次世代以降に貢献できるサステナブルな街づくりという観点をこれまで以上に重視して取り組んでいく。脱炭素社会の実現に向けては、「三菱地所グループの Sustainable Development Goals 2030」の達成を目指し、エネルギー価格の高騰や物価上昇の中でも、グループ一丸となり達成へ向けて着実に歩みを進めてきた。2015年に国連で採択されたSDGs2030の後半戦に突入しており、この歩みは止めない。また、人権、ダイバーシティ、ウェルネス等社会的な要請をより強く意識し、一つ一つの取り組みを面で繋げ、サステナブルな社会の構築に寄与したい。

 昨年はラグビー日本代表が戦う姿に心を動かされた。役割の異なる選手達が一つの目標に向かって団結して取り組む姿は、不動産デベロッパーが目指す姿と同じだ。我々も、社員一人ひとりが組織の垣根を越え団結し、時代を先取りする新たな「価値創造」に挑戦し続ける一年としたい。

■住友不動産(株)代表取締役社長 仁島浩順氏

 新年明けましておめでとうございます。

 昨年は、物価高や人手不足など課題はあるものの、国内経済は総じて回復基調で推移した。

 当社は、グループの皆さんの奮闘努力が実り、連続最高益の達成が確実な情勢だ。また、将来の成長力を高めるため、東京に次ぐ一大拠点を構築すべく、インド・ムンバイで橋頭堡を確保した。

 一方で、建築費高騰や金利上昇など、事業環境は大きく変化している。持続的成長を実現していくためには、基盤となる国内事業のさらなる成長が欠かせない。

 役職員の皆さんには、高い視座で先々の変化を捉え、従来の方針や手法にとらわれず、グループ連携強化、新たな事業創出なども視野に、柔軟かつ独自の発想で業務に邁進して欲しい。今年も一年間、明るく元気に頑張ろう。

■東京建物(株)代表取締役社長執行役員 野村 均氏

 まずは今年元旦に発生した能登半島地震により被災された方々に心よりお見舞い申し上げる。

 昨年を振り返ってみると、5月から新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、日本においても外国人観光客が戻り始め、10月にはその数がコロナ禍前の水準を超えるなど、観光業を中心に活況を呈してきた。一方、日銀の金利政策の変更やイスラエル紛争の勃発など、外部環境が大きく変化した一年だったかと思う。

 今年はいよいよ現中期経営計画ラストイヤーである。現中期経営計画の利益目標である事業利益750億円の達成に向けて、油断は禁物ではあるが、大きな不安要素はないと考えている。現中期経営計画中、コロナやウクライナ情勢など、現中期経営計画策定時には予期していなかった出来事が起こり、当社グループを取り巻く環境にも大きな変化があった。環境の変化に立ち向かいながら、しっかりと積み重ねてきた努力が大きく花開く一年とするため、皆で一丸となって目標達成に向けて取り組んでいきたいと思っている。

 事業環境の面では、建築費の高騰や円安、日銀の金利政策変化が与える不動産投資市場や分譲マンション市場への影響、不動産市況の不振が長期化する中国市場など、当社グループの事業を取り巻く足元の環境変化には一層注視しなければならない。

 オフィス市場は、リアルなコミュニケーションを行う場として、オフィスの必要性や重要性を再認識する動きが継続しており、市場の先行きを極端に不安視する必要はないと考えている。分譲マンションの販売状況は、全般的に高価格の水準で成約しているものの、建築費の上昇を販売価格の上昇で吸収できていた環境にも変化の兆しがみられる。金利動向や物価上昇による家計の負担増による影響等も踏まえ、マーケットの変化を的確に把握するとともに、引き続き厳選投資の姿勢を崩さず、着実に事業を進めていく必要がある。

 また、今年は次期中期経営計画の具体的な検討・策定作業を実施していくことになる。足元の事業環境だけでなく、将来起こりうる環境変化の兆しに対しても役職員一人ひとりが敏感になり、当社グループが、長期ビジョンである「次世代デベロッパーへ」の実現に向けて、更なる成長を遂げるためにどうあるべきか、何に取り組んでいくべきか、しっかりと皆さんと議論を重ねていきたい。

 今年の干支は甲辰(きのえたつ)である。「甲」には草木の成長や物事の始まりを表す意味があり、「辰」は力強さや成功を象徴している。「これまでの努力が報われる」「成功につながるための努力が種子の内側で育つ」年だとされている。当社グループにおいても、現中期経営計画目標の達成だけでなく、当社グループの更なる成長に向け種まきをしていく1年になるよう、コミュニケーションをしっかりと図りながら、全社一丸となって頑張ろう。

 最後になるが、当社グループの役職員の皆さんには、ご家族の健康にも気を配りつつ、自身の健康にくれぐれも注意していただき、日々の業務に励んでほしい。

■野村不動産ホールディングス(株)代表取締役社長 グループCEO 新井 聡氏

 まず、このたびの能登半島地震でお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りします。また、被害のあった地域の一日も早い復興を心から願っています。

 世の中の変化が加速し、お客様のニーズがますます深化・多様化する中で、私たちも考え方を変えてゆく必要があります。ベースである不動産開発で強みを発揮しながら、新たなステージへ進化して、今までとは違う商品やサービスもお客様に提供していかなければなりません。
 その意思を示すのが、野村不動産グループ2030年ビジョン「まだ見ぬ、Life & Time Developerへ」であり、お客様を豊かにする新たなLifeとTimeを創り、それを提供できるグループになることが私たちの目指す方向だと考えます。
 大切なのは、私たち一人ひとりが日々努力して進化していくこと。今年は全員で「まだ見ぬ、Life & Time Developer へ」進化を加速させる年にしてゆきましょう。

■東急不動産ホールディングス(株)代表取締役社長 西川弘典氏

 新年を迎えたが、ウクライナ、イスラエル問題など地政学上の不安定さや為替の動向、資源高の継続、人手不足や賃金上昇等による工事金の高騰、長期金利の上昇を受けた住宅ローン固定金利の引き上げなど、事業環境を取り巻く状況は引き続き注視が必要だ。その一方、新型コロナウイルスが五類に移行するなど一時期より世の中が落ち着きを取り戻すなか、インバウンドの来訪数がコロナ禍前の水準まで回復していることは明るい材料の一つ。今後もこうした世の中の動きが当社グループの事業環境にどのような影響を及ぼすのかについては慎重に見極めていく。

 こうした状況下、足元の不動産市場は仲介市場の好調など良好な状態を維持している。当社グループの業績にも追い風が吹いており、この好機を生かして「攻めの企業経営」を進める。最重要拠点の渋谷駅から半径2.5キロメートルの「広域渋谷圏」では、昨年10月には『職・住・遊近接の新しいライフスタイル』を提案する新複合施設「Forestgate Daikanyama(フォレストゲート代官山)」をグランドオープンし、昨年11月には渋谷最大級のスケールとインパクトを誇る“次世代型ランドマーク”「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」が竣工するなど、複数の大型再開発で旺盛な不動産需要の取り込みを図っている。また、線路や幹線道路をまたぐデッキを新設するなど課題だった渋谷駅周辺のバリアフリー化も同時に進め、高齢者や小さなお子様連れの方々でも訪れやすい街づくりを進めている。渋谷サクラステージの竣工で渋谷駅周辺の大型再開発は一段落したようにみえるが、広域渋谷圏の開発はこれからも続く。今後も東急グループ一丸で、広域渋谷圏の国際競争力向上を目指し拠点整備を進めていくのと同時に、積極的なスタートアップ支援などで渋谷発の産業育成にも注力していく。

 当社グループは長期ビジョンで「環境経営」「DX」を全社方針として掲げており、環境経営の分野では昨年8月に事業における生物多様性の回復傾向(ネイチャーポジティブ)を志向する、国内の不動産業で初めての「TNFD レポート」を公開した。広域渋谷圏を自然関連情報の検討・分析を行う優先地域に据え、東急プラザ表参道原宿など様々な緑化の工夫を凝らした物件と代々木公園などの緑とつなぐことで、生物多様性を志向する取り組みに力を入れていく。太陽光発電や風力発電など国内有数の発電量を誇る再生可能エネルギー事業などと合わせ、環境問題という国内外の社会課題解決の一助を担う存在となりたい。

 また、当社が持つリゾートホテルなどの観光資源と GX(グリーントランスフォーメーション)とを合わせ「地方共生」にも取り組んでいく。地域が抱える課題に向き合い、当社グループが抱える事業ウィングの広さや事業拠点の範囲の広さを生かし、当社グループが拠点を置く地域の住民や行政、ビジネスパートナーなど様々なステークホルダーとの協働・共創を進めながら、新たなビジネスの芽を開いていきたい。

■(株)長谷工コーポレーション代表取締役社長 池上一夫氏

 明けましておめでとうございます。

 昨年は雇用・所得環境の改善に伴い景気は緩やかに回復し、経済にも活気が戻ってきました。マンション販売は堅調に推移していますが、金利の上昇や物価の高騰といった事業環境の不透明感もあり、予断を許さない状況です。

 国内のマンション市場ですが、今年の供給は首都圏3万1,000戸、近畿圏1万7,000戸と3年前の水準に戻ると見込んでいます。なお、平均販売価格は上昇が続いており、首都圏においては1億円を超えたこともありました。今年も価格の上昇傾向は続くと思われます。

 中期経営計画「NS計画」4年目は残り3ヵ月となりました。マンションの受注環境は好調ですが、受注した仕事を順調に推進するため、また、本年4月より適用される時間外労働の上限規制、いわゆる働き方改革関連法への対応のためにも、引き続き生産性向上を進めていかなければならないと考えています。当社はこれまでBIMをはじめとしたDXの推進、建設現場での工業化など、さまざまな施策により生産性向上2割アップに向けた取り組みを行っており、業務効率化に向けた生成AIの環境整備も進めています。

 さらに、物流の効率化など事業を取り巻く問題にも着手していかなければなりません。これらの取り組みを具体的な成果とし、生産性と品質の向上の動きを更に加速していきたいと思います。また、グループ各社の事業においても業務の細部に渡りDXを推進していますが、サービスの品質向上にも取り組んでいただきたいと思います。

 次に、SDGsといった社会課題の解決など、企業に求められる要件の増加や、生成AIに代表される革新的な技術の出現など、当社を取り巻く環境は複雑に目まぐるしく変化しており、立ち止まってはいられません。再生可能エネルギーの活用、木造化などの脱炭素、人権・多様性への取り組み、人的資本開示、資本コストや株価を意識した経営など、着手してきたことは多々ありますが、今後も一つひとつ着実に進めていかなければなりません。そのためにも生産性向上により人や時間の余力を生み出し、新たな事へ挑戦する。このサイクルへの対応が大切だと考えています。

 今年のキーワードは、“進取変革(しんしゅへんかく)”とします。自ら進んで取り組む「進取」と物事を根底から変える「変革」を合わせた造語です。絶え間なく変化する時代の波に乗り、チャンスを掴んでより大きな夢を目指すために必要な心構えや気風を表しています。「進取変革」の精神でポストNS計画に向けて新規事業へ積極的に挑戦してもらいたいと思います。新規事業には、生成AIではなく人間の意志が必要です。やりたいことは自分で作る、そういう心構えで事業の変革を目指せる会社にしていきたいと思っています。

 今年も皆さんと一緒に明るく元気よく頑張っていきましょう。

■オリックス不動産(株)取締役社長 深谷敏成氏

  謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 本年もよろしくお願いいたします。この度の令和6年能登半島地震により被災された皆さまならびにそのご家族の皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。

 日本経済は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、人流の活発化により活力を取り戻しつつあります。一方で、エネルギーや原材料価格の高騰による世界的なインフレ継続や深刻化する人手不足など不透明な環境が続いています。

 昨季、オリックス・バファローズは惜しくも日本一を逃しましたが、3年連続のリーグ優勝を成し遂げました。応援いただいたすべての皆さまに感謝申し上げます。我々の各事業におきましてもチャレンジを続け、飛躍の一年にしたいと思います。

 昨年は、静岡県熱海市で開発したラグジュアリー旅館リゾート「熱海・伊豆山 佳ら久」が開業したほか、全国で計5件の物流施設が竣工しました。物流施設は、屋根に太陽光発電システムを設置し、テナント企業に再生可能エネルギーをご利用いただけるなど、環境に配慮した開発をすすめています。不動産事業における幅広い専門性とオリックスグループのネットワークを活用し、複合開発、オフィス、物流、ホテル・旅館開発など多岐にわたる事業活動を着実に行うとともに、サステナビリティ推進を加速してまいります。

 また、オリックスグループの企業理念体系が見直され、新たに「ORIX Group Purpose & Culture」が策定されました。当社は、不動産事業を通じて社会にポジティブなインパクトを生み出せるよう、新たな価値創造に挑戦していきます。不動産事業部門の「サステナビリティ推進方針」では「脱炭素化」「環境配慮」「安全・安心・快適性」「地域共生」をテーマに掲げ、施設の再エネ化や建築の環境認証の取得をはじめ、持続可能な社会に向けた活動を継続し強化してまいります。

 皆さまの一層のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、本年が皆さまにとって実り多い一年となりますよう、心より祈念申し上げます。
 以上

■(株)大京 代表取締役社長 深谷敏成氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 本年もよろしくお願いいたします。この度の令和6年能登半島地震により被災された皆さまならびにそのご家族の皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。

 日本経済は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、人流の活発化により活力を取り戻しつつあります。一方で、エネルギーや原材料価格の高騰による世界的なインフレ継続や深刻化する人手不足など不透明な環境が続いています。家族の形態やお客さまの価値観が刻々と多様化する中、今まで以上に立地と商品企画にこだわったものづくりができる組織力を強化することで、お客さまの人生に新たな価値を創造してまいります。

 昨年、分譲マンションブランドを「ライオンズマンション」から「THE LIONS」へリブランドしました。従来の安心・安全で高品質な“住まい”を踏襲しつつ、洗練・上質の要素を加え、一歩先の“暮らし”を実現するブランドへと変革してまいります。住まいのニーズ、価値観が多様化する時代において、「人生には価値がある」と心の底から思っていただけるようなマンションをつくり、その住まいに関連する新しいサービスを提供してまいりたいと思います。

 また、「サステナビリティ」と「DX」は事業の品質向上につながるチャンスとなります。昨年は、分譲マンションのZEH区分最高ランクである「ZEH-M」の認定を日本で初めて受けた「ザ・ライオンズ世田谷八幡山」の開発に着手しました。引き続き、原則「ZEH-M Oriented」以上の省エネ基準を満たす仕様で開発を推進するほか、それ以上のレベルへ積極的に挑戦し、環境性能の向上を追求してまいります。「DX」のテーマでは、業務プロセスの見直しと生産性向上に向けた取り組みを加速してまいります。

 皆さまの一層のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、本年が皆さまにとって実り多い一年となりますよう、心より祈念申し上げます。

■森ビル(株)代表取締役社長 辻 慎吾氏

 複数のヒルズをつなげれば、東京の新たな磁力となる
 新たな地平の先には、様々なチャンスと無限の可能性が広がっている

 2024年は、「新たな地平から、森ビルを考える年」だ。

 昨年は「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」と「麻布台ヒルズ」をほぼ同時期に開業させるという、森ビルの長い歴史の中でも経験したことのないことをやり遂げた。今年は、順次オープンしていく施設や店舗を含めて、1つの街として最大限に機能するよう、しっかりと育んでいく。多様なジャンルのパートナーや街の人々と連携し、アイデアを出し合い、それぞれの街のコンセプトを体現できるような仕掛けや仕組みをつくり上げていく。

 森ビルは森稔会長の時代から、東京が国際都市間競争を勝ち抜くために、都心の既成市街地を再開発して、多様な都市機能が徒歩圏内に集約したコンパクトシティをいくつもつくり、国際新都心を創出するという壮大な構想を描いていた。当時は誰も信じていなかったが、開業後20年を経過した「六本木ヒルズ」が過去最高の来街者数や売り上げを記録したうえ、「虎ノ門ヒルズ」が完成し、「麻布台ヒルズ」が開業したことで、多くの人々が森ビルの構想を信じ、森ビルにはそれを成し遂げる実行力があることを認めてくれている。

 2つの新たなヒルズを軌道に乗せ、さらに複数のヒルズをつなげれば、東京の強力な磁力となるはずだ。加えて、会社の経営基盤もさらに強化され、ブランド力や信頼もより一層高まり、我々はもう一段二段、上のステージに昇ることになる。新たな地平の先には、様々なチャンスが広がっているし、やり方次第で無限の可能性を秘めている。

 ヒルズには1つとして同じものはない。これまでの成功体験やマニュアルにとらわれることなく、常にそれぞれのヒルズに合った新しい仕掛けや仕組みを考え出していかなくてはならない。「考えて考えて新しいやり方を模索する人」と「今までのやり方を当てはめる人」では大きな差が出てくる。皆さんにはぜひ前者であって欲しい。今年もますます森ビルらしく、共に挑戦し、共に成長していこう。

■森トラスト(株)代表取締役社長 伊達 美和子氏

 新年明けましておめでとうございます。

 コロナ禍前の日常の取り戻しが感じられた昨年、当社は新中長期ビジョンとして「Advance2030」を掲げ、2030年度に売上高3,300億円を達成する目標を設定いたしました。今年はこの実現に向けて着実なスタートを切るとともに、新しい価値の創造を通して、経済の発展と社会課題の解決に貢献してまいります。

 オフィス賃貸市場においては経済の正常化とともに空室率が改善し、国内のオフィス出社率は約7割と諸外国よりも高い水準で推移するなど、オフィス回帰が進んでいます。これからの働き方は、オフィスの快適性や、対面コミュニケーションの価値をいかに最大化するかがより一層重視される傾向にあると考えています。新しいオフィスが求められる中で、当社は今後も不動産事業を通して、人々を惹きつけるオフィスの在り方を提案し続けます。そのひとつとして、2025年にグランドオープン予定の「東京ワールドゲート赤坂」では、「NEXT DESTINATION」をコンセプトに、多様な人々が出会い交流する街の実現を目指してまいります。

 ホテル&リゾート事業をとりまく観光市場においては、コロナ禍を乗り越え消費が回復傾向にあり、今年のインバウンド消費は昨年の5兆円水準をさらに超えるものと期待されています。日本のインバウンドが新たな局面を迎える中で当社は、インターナショナルブランドホテルの開発と、国内外の旅行者への充実した宿泊体験の提供を通して、日本の各観光地域の高付加価値化を推し進めております。本年は、創業130周年を迎える軽井沢「万平ホテル」の大規模改修・改築事業や、当社初の九州ホテル計画となる「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」の開業に向け準備を進めてまいります。

 また、このような重要な局面にあるからこそ、観光先進国としての確固たる基盤づくりの必要性を感じます。持続可能な観光産業を育む上で日本が向き合うべきテーマは、宿泊施設の拡充だけでなく、オーバーツーリズム対策、労働力の確保、魅力ある観光地を維持するための投資など多岐に渡ります。宿泊税を含めた旅行者向け新税の導入や、ライドシェアなどの新サービス解禁による、制度面の柔軟な変革も急がれます。当社はこうした状況を踏まえながら着実に事業を進め、日本の観光先進国たる地位の確立に寄与いたします。

 2024年は、コロナ禍という冬の時代に着実に培ってきたものを花開かせる、躍進の1年であると捉えております。森トラストグループは引き続き目の前の変化をしなやかに捉え、さらなる事業拡大を進めてまいります。

■中央日本土地建物グループ(株) 代表取締役社長 三宅 潔氏

 今年は大きな事業環境の変化が予想される中で、働き方や住まいに対する価値観やニーズの多様化・個別化が進み、脱炭素社会の実現に向けた潮流もさらに加速していく一年。変化の潮流を見極めながら、個々の課題に一つずつ丁寧に対応していくことが重要。

 当社グループでは、虎ノ門、内幸町、田町、淀屋橋の4か所で手掛ける大型開発の本格始動とともに、新たな中期経営計画がスタートするステップアップの一年になる。

 事業基盤のさらなる強化とともにサステナビリティ経営を進化させ、昨年設立したTech LabおよびR&D施設などの取り組みを通じて、商品・サービスレベルの向上と新たな価値創造へ積極的にチャレンジし、お客さまや地域社会をはじめとするステークホルダーの皆さまに付加価値を提供していく。

 グループの企業理念に掲げる「共創」のスタンスで、環境変化の先を見据え、明るく前を向いて、グループ一丸となって積極的に動き、挑戦する一年としたい。

■東急グループ 代表 野本弘文氏

 コロナ禍も収まりつつあり、今年は4年ぶりに普段の正月を迎えることができると思っていましたが、元日に能登半島沖での地震が発生し、時間とともにその被害の大きさが明らかになっております。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。現地にはグループ各社の施設もあり、また社員の皆さんの親戚や、中には帰郷されて被災された方もいるのではと心配しており、一日も早い復旧を望んでいます。

 また、2日には羽田空港で航空機事故が発生しました。こういった災害・事故は何時、どこで、どの様な形で起きるかわかりません。被害を最小にするためには、常日頃からリスクに対する事前の想像と、そして起きた後の行動が大事であることは皆さんもお分かりのことかと思います。もし自分に起きたらどう行動するか、そのために普段どのように心がけておくのかなど、色々な災害・事故・事件に対して、自分事として追体験、疑似体験をすることも大事で、日ごろの訓練も同じです。羽田空港での航空機事故で僅かの時間で旅客機に乗っていた全員が脱出できたのは、日ごろからの訓練と、乗客への緊急避難の告知を繰り返し行っていた結果ではないかと思います。

 さて、昨今の国際・政治情勢の不安定、そして工事費をはじめ物価・人件費の高騰など、事業環境の変化はめまぐるしいですが、そうした状況下でも中長期的な未来を想像し、機会を捉えていかなければなりません。DX、GXを抜きでは考えられず、特に「生成AI」については、インターネット誕生以来の大きなインパクトをもたらす可能性を感じています。
 また、建設業・運輸業では「2024年問題」もいよいよ本番となり、人手不足の問題はあらゆる業種に影響を及ぼしていますが、その解決手段の一つとしての活用も大切だと思っています。

 今年は、インバウンドもコロナ前以上に本格回復し、人流も活発になると期待されています。コロナなどで停滞していた事業や、新たな事業をしっかり進め、これからの成長に繋げてほしいです。
 来年度から新たな中期経営計画が始まる会社もありますが、一番大事なことはトップ自らが、何をすべきかというビジョンを示し、5年後、10年後の会社の姿を、どの様な会社に成長しているのかを、従業員の皆さんと共有することです。
 何を実現するのか将来あるべき姿をイメージしてその蓋然性を高めることが大事であり、皆が夢をもって楽しく働きたくなるような中期経営計画にしてほしいと思います。

 12年前に「3つの日本一、ひとつの東急」を掲げ、「日本一訪れたい街 渋谷」というビジョンを打ち出しましたが、昨年初めて「外国人旅行客が訪れた街」で渋谷が1位になりました。グループを挙げて、多くの社員の皆さんが、このビジョン実現のため、たゆまぬ努力を続けてきた結果であると思います。ただ安心すれば、あっという間に衰退するのも現実であり、これからも、渋谷の街に多くの人が長い時間滞在し、何度も訪れたいと思っていただくために、常に「楽しさ、豊かさ、美しさ」を意識していただきたいと思います。
 今年は渋谷駅周辺開発のトピックは多く、5月に「渋谷アクシュ」が竣工し、7月には「渋谷サクラステージ」が全面開業します。また春には、「東急プラザ原宿・ハラカド」も開業予定であり、「日本一訪れたい街 渋谷」に大きく寄与するものと思います。

 私は、事業には「オープン、ネットワーク、組み合わせ」が大事と思っています。一言で「つなぐ」という言葉で言ってもよいです。東急のまちづくりは、創業以来、囲いこみではなく、常にオープンな発想であり、駅だけでなく周辺エリアと「つなぐ」ことで、回遊性を高め、まちの価値を上げてきました。開発の面的な話だけでなく、「渋谷QWS」での多彩な人々の交流促進や、渋谷区と設立した「シブヤスタートアップス」を通じてのオープンイノベーションも全く同じです。恵比寿に2028年に誘致予定のMITなどとも、新たな「つながり」を生み出すことで、渋谷のまちの魅力向上に繋げたいと思います。また、開発以外の事業においても、北海道や四国でも運行されるザ・ロイヤルエクスプレスや、再生可能エネルギー事業、空港事業なども「つなぐ」ことで、より付加価値が生まれることもしっかりと意識してください。

■東急(株)取締役社長 堀江正博氏

 元日には能登半島沖で地震があり、石川から新潟に至る広範なエリアで多くの被害が出ました。被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。
 また、羽田空港での航空機事故では、乗客乗員が全員無事に脱出できたことは、日頃の訓練の成果でもあります。緊急時のお客さま避難誘導などの訓練をより積上げていきたいと考えています。
 一方、首都圏では各事業の第一線で勤務している皆さんが、年末年始も変わらず真摯に業務に取り組んでくれたことで、当社グループでは大きな事故もなく、まずは御礼申し上げます。

 昨年は、当社グループでもさまざまなことがありました。東急新横浜線開業・東横線でのワンマン運転開始・鉄道やバスの運賃改定です。新綱島の再開発が竣工し、綱島温泉駅設置以来の地元との新しい関係もスタートしました。また、日本に誇るエンタメ施設たる東急歌舞伎町タワーやベトナムビンズンでは、初の商業施設「SORA gardens SC」が開業しました。3月に東急線全駅のトイレ全てにウォシュレットが設置できたことは誇るべきことだと思っています。このほかにも東急セキュリティでは地域の見守り協定を自治体と順次締結してきましたが、今般、大和市との締結で、沿線17市区全部をカバーすることになりました。さらにインバウンド観光客の訪問率で、渋谷が初めて都内ナンバーワンに躍進しました。

 今年についてですが、まず1月に札幌のすすきのに「札幌ストリームホテル」が開業します。同時に渋谷ストリームエクセルホテルがブランド変更し、渋谷ストリームホテルとなります。また、4月には沖縄でストーリーライン瀬長島が開業します。初の分譲コンドミニアム型ホテルとして、引渡後オーナーから運営を受託するもので、省資金でローリスクのホテルビジネス展開手法として今後に期待します。オフィスビルでは、渋谷アクシュが開業します。社有地がない地区で再開発に取り組み、無事に開業まで辿り着く予定です。以上のように、コロナ禍で地道にかつ先進的に取り組んだ事業が花を開く年と言えましょう。

 留意すべき今年の事業環境についてですが、金融環境の変化「金利・量的緩和修正・円安修正」がこれにあたります。これはマンションの売れ行きや、不動産価格そのものに影響を及ぼします。また不動産業では工事費の高騰も相俟って、事業の推進には十分留意してもらいたいと思います。また物価値上がりによるコスト高騰も懸念材料です。さらに2024年問題で労働時間への制約・人手不足の激化が予想されます。いずれも当社の事業展開に大きな影響を及ぼすことから、積極的な対応に注力します。一方で、コロナ禍を乗り越え、大きく飛躍する年になります。まさに辰年です。全社一丸となって昇龍の如く、踏み出しましょう。

 現在、来年度からの中期経営計画を策定中です。従来からの経営数値目標に直結する事業やプロジェクトのみならず、社員の皆さんからの提案は、個々に拝見し、必要に応じて経営計画や長期構想に取り込み、具体的にプロジェクト化が有用と思われるものは、可能な限り早く着手したいと考えています。サステナブルな企業価値の成長のためには、従業員の皆さんの一人一人がモチベーション高く、クリエイティビティを発揮して働けることが大事です。そのための制度や施設、環境を整備していくことに併せて、会社の目指す戦略や方向性について、より分かり易く、私自身でさまざまな方法で発信していきます。

 先程、野本会長の年頭あいさつで「つなぐ」という今年のキーワードが紹介されました。地域や事業を私達が仲立ちして「つなぐ」ことで、新しい関係が構築されます。またグループの会社同士や各事業部門にあっても、組織を超えて「つなぐ」連携を図ることで、新しいアイディアが生まれ、ビジネスチャンスや顧客満足を向上させることになります。常に「つなぐ」発想とチャレンジ精神をもって、クリエイティブに仕事に取り組んでもらいたい。私自身も共に知恵を出します。「向こう傷はビジネスパーソンの勲章だ!」との五島昇元会長の言葉で締め括ります。

■(株)西武ホールディングス代表取締役社長 後藤高志氏

 2024年は“将来への持続的な成長”を実現する重要な年
 価値判断は「安全・安心」「お客さま目線」「きれいな利益」

 謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
 まず、元日には石川県能登地方を震源とする大地震が発生し、また翌日2日には、羽田空港にて航空機が衝突するという大変な事故が発生しました。震災および事故により亡くなられた方々に対して、心からお悔やみを申しあげるとともに、被災者の方々に心からお見舞い申しあげます。

 (1)レジリエンスとサステナビリティ
 レジリエンスとは、コロナ禍のようなパンデミック、経済金融危機などさまざまなクライシスに対して耐久力、耐性をつけるということである。当社グループはコロナ禍において経営改革を断行し、レジリエンスが高まったと確信している。一方でサステナビリティについては、レジリエンスをベースとして、将来に向けた持続的な成長を行うということである。2024年はスピード感を持って経営改革を断行した成果が着実に現れる年となる。今年 5 月に発表予定の新中長期戦略・次期経営計画(2024~2026年度)の中核となるのが不動産事業である。不動産回転型ビジネスへの着手、都心・リゾートにおける再開発を加速していく。また、当社グループの人財戦略も合わせて実行し、「はたらく人を、ほほえむ人へ。」に向けて、エンゲージメント向上とプロフェッショナル人財の育成もさらに進めていく。当社グループの各事業におけるプロジェクトにスピード感を持ってチャレンジすることが、将来に向けての持続的な成長、すなわちサステナビリティに繋がる。

 (2)西武グループの価値判断「安全・安心」「お客さま目線」「きれいな利益」
 当社グループの価値判断は「安全・安心」が第一である。レジリエンスを高めるということは安全・安心を最優先するということから始まる。そして第二は、「常にお客さま目線で考え行動する」ということである。そして第三は、サステナビリティを確かなものにするために、「きれいな利益をしっかりと上げていく」ということである。「安全・安心」「お客さま目線」「きれいな利益」に着実に取り組み、レジリエンスとサステナビリティを確かなものしていく。

サンフロンティア不動産(株)代表取締役社長 齋藤清一氏

 明けましておめでとうございます。
 昨年は新型コロナの5類移行に伴って“4年ぶり”という言葉が溢れ、街に賑わいや活気を取り戻した一年となりました。インバウンド需要は円安も相俟って急増し、観光業を中心に急回復が見られるとともに、本年はコロナ禍前を上回る需要が期待されます。経済面では、植田日銀新総裁に代わり、金融緩和の出口に向けた議論が活発となりました。金融環境の影響を比較的受けやすいといわれる不動産業において、本年は変化に対して機敏かつ柔軟に対応することが一層求められるように思われます。当社グループの主幹事業を展開する東京都心オフィス市場において、昨年は大型の新築オフィスビルの大量供給が行なわれ需給が緩むことが警戒されたものの、平均空室率はやや低下基調、平均賃料は下げ止まりの様相と、想定されたほどの影響は幸いにも見られませんでした。一方で、既存の中小ビルは老朽化によって修繕が必要なビルも増えており、これらの不動産ストックをどう活かしていくかは大きな社会課題となっています。この分野に注力し、知見を高めてきた当社グループにとっては、存在意義が増してくる局面だと捉えています。

 このような事業環境下、当社グループは 2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を推進しております。この計画の集大成となる期が始まる本年は、計画を達成して終わりではなく、次代の成長を描き、持続的に成長する企業グループであり続けるために正念場の年であると位置づけております。既存事業においては盤石な成長基盤を整えるとともに、新築オフィスビル事業やニューヨークにおける不動産再生事業をはじめとした新たな事業領域へも果敢に挑戦してまいります。こうした成長の鍵は人財基盤の強化にあり、当社グループの重要課題の一つである「人財育成」に、引き続き、取り組んでまいります。当社グループは本年に設立25周年を迎えますが、その歴史は人財の成長の歴史であったと感じます。事業を通して人が成長し、世の中に大きく役立つこと、その結果として企業も社会も繁栄する、そのような企業グループであることを志し、今後もこの25周年を通過点として、一層成長し、挑戦し続けてまいります。

 私たちは、志高き夢を追い、世に役立つアイデアを楽しみながら構想し、価値創造を追求する企業グループを目指して本年も精一杯取り組んでまいります。皆様にとりまして、素晴らしい一年となりますことを心より祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。本年もご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

■三菱地所レジデンス(株)取締役社長 宮島正治氏

 2023年はコロナ禍で停滞した経済活動の回復が見られたものの、国際情勢の混乱や世界的なインフレが続いた。その中において分譲マンション市場は引き続き堅調であり、当社においても都心エリアでは「ザ・パークハウス 代々木大山レジデンス」や「ザ・パークハウス 高輪プレイス」、郊外でも「ザ・パークハウス 松戸」などは特に大きな反響をいただいている。

 コロナ禍を経て住まいへの関心が高まったことで、この家に住んだらどのような暮らしができるかというベネフィットを提供することが重要になってきた。地球環境への配慮も購入動機になっている。当社の商品企画においては「エコロジーでエコノミ―」であることを意識し、環境にやさしく、水道光熱費やCO2の排出量を抑えた暮らしの提案ができる住まいづくりを目指している。生物多様性保全の観点からは、地域になじみのある樹種を採用する「ビオネット・イニシアチブ」という取り組みを2015年から進め、すでに200物件以上に導入している。今後も、住むことが地球環境への貢献になるような住まいづくりを進めていく。

 2024年の住宅市場においては、資産性や住み心地だけでなく、環境や防災など住まいにおける社会的意義がますます重要になる。防災については引き続き、当社の有志社員などが組成する「三菱地所グループの防災倶楽部」を中心に、居住者や地域の皆様と防災訓練を実施し災害に備えていく。また、防災訓練やアフターサービス対応など引渡後の顧客接点を通じて、居住者の方々からお住まいのマンションに関する気付きの声を直接頂き、商品企画へのフィードバックを行いたい。お客様の需要の変化をつかみ取り、お客様の目的や価値観にあわせた商品を作ることで、選ばれ続けるマンションを提供していく。

■三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長 遠藤 靖氏

 年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年は、個人消費の持ち直しやインバウンド需要の拡大など緩やかな景気回復を背景に、当社では不動産流通事業における旺盛な需要や取扱単価の上昇、駐車場事業における稼働向上、カーシェアリング事業における会員組数・車両台数の拡大など、概ね順調に進捗し、2023年3月期には2期連続で過去最高益となりました。

 本年も緩やかな景気回復が続くことを期待していますが、世界的な金融引き締めに伴う影響など海外経済の下振れリスクや、国内面では物価上昇による個人消費の抑制リスクや住宅ローンの金利動向など、経済を巡る不確実性はきわめて高い状況であるといえます。

 このような変化の激しい時代においてお客さまから選ばれるためには、「変化」に柔軟かつ迅速に対応することが必要です。

 従来にはない新しい発想と、それを実現するための強い意志をもって、変化を恐れず事業の「進化」に積極果敢に挑戦し、「三井に頼んでよかった」とお客さまから感謝の言葉をいただけるよう、本年を次の成長ステージへの飛躍の年にする所存です。

 最後になりましたが、本年も皆さまの一層のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、本年が皆さまにとって実り多い一年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

■東急リバブル(株)代表取締役社長 太田陽一氏

 新年あけましておめでとうございます。

 昨年は年末まで寒暖差の激しさが身に沁みました。皆さんは休みを通じて心身を整え、さわやかに新春に臨むことができたでしょうか。
 世の中では変化の火種や兆候が至る所にみられ、一人一人がその膨大な情報に晒されるとともに、個々の生活にも直接影響を受ける危機感があります。このようなときこそ、刻々と変化する状況に流されずに自ら考え、行動し、思いを遂げていく決意を持って一年をスタートしましょう。

 業界では、地域、ステークホルダー、物件の価格・種別などの動向、テクノロジーの進化などによって機会の変化が激しく、油断や停滞は予想以上の出遅れを招くことを実感しています。その中で環境の変化に応じて、可能性を求め、仮説を立ててトライ&エラーを惜しまず取り組んでいくことが、組織としての成長や事業戦略遂行上の重要なポイントです。

 現在、社員の皆さんの日々の活動が、組織で見える化され、集団に浸透し、さらに進化してゆく仕組みそのものが東急リバブルの成長を支えています。これからの更なる成長は、一人一人がその役割・持ち場で成長して自律性を高め、環境変化への対応力を強化し、これらが両輪となって、明確な戦略のもとに、その戦略にかかわる皆さん自身の成長によって成し遂げられます。

 2024年が東急リバブルにとって新たなステージの第一歩となる一年となるよう、ともに頑張りましょう。

■住友不動産販売(株)代表取締役社長 竹村信昭氏

 明けましておめでとうございます。
 昨年の不動産流通市場は、基準地価の全用途全国平均の上昇率がコロナ前を上回り、首都圏マンションの成約価格も3年連続で上昇する一方、売出価格と成約価格の乖離幅は縮小、さらに売物件が増加しストック不足も解消することで、売買の需給バランスが改善し堅調に推移しました。

 昨年から続く中東・ウクライナの戦争やインフレ等により物価や市場金利が上昇する等、流通市場へ影響を与える懸念材料もありますが、お客様の住宅購入ニーズは根強いものがあるので、当社の経営方針である「顧客第一主義」を徹底し、目標達成のために全職員一丸となって底力を発揮してほしい。

今年も皆で力を合わせ、頑張ってまいりましょう。

■三菱地所リアルエステートサービス(株)代表取締役社長執行役員 湯浅哲生氏

 新年が明けましたが、先ずは能登の大震災並びに羽田の事故で亡くなられた方々に対し、心より哀悼の意を表したいと思います。また、被災、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げるとともに、一刻も早い復旧、復興を祈念したいと思います。

 それでは年頭に際してのご挨拶を申し上げます。
 昨年は5月の5類移行を契機として、社会経済全般にアフターコロナの状況が急速に拡がり、且つ大きく浸透した1年でした。コロナ禍対策の変化に伴う反動やインフレの定着、国外では高金利政策の持続や戦禍の拡大等懸念材料や攪乱要因が多数混在する中、全体としては景気浮揚の力が勝ったと言えます。
 例えばスタグフレーションの影が現時点では薄まりつつある中、日本では物価高に引っ張られながらですが賃上げの基調が形成されつつあります。日本も世界も、プラスへの転化や構造的課題の脱却に繋がる変化も、マイナス要因と同様に多数確認できた1年であったということです。
 こうした環境の中で、当社は長期経営戦略 Real Vision 2030 に沿ったパフォーマンスを更に引き上げることができています。改めてみなさんの奮闘と成長を大いに称えたいと思います。

 今年は昨年から続く筋や流れの不透明さに加えて、重要選挙の結果や戦局の転機との兼合い、中国経済の浮沈レベルなど国際情勢に大きく影響を及ぼす重大要因が顕在化して来ます。更に国内では政局の混乱に加え、人手不足の中で24年問題が重なるなど、景気の持続力を削ぐ、或いは腰折れをもたらす事態も十分に想定されます。「多角的な見立てと機敏な行動力」が一層求められる点をしっかりと押さえておく必要があります。

 業界動向については、海外情勢やマクロの想定を念頭に置きつつ、融資ポジションの慎重傾斜や高額分譲市場の縮減、建築コストの拍車懸念、金利・為替と株価ひいては景気とのリンク、海外投資家筋の回収シフト等々多くの要注意材料が浮かびます。他方、同時に投資計画や企業業績全般の堅調見通しに加えて、高規格賃貸への注目や遅ればせながら国内での富裕層ビジネスの本格化、或いは米国での利下げ期待やわずかながらも住宅市況の回復傾向等々プラス方向への押し目、即ちチャンスの筋ともなり得る側面も多々あると思います。

 見立てにキリはありませんが、「世情や市況に対し常にプロの目を凝らし、抜かりない判断と行動に徹する」ようお願いします。その上で、改めて「顧客がそれぞれに求めるニーズの核心をしっかり捉えて期待に応えて行く」、この、如何なる時にも変わることのないリアルの「形」にまた一歩近づけるよう、今年も全員で取り組んで行きたいと思います。

 ブレなく全員で、この一点が肝です。「高度な総合性を持つ、その人の表現には一貫性が宿る。一貫した表現を行い続ける人格には、誠実性が宿る。」、このプロセス全体が誠実の実践であり、信頼の源泉です。みんなで「誠実のプロセス」を堂々と進み、また一歩、必ず全員が成長を遂げる1年にして行きましょう。

■東京建物不動産販売(株) 代表取締役 社長執行役員 福居賢悟氏

 昨年は、新型コロナウイルス感染症が5月から5類に移行し、観光やサービス業を中心に活気が戻る一方で、急激な円安の進行と物価上昇継続の影響、また、ウクライナに加え中東での紛争の勃発など先の読みにくい環境が続いている。そのような中、当社は3年連続で過去最高益を更新するなど順調に成果を上げることができた。これは、「仲介事業」「アセットソリューション事業」「賃貸事業」の連携を進め、当社の強みを活かした営業活動を展開してきた成果であり、皆さんの頑張りに改めて敬意を表する。

 2024年は、東京建物グループ中期経営計画の最終年度であり、次期中計に向けた準備の年でもある。環境負荷低減が待ったなしの状況下、我々の主業である不動産流通業や建物の付加価値向上、再生事業などにとって、「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立できるチャンスであると考えている。変化の激しい環境下において、お客様のニーズを的確に捉えるとともに、柔軟な思考のもと、将来を見据えた挑戦を重ねていくことで、より一層のお客様の信頼獲得と更なる成長が実現できると期待している。

■(株)大京アステージ、(株)穴吹コミュニティ代表取締役社長 真島吉丸氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 本年もよろしくお願いいたします。この度の令和6年能登半島地震により被災された皆さまならびにそ のご家族の皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。

 昨年は新型コロナウイルス感染症が5類に移行され、社会経済活動の正常化も進み、ようやく以前の日常が戻ってきた一年となりました。コロナ禍を経て、私たちの事業は生活基盤を担う社会インフラの一つとして「なくてはならない存在」であることを改めて実感いたしました。

 当社では昨年3月に、管理組合の総会への出欠連絡、出席、議決権行使までを一つのアプリ上で完結し、一元的に集計できる業界初のサービス「POCKET HOME」の運用を開始いたしました。本年は、オンライン併用型の総会をはじめとする本アプリの本格展開に一層力を入れ、デジタル化をさらに促進してまいります。

 また、昨年は社内における価値観の共有を目的に、二社の羅針盤となる「Mission(ミッション)・vision(ビション)・value(バリュー)」を策定いたしました。今後もお客さまのご要望やお困りごとに真摯に向き合い、質の高いサービスを提供することで、お客さまにとって「今がいちばん」の暮らしがずっと続く、確かなマンション管理を目指してまいります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

■大和ハウス工業(株) 代表取締役社長 芳井敬一氏

 昨年は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことに伴い、社会経済活動の正常化が進んだ年となりました。一方で長らく続く資材価格の高騰をはじめ、エネルギーの供給不安や世界的なインフレ圧力による円安の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いています。

 このような中、当社グループは、第7次中期経営計画の二年目となる 2024年3月期の第2四半期決算において売上高が過去最高を更新し、いよいよ5兆円を臨むところとなりました。改めて、グループ社員全員の底力を実感するとともに、心から感謝しています。

 さて、2024年の年頭にあたり、皆さんにお伝えしたいことが三点あります。
 一つ目は、「2024年問題への対応」です。本年4月より、建設業にも「残業の上限規制」が適用されます。昨年から、現場で起きている厳しい職場環境の状況や、効率的な働き方に対する意見・アイデアを、社員の皆さんから直接私に寄せていただく場所を設け、また、皆さん個々の時間外労働時間の見える化も実施しています。そして建設現場においては、DXを活用した新しい働き方にも挑戦しています。4月まで待ったなしです。業務実態の把握と抜本的な対策を最優先にお願いします。仕事は一人でしているわけではありません。自分自身の時間管理はもとより、同僚のリードタイムも意識して、業務に励んでください。

 二つ目は、私の今年の一文字「伸」です。長く力強く発展していく一年にしたいと思います。また、この「伸」という字が名前に入っている石橋伸康元社長は、在任中の1996~1999年当時から、今に通ずる先進的な取り組みを実践しており、環境貢献においても、他社よりもいち早く着手していました。そのおかげもあり2023年度には当社グループ全体での購入電力の100%再生可能エネルギー化を達成する見込みです。さらに、木造・木質建築を重点成長領域に設定し、サーキュラーエコノミーを目指すプロジェクトも始動しています。
 皆さん一人ひとりが自分事として環境問題を捉え、2050年のカーボンニュートラル実現に向け進んでいきましょう。

 三つ目は、「新たな挑戦」です。近年、世界情勢や国内の事業環境は大きく変化を続けており、年々そのスピードを増しています。その変化を捉え、新たなチャンスとするために、当社はコーポレート・ベンチャー・キャピタルとして「大和ハウスグループ“将来の夢”ファンド」を創設しました。スタートアップ企業とともに、将来の成長の源泉となる新たな事業創出に向け、本年から本格始動します。皆さんも広い視野・視点で世の中の変化を捉え次のビジネスを創造できるよう、積極的に新たな取り組みに挑戦してください。

 最後に、当社において変わらないものは創業の原点である「社会の役に立つ事業の展開」です。この創業者精神を行動の規範とし、当社グループの”将来の夢”(パーパス)「生きる歓びを分かち合える世界の実現」を目指して、「伸」びのある一年にしていきましょう。

■積水ハウス(株)代表取締役 社長執行役員 兼 CEO仲井嘉浩氏

 新年あけましておめでとうございます。 

 昨年発表した第6次中期経営計画は1年目を終えようとしています。
 キーワードとしていた国内の「安定成長」。
 戸建住宅事業においては、国内全体の戸建着工数が伸び悩む中、堅調に推移することができました。お客様の感性を住まいに映し出す新デザイン提案システムとして”life knit design”を6月に始動し、より愛着を感じて頂けるような住まいづくりをご提案できるようにするなど、良質な住宅を提供し続けてきた成果だと思います。
 また国内では賃貸事業、ストック事業、開発事業が売上をけん引しています。賃貸事業では特にZEHの採用比率が年度目標の70%を上回っており、オーナー様には高い入居率、家賃収入を保てていること、入居者様も光熱費の高騰が続く中、ZEHによる入居者売電などの付加価値を享受して頂くなど、オーナー様、入居者様ともにメリットを感じて頂ける提案ができていることの現れだと手ごたえを感じています。
 海外の「積極的成長」では、アメリカにおいて金利上昇による住宅販売の急減速はあったものの、販売は回復傾向にあります。シャーウッド住宅の分譲も開始するなど、海外市場での戸建住宅供給年間1万戸達成に向けて着々と事業を拡大しています。

 最近、嬉しく思うことがあります。それは、私に持ち込まれる新たな企画や議題など、いろいろな場面で、面白くて、ワクワクする内容の提案が増えたと感じているからです。もちろん、3回目となった社内の創発型表彰制度「SHIP」についても、第1回、第2回と同様、多くの素晴らしいアイディアに触れることができるでしょう。改革の合言葉としている「イノベーション&コミュニケーション」が浸透してきたことを実感しています。

 今年も、グローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする”の実現にむけ、社員とともに邁進してまいります。

 本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

■旭化成ホームズ(株)代表取締役社長 川畑文俊氏

 昨年のわが国経済は、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行し、経済活動の正常化による個人消費や企業の設備投資に持ち直しの動きがみられたものの、住宅ローン金利の上昇傾向や、資材価格の高騰、物価上昇による消費マインドの低下などもあり、住宅需要については引続き注視が必要な状況が続きました。

 そのような中当社は、2022年度に策定した中期経営計画に基づき、社会課題の解決とお客様満足の更なる向上へ向け、商品力、提案力の強化と生産性向上などに取り組みました。また、昨年7月に新たに策定したサステナビリティ方針のもとで、事業特性に合わせたマテリアリティを「With Customer」「With Environment」「With Employee」「Our Integrity」の4つのカテゴリで特定し、それぞれのKPIに基づいた取り組みの強化を宣言しました。特に「With Environment」においては、2019年に参加を表明したRE100の達成予定を2023年度としたほか、SBTにおける「1.5°C目標」認定の取得、TCFDへの賛同を表明するなど、脱炭素社会実現への貢献を更に強化しました。

 当社はこれからもLONGLIFEな事業活動でサステナブルな社会の実現に貢献することで、お客様や社会、社員にとって真に価値ある会社「Essential Company」を目指して参ります。

■三井ホーム(株)代表取締役社長 池田 明氏

 令和6年の年頭にあたり、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。

 まず初めに、この度の「令和6年能登半島地震」により被災された方々、亡くなられた方々に、心よりお見舞いとお悔やみを申し上げます。被災地域の被害状況については、現在も確認中でございますが、点検および補修対応には安全を最優先にしながら取り組み、一日も早い復旧を心からお祈りいたします。

 昨年は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、社会経済活動は回復基調にありますが、戸建ての注文住宅市場については、部資材価格の高騰、円安や物価上昇等の外部環境の激変に加え、将来のインフレ懸念による消費マインドの低下等により、厳しい事業環境が続いております。しかしながら、12月に補正予算が成立した「子育てエコホーム支援事業」の創設や、若年層・子育て世帯に配慮した「住宅ローン減税の継続やリフォーム減税の拡充」の公表等を追い風に、今年は脱炭素を見据えた住宅や木造施設系建築への新たな需要の活性化が期待されます。

 当社は、昨年7月に木造による「脱炭素の可視化」「中大規模建築物の木造化」および「使用木材の国産化」を更に推進すべく、木造 SDGs プロジェクト「MOCX GREEN PROJECT(モクス・グリーン・プロジェクト)」をスタートいたしました。
 「脱炭素の可視化」においては、当社が創業以来供給した木造建築の炭素固定量が昨年3月末の時点で約383万トンに達したことを発表し、昨年4月以降に新築された木造建築においても、出荷ベースでの木材使用量に基づいた正確な炭素固定量を算出し、累計炭素固定量を特設ウェブサイトにて随時発信しております。

 「中大規模建築物の木造化」については、木造マンション「MOCXION(モクシオン)」の訴求を強化し、「ウッドデザイン賞 2023」を受賞した木造4階建て賃貸マンション「MOCXION 四谷三丁目」や、三井不動産レジデンシャルと協業で国際的環境認証「LEED 認証」ゴールドランクの予備認証を取得した木造4階建て賃貸マンション「パークアクシス北千束 MOCXION」など環境性能・事業性能に優れた実例が続々と完成しています。その他の分野においても、「Rugby School Japan」の食堂棟や阿蘇くまもと空港の屋根工事など大架構の「MOCX roof(モクス・ルーフ)」を用いた混構造建築が完成しており、木造化・木質化を推進しております。

 「使用木材の国産化」については、「ツーバイフォー建築における国産木材活用協議会」や北海道における「建築物木材利用促進協定」等に基づく活動を通じて、木材産業の成長産業化および地方創生への貢献に努めてまいります。
 三井不動産グループは、&マークに象徴される「共生・共存」「多様な価値観の連携」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、社会・経済の発展と地球環境の保全に取り組んでおります。

 同グループの当社は、「高品質な木造建築の提供を通して、時を経るほどに美しい、持続可能なすまいとくらしを世界に広げていく」ことを使命と考えており、今後もその取り組みを強化することで、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。また、当社は今年で創立50周年を迎えますので、節目の年にこれまで以上に専用住宅や「MOCXION」をはじめとした賃貸住宅、木造施設系建築の普及・拡大に努め、また、リフォーム・賃貸管理などのストックビジネス、北米圏における海外事業の業容拡大を通じて、より一層の飛躍を目指してまいります。

 本年も心新たに、持続的な成長に向け真摯に課題解決に取り組んでまいりますので、今後とも変わらぬご愛顧、ご支援賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

■積水化学工業(株)代表取締役社長 加藤敬太氏

 2024年を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
初めに、本年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」によって、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。余震や二次災害など予断を許さない状況が続いていますが、一日も早い復興を心よりお祈りすると同時に、積水化学グループとしてもできる限りの支援をさせていただきたいと考えています。

 昨年は、3月末に長期ビジョンの最初の中期経営計画最終年度が終わり、持続的成長にドライブをかけるという狙いに対して、当社グループ全員の挑戦で過去最高のEBITDAを達成するなど稼ぐ力が一段と向上し、一定の成果があった一年でした。
 その2023年度上期は全社で対前年増収増益を達成してよいスタートを切ることができ、コロナ禍で培ってきた力は本物であると示せたと考えています。
 下期に入り、事業ごとの業績に少し差が出てきましたが、住宅カンパニーの新築事業の苦戦を、引き続き成長ドライバーである高機能プラスチックスカンパニーと、過去最高益を狙う環境・ライフラインカンパニーおよびメディカル事業の健闘によりカバーし、年度営業利益 1,000億円を十分狙えるところまで来ていると感じています。

 社会課題解決に貢献し、将来大きな事業となり得る BR 事業やペロブスカイト太陽電池、細胞培養ソリューション、まちづくり、海外インフラなど、中長期を見据えた仕込みも進捗しました。
 我々の強みであるESG経営についても、大きく進展しました。
 サステナビリティ貢献製品の売上高比率は70%を超えるまでに伸長し、当社グループのESG経営は社外からも引き続き高い評価を得ています。

 今年は、まずはあと3ヵ月ある今年度をやり切って営業利益1,000億円を達成し、力強く中期経営計画の2年目に臨みたいと思います。
 今年も当社にとっては不利となる円高の進行など予断を許さない状況は起こり得ます。長期ビジョン達成のためには、健全な危機感を持ち、一人ひとりの覚悟を持った挑戦こそが当社グループの成長の原動力であることを今一度認識し合い、各事業のポートフォリオ強化、聖域なき構造改革、高付加価値品へのシフトなどにスピード感をもって取り組み、さらに長期ビジョンを意識した仕込みや成長投資なども一段と加速させたいと考えています。
 激動の変化の中にこそ、当社グループの出番・成長のチャンスがあると捉え、サステナビリティ貢献製品を中心に社会課題解決に貢献し続けるよう、覚悟を持って挑戦していきます。

 今年は十干十二支では「甲辰(きのえたつ)」、これまで蓄えられたものが芽を出し、姿を整えていく年だそうです。まさに、前中期経営計画から蓄えてきた力で、一段上のステージへと駆け上がる年だと思います。
 その実現のために何よりも大事なのが“安全”、すべての仕事における“基本の徹底”です。そしてステークホルダーの皆様の期待に応え、信頼を裏切らない仕事を、当社グループ全員の力で積み上げていきたいと思っています。

 本年が皆様にとりまして、より良い飛躍の年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。

■トヨタホーム(株)代表取締役社長 後藤裕司氏

 新年、明けましておめでとうございます。2024 年を迎えるにあたり、ひとことご挨拶させていただきます。

 旧年は、コロナ禍が落ち着きを見せ始めインバウンドが復調するなど、日本経済も一部で回復の兆しを示す一方で、依然としてエネルギー価格や資材価格の高騰は収まらず、さらに金利の先高観なども相まって、私どもを取り巻く経営環境は不透明さを増しています。

 この様な状況のもと、トヨタホームは昨年より3ヵ年の新中期経営計画をスタートさせました。新中計では、リーンな事業体質と盤石な収益基盤を築くため、事業ポートフォリオの見直しを図ってまいります。
 昨年は、主軸の新築事業のうち戸建住宅について、11月に主力商品シンセ・シリーズのフラッグシップモデルを刷新し“シンセ・コード”を発売しました。賃貸住宅については、5月に賃貸住宅の新ブランド“ティーメゾン”を投入し、ストック事業についても、7月に買取再販事業の強化に向け“スムクル”という新ブランドを立ち上げるなど、新たな分野にも挑戦しており、引き続き、これら新しい事業領域の拡大に努めます。また、街づくり事業では、埼玉県久喜市の南栗橋で進めている産官学5者連携の街づくりプロジェクトが昨年のグッドデザイン賞を受賞するなど、その取り組みが評価されており、本年も自治体などと連携して魅力ある住環境を提供してまいります。

 プライム ライフ テクノロジーズ株式会社の設立から 4年が経過し、グループ全体の中計も第2フェーズに入りました。グループ各社との連携をより強化しシナジーを高めながら、トヨタホームの新中計に着実に取り組むことで、グループ全体の新中計の達成に向けて邁進してまいります。

 本年の干支は、“甲辰”で「成功という芽が成長していき、姿を整えていく」縁起の良い年だそうです。これまで取り組んできた ZEH及びZEH-Mの普及を加速することにより脱炭素社会の実現に寄与していくとともに、CS(カスタマー・サティスファクション)や ES(エンプロイー・サティスファクション)の向上も図ることで、企業の社会的責務を全うしてまいります。

 末筆となりますが、皆様には健康に留意いただき、良き一年となりますよう、祈念いたします。

■住友林業(株)代表取締役 社長 光吉敏郎氏

 1.はじめに
 元旦に発生し震度7を記録した令和6年能登半島地震でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りすると同時に被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 また、2日には、救援物資の空輸で被災地に向かう途上の海上保安庁の航空機が旅客機と衝突炎上する痛ましい事故が発生するという未曽有の新年を迎えました。
 住宅事業本部やホームテックの北陸支店、新潟支店、富山支店をはじめ年始早々に災害対応にあたって頂いているグループ社員各位に心より御礼申し上げます。

 2.昨年の振返り(社会・当社)
 2022年2 月に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻からまもなく2年、戦争終結への道筋が見えない中、昨年10月にはハマスとイスラエルの軍事衝突が勃発するなど、2023年は世界で紛争・緊張が続く一年でした。また、国際社会の分断が深まる中、アジア、アフリカなどの新興国「グローバルサウス」への注目が高まりました。

 経済面では、エネルギーや素材価格の高騰や深刻な人手不足から、欧米を中心に高いインフレに見舞われました。また、各国の中央銀行によるインフレ鎮静化のための金融引き締めが長期化したことで、消費低迷など景気悪化の懸念も拭えない状況です。

 3年半に及んだコロナ禍もようやく収束し、社会活動は日常を取り戻しましたが、この間、人々の価値観や消費行動が大きく変化し、全てがコロナ禍前の状態に戻ることはないと思います。
 事業運営上も、新たな価値観や消費行動を踏まえた事業戦略や取組みが必要です。

 世界の経済情勢は不透明な状況でしたがグループ社員の皆さんの日々の努力や頑張り、そして新しい取り組みへのチャレンジが実を結んだ一年であったと思います。

 事業本部ごとには、様々な課題が浮き彫りになりました。

 木材建材事業本部では、国内の持家住宅着工戸数の減少で市場環境が悪化し、業績が低迷しました。リフォーム市場や非住宅木造市場の開拓、そして、国産材製品の輸出の取組みなど、時代の変化に対して、スピード感を持った取り組みが求められます。
 住宅事業本部では、戸建注文住宅において木材価格の下落や販売価格の見直し効果、そしてZEH 比率向上などによる着・完工物件の単価が向上しましたが、工期短縮につながる施工体制の整備や合理化策の具現化は急務です。また、住宅事業本部の 2030年連結経常利益600億円達成に向けて、伸びしろのある賃貸住宅や非住宅物件、分譲住宅、リフォーム、不動産仲介・管理、環境緑化などに注力していく必要があります。

 海外住宅・建築・不動産事業本部の主力である米国の戸建住宅事業については、戸建住宅販売の9割を占める中古住宅の流通ストックが不足したことや新築市場においても小規模ビルダーが資金調達に苦戦する中、資金力のある大手ビルダーがシェアを伸ばしました。

 資源環境事業本部は、事業会社の運営体制を整備していく必要があります。

 生活サービス本部は、10月にグランフォレスト田園調布を開設し、当社グループが運営する介護施設数は21施設となります。ホテル事業やゴルフ場などのホスピタリティ事業を通じて、人と社会に対して安心・安全で快適さとぬくもりのある空間とサービスの提供を目指す基盤が整いつつあります。

 3.2024年の展望(社会・当社)
 2024年は世界各国で注目の選挙が相次ぎます。1月の台湾総統選をはじめ、インドネシア、ロシア、インドなどで選挙が行われ、11月には米国大統領選が控えています。選挙結果は米中関係やウクライナ、中東情勢など世界の構図に大きな影響を及ぼすものと思われます。

 経済面では、米国でインフレがようやく落ち着きをみせ、景気のソフトランディングを実現するとともに FRBが利下げに動くとの観測が強まっています。また、IMFは景気減退の懸念も拭えず今年の世界の実質経済成長率をこれまでよりやや鈍化するプラス2.9%と予想しています。

 一方で、世界各地では猛暑と自然災害が甚大化し、国連事務総長が「地球沸騰化」と表現するなど、気候変動対策は待ったなしの状況です。日本では大地震や台風による被害がいつどこで発生してもおかしくない状況で、いざという時の危機管理体制の実効性が問われます。

 このように事業を取り巻く環境が日々変化している中、2022年2月に策定した住友林業グループの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」は事業活動を通じて「地球環境」、「人と社会」、「市場経済」の価値を提供することを目指しています。そのために住友林業グループの「木」を軸としたバリューチェーンである「ウッドサイクル」の「森林」、「木材」、「建築」各分野の取り組みを着実に実行していきます。

 「森林」分野では、「循環型森林ビジネスの加速」を掲げ、保有・管理する森林面積を 50万haに拡大するための取り組みを加速します。昨年組成した米国の第一号森林ファンドの森林資産の取得を着実に進めます。

 「木材」分野では、木材が持つ炭素固定機能など多様な価値を社会に訴求し、木材利用を拡大する「ウッドチェンジ」を推進します。木材コンビナート設立により国産材丸太の活用と製品の安定供給を図ります。新工場の建設を予定している鹿児島県志布志市では、スギ低級材を活用したエンジニアード・ウッドの技術検証を進めます。

 「建築」分野では、「脱炭素設計のスタンダード化」を掲げ、「暮らすとき」と「建てるとき」の両面での CO2排出量を削減します。国内ではZEHやZEBの普及による「暮らすときの CO2」排出量削減が先行してきましたが、欧州が先行する「建てるときのCO2」排出量の可視化・削減がようやく広がり始めています。

 国土交通省は 2030年までに「建てるときの CO2」排出量すなわち「エンボディドカーボン」の算定義務化の検討を開始しました。当社が日本単独代理店となった「建てるときのCO2」排出量を可視化するソフトウェアOne Click LCAは ISOに準拠し、世界の環境認証に適合したもので、環境認証ラベルEPDを取得した製品が算定に使用できるため、木材・建材メーカー各社の削減努力も反映されます。ディベロッパーやゼネコン、設計事務所からも One Click LCA が評価され始めており、国内での脱炭素設計の標準ツール化を目指します。
 2023年2月から始まったEPD取得のサポート事業も数社が契約し、集成材、断熱材、外壁材など、主要な部材でのEPD取得を進めています。

 注文住宅事業においても2022年に販売を開始した「LCCM住宅」の普及を加速し、お客様へ経済的ベネフィット、レジリエンス機能に加えて、環境面での優位性を訴求していきます。
 昨年、豪州メルボルンで15階建て一部RC造の木造オフィスビルが竣工し、今年は、米国ダラスで7階建て、英国ロンドンで6階建ての木造オフィスビルが竣工予定です。国内では構造の一部を木造化した校舎が今年着工予定です。今後も国内外で中大規模木造建築を開発・請負の両面で推進していきます。

 今年は、「Mission TREEING 2030」実現のための基盤づくりとして、収益の柱である海外住宅・不動産事業のさらなる拡充、国内事業の収益力回復、脱炭素化の核となる資源環境事業への投資、人財活用・デジタル化の推進などを基本方針としたPhase-1の最終年となります。

 また、国内の建設・運輸業界において、残業上限規制が適用される 2024年問題、そして確認申請時の構造審査が免除される4号特例の一部縮小、新築建築物の省エネ性能表示ラベルの義務化などが予定されています。

 木材建材事業本部では、建材流通事業者向けの業務負荷低減を目指した「JUCORE 見積」やビルダーの構造設計を支援する「ホームエクスプレス構造設計」など、建設業界のサプライチェーンで生産性の向上につながる取組みを積極的に提案する絶好のチャンスです。

 住宅事業本部では、現場に溢れるリアルデータをデジタル化・分析し、情報として活用することで、生産性や競争力、お客様満足度向上に資する仕組み作りが急がれます。

 海外住宅・建築・不動産事業本部は、国内外での不動産開発事業推進のため、組織名を建築・不動産事業本部に変更しました。米国では、トラスの設計、製造販売を行うトラスワークス社を連結子会社化し、パネル設計から製造、配送、施工までを一貫して提供するFITP事業の推進を加速し、戸建住宅事業、賃貸住宅事業の施工合理化、工期短縮、コストダウンを進めます。第三の柱となる東南アジアの不動産開発も推進します。建築事業部では、伸長する中大規模木造建築の市場を掴むべく、熊谷組をはじめとするゼネコンとの木造ハイブリッド建築の協業の加速に加えて不動産開発案件を通じた宿泊施設などの木造建築を推進します。

 脱炭素事業の核となるべき資源環境事業本部は、長期ビジョンの「森林」分野での取り組みを確実に実行します。さらに「バイオリファイナリー推進室」を新設し、バイオリファイナリー事業への参入を目指します。昨年11月にバイオリファイナリー技術を研究・開発しているGEI社と業務資本提携を締結しました。木材の新たな価値創造により、化石燃料由来の化学製品の代替を進め木材のカスケード利用を促進します。生活サービス本部は「人と社会」への価値を提供する介護事業やホテル事業などホスピタリティ事業の基盤が整いつつありますが、次期中期経営計画に向けて住友林業グループならではの木のぬくもりを感じる空間づくりや高齢化、地域活性化といった社会課題の解決に資する公益的価値の高いサービスを拡充していきます。

 当社グループ全体でDXを推進していますが、重要なのはデジタル化そのものではなく、事業のあり方や仕事のやり方を再定義し、デジタル技術を活用し業務を変革することです。また、昨年から、生成AIを利用した文章作成がスタートしていますが、将来は、テキストにとどまらず、画像、音声、映像への展開が進み、様々な形で業務の自動化を促し、仕事のやり方を一変させる可能性があります。自動化から効率化、そして新たな付加価値創造へと発展させるツールとしての活用を進め、感性や想像力が求められる仕事に人的リソースを投入していきます。

 人財の確保と育成の強化に向けて、新人事制度を導入しました。優秀な人財を早期に抜擢できるようになるなど、組織の総合力を最大限に発揮できる制度です。

 4.住友林業グループ社員に向けて

 住友林業グループには、創業以来、公正・信用を重んじ社会を利するという「住友の事業精神」が息づいています。サステナビリティという言葉が使われる130年も前から「国土報恩」、「自利利他」、「公私一如」の精神に基づき、荒廃した山を元通りの山に戻す「大造林計画」を策定・実施してきました。

 住友林業グループの「木」を軸としたバリューチェーン「ウッドサイクル」を回すことで自社のみならず他社や社会の脱炭素に貢献します。事業そのものがサステナブル且つ他社にはない特長です。企業が成長する上で、自由闊達な意見が言える環境は大前提です。心理的安全性の高い職場づくりを心掛けて下さい。

 「SAFETY FIRST」、「ZERO DEFECTS」のスローガンの下、安全で健康的な職場環境を維持し、お客様の感動を生み、信頼される商品・サービスの提供を心掛けて下さい。

 2024年の干支は「辰」です。十干十二支(じっかんじゅうにし)で見ると、甲辰(きのえたつ)の年になります。甲(きのえ)は十干(じっかん)の最初の文字で、物事のはじまりを、辰(たつ)は万物が成長し動きが盛んになる様子を象徴すると言われています。新たなチャレンジをする年にしていきましょう。

 住友林業グループは「健康経営宣言」を策定し、社員一人ひとりが健康でいきいきと働ける会社にすることを約束しています。ワークライフバランスを保ち、心身ともに健康第一に業務に取り組みましょう。

■パナソニック ホームズ(株)代表取締役社長 井上二郎氏

 昨年の住宅市場は、国際情勢に起因する価格上昇や、金利の上昇基調等から需要低迷が続き、今年も先行きが明確に見通せない状況です。一方、住宅には、脱炭素化、空き家問題、ストック流通活性化等の課題も山積しています。

 しかし、住宅業界には、こうした諸課題の解決に繋がり需要も喚起できる、多彩な商品・サービスの提供価値を創出できる可能性がまだまだあり、開発・供給者としての社会的使命として率先し取り組まねばならないと感じています。

 当社は、昨年の創業60周年を機に新・中期の戦略・目標を掲げ、これまでの「感謝」と、これからの時代への「挑戦」の決意の下、お客さまと社会へのお役立ちとともに、持続可能な社会への貢献を目指しています。

 とりわけ、暮らしにおける「健康」と「快適」に重点を置き、体にやさしい温熱環境と空気浄化を両立する全館空調システムをはじめ、暮らしやすく機能的な空間提案など、住まいの提案強化を図っていきます。

 2024年も、当社は、次の時代に向けた新たな取り組みを、創業から培った強みの活用と「生涯にわたるご満足をお届け」を基軸に提供し、顧客満足度No.1の企業を目指し邁進してまいります。

ポラスグループ 代表 中内 晃次郎氏

 2023年5月より新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、インフルエンザと同じ、5類に移行され、4年ぶりに行動制限等がなくなりました。訪日観光客数も回復基調で、コロナ前と変わらない状態になってきています。
 国際情勢に目を向けると、ロシアのウクライナ侵攻による戦争状態が長期化している他、中東におけるイスラエルとハマスの戦闘は予断を許さない状況です。

 一方、国内経済では人手不足を背景とした賃金の上昇に加え、円安、資材価格の高騰、インフレ基調、金利上昇の気配など、目まぐるしい変化を続けていますので、経済に影響を与える大きな出来事の予兆や変化を注意深く感じ取ることが必要になります。
 2023年の住宅業界は、土地や資材価格の高止まりによる、新築住宅の売れ行き鈍化等、市況は芳しくありませんでした。当社においては、街づくりやデザイン性の高い住まいづくりを推進すると共に、リフォーム事業は補助金等の影響により蓄電池や高効率給湯器を中心に引き合いが強く、また不動産売買仲介も堅調な一年でした。本年も住宅取得促進として税制優遇や補助金等の継続的な施策も予定されていますが、当社の強みに、より一層磨きをかけて、お客様にご満足いただける商品・サービスの提供に努めます。

 景気の状況や社会での出来事などに対して、素早く物事を判断し、勇気を持って決断し実行することを「迅速果断」と表現します。「果断」とは「決断すること」を意味しています。
 ポラスグループは本年、創業55周年を迎えます。無事に55周年を迎えられることに感謝するとともに、社会情勢や環境の変化に「迅速果断」に対応し、より強い会社として歩む1年としたいと考えております。               

■(株)AQ Group 代表取締役社長 宮沢俊哉氏

 まずは令和6年能登半島地震に被災された皆さまならびにそのご家族の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
 昨今のコロナ禍による分断、各地で相次ぐ戦争、気候変動による記録的猛暑など、わずか数年で私たちを取り巻く環境は激変しました。環境と社会が変わることで、企業活動の在り方も大きく変わってきています。そこで、私たちは社会から求められるニーズに応えるため、住に関するサービスを全て提供できる体制を構築。アキュラホームからAQ Groupとして新たな一歩を踏み出しました。

 組織体制を見直すなかで、社員の強みを活かす「達人チーム」が成長。ローン等を扱う専門部隊が株式会社AQファイナンスとして独立しました。さらに新設事業として「AQスマートな家 事業部」が誕生。「スマート」「アキュラホーム」「レジデンス」と手頃な価格から高級邸宅まで、フルラインナップの提案ができる体制を構築することができました。組織の総合力を活かし成長を続けたことで、今期の業績は3年連続で過去最高売上を更新する見込みで推移しています。

 今後も住宅価格高騰や住宅ローンの金利上昇など、お客様の住宅取得はさらに困難な状況になることが予測されます。創業から45周年を迎えた2024年。AQ Groupは過去最大規模のお正月フェアで新春をスタートします。お客様の住宅取得の不安を解消する商品、サービスを展開し、豊かな暮らし実現に寄り添ってまいります。

 本年4月には新社屋となる日本初の「8階建て純木造ビル」(埼玉県さいたま市)と木造技術研究所(埼玉県上尾市)が完成します。「8階建て純木造ビル」はショールームとしても活用する予定です。多くのお客様にご覧いただき、木の良さを体感してもらいたいと思います。木造技術研究所には、木造建築技術に特化した研究員を配置し、これまで以上に技術開発を推進していきます。

 中大規模木造建築は、森林資源の循環やCO₂排出量削減など世界的な課題であるカーボンニュートラル実現に大きく寄与することから、世界中から注目されています。しかし、日本国内における1年間の着工建築物全体の木造率は45.5%に留まっており、非住宅建築物や中高層建築物のほとんどは木造以外の構造で建築されている状況です。

 そこで私たちは「普及型純木造ビル」を開発し、日本の街並みに木造建築物を復興する「Re:Treeプロジェクト」を推進しています。国内で最も普及する材と構法を活用し、5階建て以下の領域で木造ビル、木造マンション、木造商業建築を展開していきます。現在、5階建て以下の非木造建築物の床面積は合計で3千9百万㎡とされており、㎡単価を40万円とすると約15.7兆円の市場規模となります。本年は、その大きな市場を木造化していく船出の年となります。

 昨年採択された国と連携する「中大木造建築普及加速化プロジェクト事業」を活用し、4階建ての木造マンションをはじめとする中規模木造建築が地域の設計者・施工者の間で広く展開できるよう一般化を目指していきます。そして、「Re:Treeプロジェクト」を加速させ、地域の工務店やゼネコンの皆さまと新たな企業価値の創造に挑戦するとともに、都市の木質化を進めてまいります。

 純木造ビルを実現する技術は注文住宅のオリジナル構法「剛木造」に活用しています。「平屋から5階建てまで」を完全自由設計・適正価格で実現し、コストパフォーマンスの高い住宅を提供していきます。そして昨年に引き続き、新たなエリアに進出するとともに多くの出展を継続してまいります。フランチャイズ加盟希望も100件を超え、さらなる拡大を実施する予定です。AQ Groupの技術力とブランド力を地元愛溢れるビルダー・工務店とともに全国へ展開してまいります。分譲事業も各エリアでさらなる出店を行うとともに新規エリアへ進出し、分譲No.1を目指して成長を続けてまいります。

 株式会社AQ ファイナンスは貸金業の免許を取得し、独自の金融商品の開発を目指していきます。また、資産活用事業やランドサーチ事業も既存の事業とシナジーを発揮することで大きく成長しており、グループの総合力を強みに展開してまいります。
 これらの事業の拡大には人財の確保と成長が必要不可欠です。「多様性」をキーワードに国籍・性別・学歴に拘らない採用を一層強化するとともに、若手社員の管理職登用を加速し、大きく成長してもらいたいと思います。

 社会が大きく変化する現代だからこそ、企業はいま、時代の流れにあわせ変化しなければなりません。新たに策定した中期経営計画を新たな指針としてさらなる飛躍を目指してまいります。日本一の木造建築会社へ。今年も成長と進化を続けてまいります。

■オリックス・ホテルマネジメント(株)取締役社長 似内隆晃氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 本年もよろしくお願いいたします。この度の令和6年能登半島地震により被災された皆さまならびにそ のご家族の皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。

 新型コロナウイルス感染症により落ち込んでいた観光需要がようやく回復し、昨年、宿泊業界の稼働はコロナ前に迫る水準となりました。国内需要もさることながら、都市部や観光地へはインバウンド需要が急回復し、2025年に控える大阪・関西万博にかけて、インバウンド旅行客数はさらなる増加が見込まれます。当社はこの増加する観光需要に丁寧に対応し、お客さまへソフト・ハードの両面から心地よい滞在を提供し、「また、行きたい」と思っていただける施設運営に努めてまいります。

 また、当社の運営する旅館、ホテル、研修施設などでは、付加価値の高いサービス提供を目的に、「日本の新しい魅力、地域ならではの体験」を創出することに注力しています。これまで、別府の立命館アジア太平洋大学との連携によるホテルイベントの開催、函館の「低利用魚」を使用した料理の提供、福岡のアーティストの個展開催、大阪の歌舞伎と文学の発展とともに道頓堀の歴史を伝える展示企画や会津の果樹園でのフルーツ狩りが付いたアドベンチャーツーリズムプランなど、さまざまな企画で地域の魅力を伝えてまいりました。今年も、こうした地域を巻き込んだ取り組みを全国の施設で進めるとともに、地域の魅力を発信してまいります。「訪れるお客さま」「地域」「当社施設」にとっての好循環を作り、日本の観光をさらに盛り上げていきたいと考えています。

 観光需要が回復する一方、業界全体では人手不足が深刻化しています。当社では海外人財の積極採用を進めつつ、省人化などの取り組みにより、効率的で高品質なサービスを提供できる運営体制の構築を進めています。スタッフのマルチタスク化による業務効率の向上や、自動チェックイン機の導入など、ソフトとハードの両面の改善により、快適な滞在をお客さまにご提供してまいります。

 大規模リニューアル中の「別府温泉 杉乃井ホテル」では、昨年1月にフラッグシップ棟となる「宙館」が開業し、現在は、2025年1月の新客室棟「星館」のグランドオープンに向けて準備を進めています。また、昨年12月2日には、ORIX HOTELS & RESORTSのフラッグシップ旅館ブランド「佳ら久」の二軒目となる「熱海・伊豆山 佳ら久」が開業しました。相模湾を一望できる絶景と、「佳ら久」ならではの上質なくつろぎの空間と高品質なサービスをお届けします。

 オリックスグループは、今年60周年を迎えます。昨年11月には、オリックスグループの企業理念体系を見直し、新たに「ORIX Group Purpose & Culture」を策定しました。当社は、施設運営を通じて、社会にポジティブなインパクトを生み出せるよう、新たな価値創造に挑戦してまいります。本年も皆さまの一層のご支援ご理解を賜りますようお願い申し上げるとともに、皆さまにとりましてご多幸な1年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

■ケネディクス(株)代表取締役社長 宮島大祐氏

 2024年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年を振り返りますと、アメリカにおける金利上昇やそれに端を発した米国地銀の破綻等、やや雲行きのあやしい局面もありましたが、大きな混乱もなく一年を乗り越えることができました。

 このような環境下でしたが、ケネディクスグループは、上場3REITの合併、私募REITの2度の増資、私募ファンドでの大型案件の組成など、2025年中期経営計画の達成を目指し着実な歩みを進めることができ、受託資産残高(AUM)は3兆円を突破しました。また、新たなビジネスプラットフォームも着実に芽吹き始めています。
 「不動産セキュリティ・トークン(「不動産 ST」)事業」では、過去最大規模となる資産規模300億円のタワーマンションを投資対象とする不動産STをはじめ、5案件・717億円相当の不動産をセキュリティ・トークン化することができました。また、第9弾となるホテルを投資対象とした不動産STは、本邦初の公募型不動産STとして、大阪デジタルエクスチェンジ株式会社が運営する私設取引システム(START)での売買取引が開始されました。「賃貸戸建住宅ファンド」では、2,200戸・960億円まで運用物件を積み上げるとともに、国内機関投資家と賃貸戸建住宅では日本初となる私募ファンド組成を実現しました。「再生可能エネルギーPPA事業」においても、ケネディクス・グリーンエナジー株式会社を設立し、グループREITへの再エネ電力の供給を開始しました。

 2024年も、「REIT」「私募ファンド」といった安定的な事業の柱に加えて、これらビジネスプラットフォームによる飛躍的な成長を目指してまいります。
 「不動産ST事業」については、引き続き不動産STの組成を加速させるとともに、本格稼働したSTARTを活用した不動産STの流動性の向上、投資家向けのアプリ開発など、不動産STの魅力をさらに高めることで、REIT・私募ファンドに次ぐ第三のアセット・マネジメントのプラットフォームとして育ててまいります。「賃貸戸建住宅ファンド」においても、引き続き運用物件を着実に積み上げるとともに新たな私募ファンド組成等により多くの投資家の皆様へ新しい投資商品の選択肢を提供してまいります。
 「再生可能エネルギーPPA事業」では、引き続き発電事業者との協業を拡げることで事業を推進し、グループREITの100%再エネ電力化に向けサポートしてまいります。

 ケネディクスグループは不動産の限りなき可能性を切り拓くことで、これら事業の飛躍的な成長、またそれを実現するための運用力の強化を全員で目指してまいります。

■(株)LIXIL住宅研究所 代表取締役社長 加嶋伸彦氏

 2023年は、一昨年のウッドショック、その後の円安、自然災害などの影響により、資材やエネルギーの価格が上昇し、住宅価格高騰などの影響が続いています。一方、新型コロナウイルスの影響は落ち着きを見せ、外国からの渡航者は増加傾向にあり、国内での観光・飲食も賑わってきています。
 そのため人々の意識がコロナ禍での状況とは逆に内から外へと向かっているためか、全国的に住宅展示場への来場者も減少傾向となっています。

 一方、連日世界から紛争のニュースが届けられる中、安全に安心して毎日を暮らす・暮らせることの尊さを多くの方々が感じており、そのベースとなる「住まい」の重要性については、改めて見直されると期待しています。
 さて、2023年、当社は設立から20周年の節目の年を迎え「構造改革」「持続的成長」「LIXILとのシナジー強化」の3つのテーマを掲げ、事業に取り組んできました。「構造改革」においては、デジタル技術の活用や既存事業の見直しを進め、さらなる合理化に取り組み、資材価格高騰への対応などを進めています。「持続的成長」に向けては、各種合理化による生産性向上に努めるとともに、新築だけでなくリフォームやリノベーション事業の強化・拡大に取り組みました。「LIXILとのシナジー強化」においては、アイフルホームの合理化住宅「Lodina」の第2弾、第3弾の開発を進めるなど、グループの総合力を活用し、当社FC事業の強化を進めてきました。これらの活動は単年度で終わるものではなく、2024年以降も中長期的な軸=課題として解決に向け努力していきます。

 また、2023年、当社が運営する3ブランド、アイフルホーム、フィアスホーム、GLホームにおいても、それぞれの特長を活かした取り組みを展開してきました。アイフルホームでは、引き続きフルタイム共働き夫婦&未就学児の子育て世帯をターゲットに、「子育てしやすい家 No.1」を目指して活動してきました。その結果、キッズデザイン賞をはじめとした子育て関連の第三者表彰を多数受賞することができました。11月には、セミオーダー住宅「Lodina」にライフアシスト2を搭載したスマートホーム仕様を標準仕様として発表、子育てとペットの親和性に着目し開発した「FAVO for PET」の投入などアイフルホームの強みやノウハウを組み合わせた新たな挑戦がスタートしています。

 2024年に40周年を迎えるアイフルホームは、引き続き子育てしやすい家 No.1に向けた商品開発と新モデルハウス建築を進め、近い将来アイフルホームの住まいが、子育て世帯にやさしいスタンダードな住まいとなれるよう、商品・サービスの研究・開発などを進めていきます。加えて、集客業務のデジタル化、共働き&未就学児子育て世帯に対するプロモーション強化、全国の加盟店の支援強化なども積極的に進めていきます。さらに、フィアスホームにおいては「高気密高断熱住宅+パッシブデザイン」、GLホームにおいてはツーバイシックス工法をベースにした「アメリカンデザイン+ジャパンクオリティ」といったそれぞれの強みを掲げ、脱炭素社会の実現、末永く住み続けられる街づくりへの貢献などに2024年も継続的に取り組んでいきます。
 国内最大級の住宅フランチャイズチェーンとして、我々の挑戦は決して歩を止めるものではありません。これまでの膨大なノウハウを結集しスピード感を持って新たなFC像を作り上げ、お客様に「豊かで快適な住生活をお届けしていく」ことを最大の目的として、精進していきます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

■ハウスコム(株) 代表取締役社長執行役員 田村 穂氏

 リアル拠点と不動産DXのシナジーでライフスタイルデザインを追求するハウスコム株式会社〔所在地:東京都港区 代表取締役社長執行役員:田村 穂 スタンダード市場 コード番号:3275、以下ハウスコム〕は、2024年の年頭にあたり、代表取締役社長執行役員 田村 穂より以下に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 謹んで新年のご挨拶を申し上げるとともに、この度の令和6年能登半島地震により被災された方々、そのご家族の方々に心よりお見舞い申し上げます。皆さまの今後の生活の安全と、被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。

 ハウスコム株式会社は、昨年設立25周年を迎えました。
 1998年7月1日に設立された当社は、2019年5月に不動産広告事業等を営む「ジューシィ出版株式会社」(現「ハウスコムテクノロジーズ株式会社」)を、同年7月には建築・リフォーム事業を営む「エスケイビル建材株式会社」を子会社化しました。また、2021年3月には大阪を中心に不動産賃貸仲介事業を営む「株式会社宅都(現「大阪ハウスコム株式会社」)」を子会社化した後、2022年10月に持株会社体制に移行し、エリア別に営業を担う事業会社11社を含む連結子会社14社とハウスコム株式会社から成るグループ経営体制へと変容を遂げて来ました。そして昨年、2023年6月には「株式会社シーアールエヌ」を子会社化し、ハウスコムグループの成長がさらに加速しました。
 この設立25周年という節目の年をハウスコムグループ全員で記憶に留めるため、昨年は7月から11月にかけて「ハウスコム25周年家主様感謝イベント」を東京、名古屋、大阪で計5回開催しました。また、家主様一人ひとりに寄り添うため、エリア別スモールミーティングを計28回開催しました。こうした機会を通して、私たちは数多くの家主様へ感謝の気持ちをお伝えし、賃貸経営のお役に立つ情報をお届けするとともに、お悩みやご要望などを対話の中で共有することができました。さらに、2023年秋にはハウスコムグループ全員が参加するバーベキュー交流会を4つの地域に分けて実施し、30周年、35周年をより良い時にするためにグループの結束を深めました。
 これからの不動産事業には、時代やニーズを的確に把握し、応えられる事業を創って行くことと、その結果として、個人、企業、社会それぞれにとっての「幸せ」を実現するための価値創造に寄与することが期待されています。当社グループのミッション「住まいを通して人を幸せにする世界を創る」と、当社グループのビジョン「THE LIVE DESIGN COMPANY(地域社会で最も人に寄りそう住まいのデザインカンパニー)」には、こうした期待に応えるための当社グループの使命と目指す姿が表現されています。そして、このビジョンを実現するために私が最も期待しているのが、当社グループの「人の力」です。
 当社グループの主業である賃貸仲介業は、数多くのお客様のニーズを聞き取り、数多くの物件や付帯サービスを通して最良の組み合わせを提案し、お客様の幸せな新生活を支援する仕事ですが、そこでも重要なのは、店舗スタッフをはじめとした従業員の「人の力」です。また、こうした「人の力」をデータやデジタル技術を活用したDXと融合し、お客様のニーズを基に事業モデルや業務プロセスを変革することで、顧客体験(CX)、従業員体験(EX)をさらに高めることも可能になります。
 ハウスコムグループの企業文化として大切にしているキーワードは「多様性」です。多様性を尊重するということは、お客様をはじめとするステークホルダー各々のアイデンティティを尊重することに繋がります。さらに、当社グループでは、従業員がいきいきと働くことができる環境をつくり、お客様に境界の無いサービスを提供することを常に心掛けています。

 2024年も、ハウスコムグループは、人の力とテクノロジーを融合し、多様性を活かしながら、住まいを通して人を幸せにする世界の創造を追求し、地域社会でもっとも人に寄り添う住まいのデザインカンパニーを目指していきます。そのために、私はまず、ハウスコムグループの一人ひとりが幸せに働く組織を追求する1年にしたいと考えています。
 2024年が皆様にとって、幸多い一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
 本年も皆様の一層のご指導、ご支援を賜りますよう宜しくお願いいたします。

■クリアル(株)代表取締役社長 横田大造氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 平素より格別のご支援を賜り、厚く御礼申しあげます。

 2023年は東京証券取引所グロース市場上場1周年を迎え、新たな飛躍の1年となりました。
 また、SBIホールディングス株式会社との資本業務提携によるオンラインおよびオフラインでのコラボレーションが実を結び、力強い成長を遂げることができました。

 主力事業である「クリアル(CREAL)」においては、SBI証券顧客への様々な顧客登録プロモーション施策や当社上場による知名度・信頼度向上の効果により、投資家登録数は増加を続け、54,000人を突破しました。そしてレジデンスをはじめ物流施設や商業施設など幅広い商品ラインアップを展開した結果、累計調達額は413億円超、ファンド組成数は101件を突破しました。運用が終了したすべてのファンドにおいて、お約束通りの運用利回りを達成しており、引き続き投資家の皆さまが安心して資産運用ができるサービスを提供してまいります。

 また、CREAL PB(クリアル ピービー)においては当社の強みであるWEBマーケティングを生かしたプロモーション強化により過去最高の販売本数を更新、CREAL PRO(クリアル プロ)は当社の知名度・信頼度向上を背景に多数のファンド組成により運用資産残高を前年比で大きく増加させるなど、盤石な経営基盤を築きました。これもひとえに、当社を支えてくださっている皆さまのおかげによるものと、心より感謝申し上げます。

 一方、昨年は不動産クラウドファンディング業界の発展拡大にも注力しました。8月に私自身が代表理事となり不動産クラウドファンディング協会を設立、不動産クラウドファンディングデータベースを構築するなど、順調に活動を進めています。急速に成長するオンライン不動産投資市場におけるマーケットリーダーとして、引き続き業界全体の信頼性、透明性、認知度の向上に努めてまいります。

 2024年はさらなる飛躍を遂げるべく、すでに様々な施策を進めています。昨年11月にはシンガポールに100%子会社を設立しました。世界有数の金融ハブである同国に拠点を持つことで、当社および当社サービスのさらなる成長を遂げる所存です。

 「不動産投資を変え、社会を変える。」というミッションのもと、引き続き幅広い商品ラインアップを通して投資家の皆様のニーズにお応えするとともに、M&Aも積極的に推進し、さらなる事業拡大を図ってまいります。

 2024年のクリアルにぜひご期待ください。
 本年度もどうぞよろしくお願いいたします。

■(株)ジェクトワン代表取締役 大河幹男氏

 空き家ビジネスをリードするオールラウンダーとして、空き家所有者をトータルでサポート
 またDX化を推進し、新しい時代を率先する未来創造企業の実現を目指す

 年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 2023年の日本経済は、政府が新型コロナウイルス感染症に伴う水際対策を4月末に終了し、5月には「5類感染症」に移行するなど、徐々に新型コロナウイルス問題が克服されていく中で、経済活動の正常化が進んだ1年となりました。建設・建築業界においては、引き続き、国際情勢の悪化や世界的な円安の進行を背景に、資材価格やエネルギー価格の高騰が続いているものの、リノベーション事業の躍進により、当社の当期(2024年3月期)の売上高は、目標180億円を大きく超過した業績で着地する見込みでございます。これもひとえに、ステークホルダーの皆様のご支援あってのこと、改めて御礼を申し上げます。

 当社の昨年の主な取り組みとしましては、関西圏における事業の拡大・強化を目的に、2023年4月に関西圏初の支店となる大阪支店を開設しました。大阪支店を開設して半年以上が経ちますが、既に当初の計画を大きく上回る空き家事業「アキサポ」へのお問合せをいただいており、複数の活用プロジェクトが進行しております。また、リノベーション事業においても、関西圏のお客様のニーズの高さに手ごたえを感じております。

 当社が従来から向き合っております「空き家問題」の最新状況としては、昨年12月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」の改正法が施行され、空き家の適正管理・除却に向けてより大きな制度改革となりました。さらに、2024年4月には相続登記の申請が義務化されるなど、今後、空き家所有者の皆様が、「放置している空き家をどうしていくか」について考える機会がますます増えることが見込まれます。当社は空き家事業において、これまで解決に導いた空き家物件が昨年末時点で260件を超えましたが、空き家活用はもちろんのこと、売買、賃貸、リフォーム工事、解体など、空き家に関するさまざまな解決策を提案・実行し、空き家所有者をトータルでサポートできる体制を強化してまいります。とくに2024年は、空き家の活用のみならず、空き家の売却希望者へのサービスを拡充するとともに、空き家相談のDX化も積極的に推進いたします。既に昨年、「アキサポ」サービスの非対応エリアにおいて、空き家商談をお客様同士で行うことができるマッチングサービスのβ版を開始いたしましたが、本サービスをさらにアップデートし、これまで負担となっていた物理的距離や工数の削減を図ることで、より多くの空き家に対して問題解決のサポート体制を構築いたします。

 ソリューション事業においては、「NOZOMIO 吉祥寺」が公益財団法人日本デザイン振興会主催の2023年度グッドデザイン賞を受賞し、一昨年の「JECT ONE 人形町ビル」に続き2年連続受賞となりました。2024年は引き続き、顧客ターゲットにマッチしたオリジナル企画・仕様の開発、新規仕入カテゴリへの挑戦、地域や街の価値向上への貢献など、仕入カテゴリの多様化と企画力の強化を目指します。また、リノベーション事業は、優秀人材の獲得と物件情報ルートの開拓により、昨年業績が大きく成長しましたが、2024年は、仲介会社への認知向上と自社ブランディングの確立、さらには他拠点エリア戦略による商圏の拡大により、不動産市況悪化の影響を受けない強固な収益体制の構築を目指します。

 2024年は、当社の中期経営計画(15期-17期)の基本方針である「財務安全性の維持と年率20%の持続的成長の実現」を主軸に、引き続き、主力3部門のソリューション事業、リノベーション事業、空き家事業(アキサポ)の成長に向けて取り組んでまいります。また、当社のコーポレートミッションである【想像を超える『場』をつくり、あたりまえにする。】を念頭に、その地域にとって、またそこにいる人々にとって、本当に必要なものは何かを真摯に考え、不動産に眠る新たな可能性を掘り起こすべく、社員一同尽力してまいります。

 最後に、皆様のこの一年のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

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