不動産ニュース / 開発・分譲

2025/3/11

野村不、東京・平井のマンションに在宅避難を助ける仕掛け

地域防災倉庫内のパネルでは、災害対策本部の立ち上げや初動対応などに必要なグッズや備品の使用方法などについてイラスト付きで解説している
地域防災倉庫内の防災グッズ。状況別に必要な備品を収納している

 野村不動産(株)は10日、分譲マンション「プラウドタワー平井」(東京都江戸川区、総戸数374戸)において、在宅避難を支援する仕掛け「見せる防災・しまう防災」を報道陣に公開した。

 「プラウドタワー平井」は、JR総武線「平井」駅徒歩2分に立地。敷地面積3,725.46平方メートル、鉄筋コンクリート造一部鉄骨造地上29階地下1階建て。2025年1月に竣工済みで、一部住戸はすでに入居を開始している。

 「見せる防災・しまう防災」は、21年11月竣工の「プラウド瑞江」で初導入した。「見せる防災」は、入居者が普段から目にする場所に防災備品を展示したり、防災倉庫内の防災備品の展示方法を工夫したりすることで、それらの場所や内容を把握し、有事の際にすぐ使用できるようにしている。

 同物件では、2階の「地域防災倉庫」に、災害が起こったときに取るべき行動や備品の使用方法、江戸川区で想定される水害のリスクなどをまとめたパネルを展示。対面する棚には「災害対策本部の立ち上げ」「初動対応」など発災後に住民が取るべき行動を時系列で示し、それぞれのタイミングで必要となる防災備品をまとめることで、スムーズな防災行動を促進する。これらの防災備品は入居者のほか、区の要請を受けて一時滞在施設等として受け入れる地域住民や帰宅困難者も使用できる。

 「しまう防災」については、ラウンジやエントランスのソファや造作棚に防災備品をしまっておくもので、同物件は3階の共用ラウンジに併設されたプレイエリアのソファの中に救急キットや毛布、ヘルメットなどを収納。ソファの座面を開けてこれらの防災備品を取り出せるようにしている。住民が集まりやすい場所に設置することで、初動対応をスムーズにできるようにした。

 このほかにも、居住階(5~29階)の各階(12・20階は除く)には居住者用の防災倉庫を設け、携帯トイレや飲料水などを収納している。
 外構部には、かまどベンチ、マンホールトイレ、防災井戸ポンプを完備。さらに、それらの付近に各設備名を記載したポール、各設備の位置を示した地図や使用方法について説明した案内板「防災設備マップ&ガイド」を設置した。

 今後は防災の設備や災害が起きた際の流れ等をまとめたガイドブックの配布や、防災イベント等の開催などを通し、居住者の防災への意識を高めていく考え。

プレイエリアのソファ。座面を取ると防災グッズが取り出せる

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