大和ハウス工業(株)は13日、2025年3月期決算(連結)を発表。14日にはマスコミ向けの説明会を開き、代表取締役会長COOの芳井敬一氏、代表取締役社長COOの大友浩嗣氏らが当期の振り返りと、次期計画について説明した。
当期(24年4月1日~25年3月31日)の売上高は5兆4,348億1,900万円(前期比4.5%増)、営業利益5,462億7,900万円(同24.1%増)、経常利益5,159億8,500万円(同20.7%増)、当期純利益3,250億5,800万円(同8.8%増)となった。なお、企業年金および退職一時金給付債務の算定に用いる割引率を変更したため、利益面で数理差異が発生している。数理差異を除いた営業利益は4,450億4,100万円(同13.0%増)、当期純利益は2,558億円(同4.0%減)。それを考慮しても、売上高・利益共に4期連続で過去最高となった。
戸建住宅事業は売上高1兆1,445億500万円(同20.3%増)、営業利益698億2,600万円(同98.6%増)と大幅な増収増益を達成。海外比率が高まっており、当期は売上高の55.5%、営業利益は84.8%を海外事業が占めた。国内の住宅事業は分譲住宅の割合が増加していることで原価率がアップしていることから、今後は分譲住宅の強化と同時に請負の強化も図っていく。
賃貸住宅事業は売上高1兆3,760億8,900万円(同10.1%増)、営業利益1,299億6,000万円(同12.2%増)。国内事業の堅調さに加え、米国での開発物件の売却によって増収増益となった。
マンション事業については、売上高2,694億2,700万円(同39.0%減)、営業利益109億800万円(同70.8%減)。開発事業は国内・海外共に順調に推移したものの、前期に(株)コスモスイニシアが連結対象から外れたことによる影響で減収減益となった。
商業施設事業は、売上高1兆2,271億4,500万円(同3.9%増)、営業利益1,459億2,800万円(同1.6%増)。事業施設に関しては売上高1兆3,697億3,000万円(同5.8%増)、営業利益1,596億5,500万円(同29.5%増)と、商業施設・事業施設共に堅調な推移を見せた。
なお、事業横断的なストック事業であるリブネス事業は、各事業分野での売上高が約4,000億円(同14.2%増)となり、27年3月期の目標を2年前倒しで達成した。住宅事業での売買仲介・買取再販などに加え、24年度からは事業施設等の非住宅分野を対象とした「ビズ リブネス」をスタート。1年目から大規模改修工事などの需要が好調だったという。大友氏は「特に非住宅分野のストックビジネスが好調。ビズ リブネスのブランド設立前に比べて売上高が3倍となった。今後についても期待している」と述べた。
次期(26年3月期)については、売上高5兆6,000億円、営業利益4,700億円、経常利益4,300億円、当期純利益2,730億円を見込む。芳井氏は「現中期経営計画は27年3月期を最終年度としていたが、地政学リスクやユーザーの行動変容といった市場環境の変化に合わせるために最終年度を1年前倒す。当社は4月5日に創業70周年を迎えた。これからも成長を止めずに進んでいきたい」と話した。