不動産ニュース / 開発・分譲

2025/4/10

ポラスG、各戸の庭と共有空間を両立した建売

「オモイス浦和美園」外観
全戸に専用の「プライベートガーデン」を設置。入口を茶室のような「にじり口」に。小径から遠ざけるなどしてプライベート性を高めている

 ポラスグループのポラスタウン開発(株)は10日、建売住宅「OMOIS(オモイス)浦和美園」(さいたま市岩槻区、総戸数7戸)を報道陣に公開した。各戸それぞれにプライベート性の高い庭を設けながら、住宅地全体で共有する「小径」を配置しているのが特長。総額が6,000万円台中盤を超える価格設定ながら、分譲開始から半年で5戸が販売済み。

 同物件は、埼玉高速鉄道線「浦和美園」駅徒歩22分に立地。約1,300平方メートルの敷地は、316haに及ぶ土地区画整理地「みそのウイングシティ」の一角。開発に当たっては戸当たり土地面積は150平方メートル以上に規制されており、同物件も180~183平方メートルに。各戸が20~30平方メートルを負担し、共有のフットパス(小径)を街区の中央に配している。建物は木造在来工法2階建て。長期優良住宅仕様、ZEH水準。3LDK~4LDK、建物面積約97~102平方メートル。2024年12月竣工済み。

 まちのコミュニティを充実させるため共有空間を広く取ると各戸に庭がつくれないという声や、うまくコミュニティになじめるか不安という声に対応すべく、全戸に独立した「プライベートガーデン」を設置しながら、共有のコミュニティ空間となる小径を設けた。プライベートガーデンは植栽や配置場所により、独立性を高めており、一部住戸ではその入り口を茶室の「躙り口」のように小さくすることで、よりプライバシーの高い空間としている。

 敷地中央を貫く小径は、子供たちの遊び場を意識した「遊の小径」、幅を狭め斜めにクランクさせることで植栽との距離を狭めた「森の小径」、敷石を遮熱透水性のインターロッキングとし、水を撒いたり雨が降ることで街区に心地よい風の流れを導く「風の小径」と3つの役割を与えている。

 住戸は、全戸をデザイナーが監修。庇が張り出した縁側のあるプラン、建物を斜めに配することで2つのプライベートガーデンを持つプランなど、1戸1戸異なるテーマを持たせた。リビング天井高は2,700mm。突板フローリング、食洗器、浄水器、パントリー、玄関電気錠、EV充電器などが標準。

 24年9月より販売を開始し、これまで140組が来場。5戸が販売済み。現在販売中の2戸は、6,650万円、6,780万円。購入者は、30歳代後半の一次取得のファミリー層がメイン。反響の半分は浦和美園エリア居住者。埼玉高速鉄道の始発駅から座って通勤できることから、都内居住者からの反響も半数。緑の多いまち並みや、コミュニティの仕掛けづくりへの評価が高かった。

街区を貫く小径は、全体を3つに分割して役割を変えている。写真は「森の小径」。わざと角度をつけ幅を狭めることで植栽との間隔を縮めている
「風の小径」は、遮熱浸透性のインターロッキングとしており、水を撒くことで心地よい風を街区内に導く

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