(株)住環境研究所は14日、「間取り実態調査」の結果を公表した。データベース化したセキスイハイムの間取り図面約20万件(2025年1月時点)を活用し、18年度から22年度に着工したボリュームゾーンの住宅(2階建て・単世帯)の間取りの変化や現状を調査した。
バルコニーに着目すると18年度から22年度にかけて、「採用しない」住宅の割合が10.8%から30.6%に増加。30歳未満、30歳以上、40歳代以上、50歳以上、60歳以上の全年代で「採用しない」の割合が増加しているが、特に若年層で顕著だった。30歳未満は18年度11.4%であったのが、22年度37.4%にまで伸びている。また、30歳未満はバルコニーを採用した場合でも、「バルコニーに洗濯物を干す」人は47.5%にとどまるなど、バルコニーがあっても洗濯物を干さないケースが多いことが分かった。バルコニーの代わりに「ランドリールーム」や「洗面・脱衣所に物干しスペース」を設ける傾向。22年では、バルコニーを不採用とした住宅の68.3%がこのスタイルだったという。
また、和室・畳コーナーについては、「いずれもなし」とする住宅が、18年度28.0%から22年度49.7%にまで増加。同時期に住宅面積のコンパクト化も進んでいるが、和室・畳コーナーを設けない住宅は、面積に関わらず増加しているという。ただし、和室の採用率は減少している一方で、リビング内に設けられる小規模な「畳コーナー」は一定数維持されており、若年層ほど採用率が高いことが分かった。
同研究所研究員は、「バルコニーを採用しない背景には、共働き家庭の増加に伴い夜間洗濯や乾燥機の利用が増えたことが挙げられる。また、若年層で畳コーナーのニーズがあるのは、幼児のいる家庭で安全に遊べるとして利用されているから。固定された畳スペースが必要なわけではなく、簡略化した置き畳でも代用可能」などとコメントしている。