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(株)LIXIL住宅研究所は8日、(株)LIXILと連携した工務店向けプロジェクト「YUIE(ユイエ) PROJECT」を18日に開始すると発表。同日、LIXIL住研代表取締役社長の加嶋伸彦氏が記者会見した。
同プロジェクトは、LIXILグループの総合力を活用し、工務店・ビルダーの「マルチブランド化」を支援するのが目的。「マルチブランド」とは地域密着で展開する工務店・ビルダーがもともと持っている住宅商品以外にも住宅商品を持つことで、幅広い顧客層に対応することを意味する。ただし、新たな住宅商品を工務店やビルダーが独自開発するには、コストや人員などの面で課題が多いことから、なかなか踏み切れないのが実情となっている。
「YUIE」では、そうした課題を解決するために、工務店・ビルダーが得意とするファミリー向けではなく、単身者向け・カップル向け・趣味特化など「10人のうち1人に刺さる」ニッチ層向けの商品を同社がLIXILと共同で開発。加盟店に販売ツールと共に提供していく。商品は木造軸組を採用する。
モデルハウスの建設義務もなく、FCに比べて低コストで導入できる点が特徴。これにより、加盟店は契約棟数の増加、地域でのシェア拡大につなげることができ、LIXILグループでは住宅や住宅設備の販売増につなげられる。
サービスを開始する18日には初弾商品として、植物との調和空間をテーマとした「YUIE BOTANICAL(ユイエ・ボタニカル)」の提供を開始。都市部に住む観葉植物を趣味とする30歳代女性をターゲットに据えて、プランを練り上げた規格住宅商品で、「フラッグシップモデル」と「スタンダードモデル」の2タイプを用意した。
フラッグシップモデルは間口4間・奥行4.5間の総2階建てで、LIXIL製の高断熱サッシを採用した大開口や外部とのシームレスな接続、観葉植物を飾るための空間などを盛り込んでいる。延床面積94.39平方メートルで販売価格は2,570万円(税抜き)。スタンダードモデルはコンセプトを踏襲しながら、仕様を抑えており、延床面積92.73平方メートルで販売価格は2,050万円(税抜き)。フラッグシップ・スタンダードともに外観デザイン5種・内装デザイン3種から選ぶことができる。プランは2種類。
同社では今後さらに7種類の「ニッチ層向け」住宅を供給していく予定。2029年3月末までにYUIEの加盟店200店を目標としており、従来の3FCの加盟店と合わせて加盟400店舗を目指す。すでに、LIXIL住研が運営するFC加盟店(アイフルホーム、フィアスホーム、GLホーム)を対象に加盟店を募集したところ、20社程度の加盟が内定。18日から新規加盟店の募集を開始する。加嶋氏は「特に工務店やビルダーの事業規模に制限は設けていないが、おそらく年間販売棟数100~200棟程度の会社に響くサービスではないかと見込んでいる」と話した。