不動産業に携わる女性経営者や実務経験者を中心に組織する(一社)不動産女性塾(塾長:北澤商事(株)代表取締役会長・北澤艶子氏)は10日、明治記念館(東京都港区)でセミナーを開催した。
今回は、3回目となる「私の仕事の流儀」。女性塾会員の起業家2名が、これまで実践してきたノウハウを披露した。
司法書士の太田垣 章子氏は「最期は皆おひとりさま」をテーマに、“終活”の考え方について講演。「終活とは、自分で決められなくなったとき、自分の代わりに誰に意思決定してもらうのか、それを決めて託すこと。誰にでも必ず死は訪れる。そこを考えるのは決して後ろ向きなことではない。誰かに任せることなく、最期まで自分の人生に責任を持つことが大切」と話した。
また、終活を考えるときは「最期までどこに住むかを決めておくことが重要」と言及。「住まいは生きる基盤だからこそ、しっかり備えること」とし、「高齢者に優しい建物か、亡くなるまで建物は大丈夫か、経済的にも大丈夫か、亡くなった後のことも考えているか。この備えがない人は、人生後半戦で惨めな結果になってしまう。動けるうちに動き、60歳代の間に死ぬまで住める家を確保することをお勧めしたい」とアドバイスした。
(株)夢相続代表取締役・相続実務士の曽根恵子氏は、相続対策の提案とサポートを行なう「相続実務士」について説明。「相続の相談をどこにしたら良いのか分からない。そうした方たちの窓口となり、相続対策について共感して寄り添い、解決策を提案。そして、相続対策を“見える化”“分かる化”するのが相続実務士の役割」と話した。
相続の専門家選びのポイントについては、「銀行や大手がいいとは必ずしも限らない」とし、「ワンストップで任せられ、実績が豊富でノウハウがある専門家を選ぶことが大切。選択を間違えると失敗するので、慎重に行なっていただきたい」と助言した。