
三井不動産(株)は16日、コマースDXを実現する統合コマースプラットフォーム「ecforce」を提供する(株)SUPER STUDIOと戦略的資本業務提携の契約を締結したことを発表した。
三井不動産は2022年4月、グローバル・ブレイン(株)と共同で運営するスタートアップ投資事業によりSUPER STUDIOに出資。以降両社で、リアルとデジタルを掛け合わせ、コマース事業者の成長を支援するための取り組みを行なってきた。具体的には、リアル店舗でEC同様の顧客データの取得を図る実証実験として、D2Cブランド「GO WITH WHITE(現DOUBLEW)」のポップアップストアを展開するなどしてきた。
今回、三井不動産は、SUPER STUDIOが行なう第三者割当増資による新株式発行の割当先となり、SUPER STUDIOを持分法適用会社とした。この戦略的資本業務提携により、三井不動産は「三井ショッピングパーク ららぽーと」など同社が手掛ける商業施設とEコマースの強みを掛け合わせて新たな購買体験を提供するオムニチャネル戦略を強化。SUPER STUDIOが開発・提供する各種プロダクトや人材支援を通じ、オムニチャネルサービスの進化とイノベーションの創出を目指す。
新たな取り組みとして、商業施設の各店舗から商品を自由に持ち出して、最後にまとめて比較・購入できる「館内まとめて試着・購入サービス」を企画・開発中。個別に必要なプロダクトの開発について、SUPER STUDIOと協議を進めているとした。
同日の会見で、三井不動産執行役員イノベーション推進本部ベンチャー共創事業部長の高波英明氏は、「今回の提携は、『ららぽーと』を中心とした商業施設や『Mitsui Shopping Park &mall』への効果がまず大きいと考えているが、物流施設やホテル、スポーツ施設といった他の商品へ効果を波及させられる可能性もあると感じている。SUPER STUDIOの力を借りながら、新たな顧客体験価値の提供を実現していきたい」と話した。