不動産ニュース / リフォーム

2025/9/3

「通り土間」を使い「人との距離感」を自在に

最大の特徴である「通り土間」。この土間と居室や水回りの引き戸を開閉することで、人と人との「間」を自在に調整する
土間はLDKまでつながっており、その終点にはR形状のキッチン。土間やリビングのカウンタ―として使えるよう幅をもたせている

 (株)コスモスイニシアは3日、(株)ヤマムラ(山形県新庄市、社長:中村 真氏)建物再生室との共創によるリノベーションプロジェクト第2弾となる住戸を、関係者に公開した。

 リノベーションしたのは、「湯島ハイタウンB棟」(東京都文京区、総戸数232戸)の1室(地上権)で、専有面積は約56平方メートル。従前の間取りはキッチンが独立している2LD・K。同社が所有者から買い取り、フルスケルトンとした上で断熱補強等を行ない、水回り等を一新するなどリノベーション。間取りは2LDKとしている。

 「湯島ハイタウン」は、東京メトロ千代田線「湯島」駅徒歩3分に立地。1969年築。当時では珍しい商業店舗と一体となったマンション。ペット飼育も可能で、居住者同士のサークル活動や、店舗等での地域住民との交流など、多様なコミュニティが育まれてきた。一方、社会や家庭内では、人と人との関わり合いが希薄となることで、「孤独」が問題となっている。そこで、今回のリノベーションは、「湯島ハイタウン」の充実したコミュニティを住戸内に引き込むように、室内空間にさまざまな“間”を設ける仕掛けを施し、住民が一人でも、誰かとでも心地よく過ごせる住まいを目指した。

 住戸玄関からLDKに向け、長さ約7m、幅800mmの「通り土間」を設置。土間に沿って幅約450mm、高さ約200mmの廊下を設けているのが、最大の特徴。この通り土間に接する居室と水回りは引き戸で区切られており、それらを開閉することで、プライベート空間とパブリック空間を自在に使い分けできるようにした。土間がLDKへつながることで、外からの来訪者をそのまま招き入れることが可能。高さをつけた廊下をローチェア代わりにするなど、ゲストをどの空間で「もてなすか」を自在に変化させることもできる。

 土間により玄関からリビングまで見通せるようにしたことで、住戸のセールスポイントである住戸幅いっぱいの窓の眺望をゲストも楽しめるよう配慮した。窓の下にもカウンターベンチを造作して、ゲストが集えるようにした。

 ステンレス天板のキッチンはL型の角をR状にしたもので、1点造作。土間に面した部分はカウンターとして利用が可能。玄関横の和室は寝室での使用をイメージ。入り口を「古材の雪見障子」とすることにより、リビングの大型窓からの陽光や人の気配を感じられるように。また、リビング横の洋室はラワン材の稼働建具により、空間を自在に使い分けることもできる。

 同物件は現在、5,480万円(地代は月額7,000円)で販売中。

住戸幅いっぱいの窓からの眺望をいかすため、部屋の仕切りを取り去った。通り土間のおかげで玄関からも眺望が見渡せる
「湯島ハイタウン」全景。当時としては珍しい住宅商業一体型のマンションで、住民同士や地域とのコミュニティが豊か

動画でチラ見!

第18回 ジバコー 「原点」を語る

ニュースはこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年9月号
アクティブシニアの最新住宅ニーズ!
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/7/5

「月刊不動産流通2025年8月号」発売中!

月刊不動産流通研究所2025年8月号」が発売となりました!
特集は、「今こそ! リスキリング」。社会が目まぐるしく変化する中で、不動産事業者も取り巻く環境に適応するためのスキルアップが不可欠です。本特集では、新たな課題への対応や業績向上に向け社員の「リスキリング」支援に取り組む事業者に着目。その狙いや取り組み、効果を紹介します。