不動産ニュース / ハウジング

2025/3/4

全館空調によるウイルス濃度低減効果を実証

「エアロハス」に採用されたHEPAフィルターがウイルスを捕集する

 パナソニック ホームズ(株)は3日、(一財)日本繊維製品品質技術センター(QTEC)と共同で実施した実住宅でのインフルエンザウイルスの噴霧試験実証の結果を公表。空気清浄機能を持つ全館空調システムにおけるウイルス感染価(感染力を持つウイルス)の濃度低減効果を確認したことを発表した。

 新型コロナウイルスをはじめとした感染症対策として「換気」の重要性が注目されているが、これまでは単一空間での効果実証にとどまってきた。今回の両者の取り組みは、複数の部屋間相互の気流を考慮した住宅内の拡散影響を評価するもので、国内初という。HEPAフィルターを採用している同社の全館空調システム「エアロハス」を使用した。

 実証は、同社湖東工場(滋賀県東近江市)内の住宅試験センター内にある国内最大級の人工気象室に2階建て・延床面積114.66平方メートルの実験専用住宅を建設して実施。(1)一般的な間欠空調(第三種換気)、(2)風量の小さな全館空調、(3)風量の大きな全館空調、という3パターンの条件を設定。ウイルスの噴霧直後・30分後・60分後の空気を採取して、ウイルス感染価の濃度を分析・検証した。

 その結果、噴霧した2階居室では、(1)の噴霧直後の濃度を100%とした場合に、(2)の噴霧直後は56%、(3)は18%にまで低減。さらに30分後、60分後の低減効果も(1)<(2)<(3)となり、特に(3)の60分後は0%という結果となった。両者はこの結果を受け、「空気浄化機能を持つ全館空調では、初期濃度の上昇を抑制する効果があり、風量が大きいほど除去スピードに与える効果も大きい」と推察した。

 同社R&Dセンター環境技術研究室室長の梅本大輔氏は、「広さやプランなどの条件で結果が変わると考えられるので、まだまだ実証を積み重ねていく。当面、住宅のフィールドで検証を積み重ねて、将来的には施設系の建築物にも応用できるようにしていきたい」などと語った。

記事のキーワード 一覧

動画でチラ見!

第18回 ジバコー 「原点」を語る

ニュースはこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年8月号
社員が成長すると、会社も伸びる!
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/7/5

「月刊不動産流通2025年8月号」発売中!

月刊不動産流通研究所2025年8月号」が発売となりました!
特集は、「今こそ! リスキリング」。社会が目まぐるしく変化する中で、不動産事業者も取り巻く環境に適応するためのスキルアップが不可欠です。本特集では、新たな課題への対応や業績向上に向け社員の「リスキリング」支援に取り組む事業者に着目。その狙いや取り組み、効果を紹介します。