不動産ニュース / 開発・分譲

2025/9/19

越谷で「蔵」のある分譲戸建て第2弾/中央住宅

「ことのは 越ヶ谷~蔵のある街プロジェクト~」全景
敷地中央には、各住戸から供出した土地で共有地を設置。敷石は敷地に建っていたオーナーの古民家で使われていたものを再利用
隣接して建つ蔵は、同社が再生したもの。江戸時代末期に作られたもので、曳家で今の位置に移動。内外装の修復と耐震補強を行ない、現在はカフェやレンタルスペースとして地域住民に提供している

 ポラスグループの(株)中央住宅は18日、戸建分譲住宅「ことのは 越ヶ谷~蔵のある街プロジェクト~」(埼玉県越谷市、総戸数4戸)を報道陣に公開した。ポラスグループが2013年から取り組んできた「越谷市における蔵のある街プロジェクト」の延長にある事業。古民家等が立ち並ぶまち並みに溶け込むランドプランと建物、古民家の古材の再利用などが特徴。

 同社は13年、同市内で蔵3つの並ぶ土地を取得。その1つを移設・改修し保存(同市に寄贈)するとともに、16年には蔵に隣接する戸建分譲住宅「ことのは 越ヶ谷」の初弾(総戸数4戸)を開発・販売している。今回のプロジェクトは、蔵の建つ土地のオーナーが住んでいた古民家のある隣地を取得できたことから、同様のコンセプトで開発することにしたもの。

 東武スカイツリーライン「越谷」駅徒歩6分に立地。東側は、伝統的な建造物が多く残る旧日光街道道、北側は6m道路に面する。西側には「ことのは 越ヶ谷」と蔵が隣接する。4戸それぞれに地役権を設定し、土地を供出。敷地の中央を幅約4m、長さ約20mの共有地とした。共有地は、3m×3mのルーバー屋根付きテラスを設置。旧古民家で使われていた石を敷石として再利用している。このほか、旧日光街道へとつながる小路も設け、電線も敷地奥の共有地に埋設している。

 住戸は、木造2×4構造の長期優良住宅仕様。モルタル塗りの白い外壁、瓦屋根や外部格子、大和フェンス、石造りの街路灯などでまち並みに溶け込む外観とした。旧日光街道沿いの2戸は、「まちに開く建物」とし、街道側に土間やフリースペースを設け、居室不足を補うため3階建てとしている。土地面積は約109~151平方メートル。建物面積は約99~145平方メートル。11月引き渡し予定。
 「坪庭のある家」「縁側のある家」など、4戸それぞれに異なるコンセプトを設定。すべての住戸に、オーナーの古民家の古材を再利用したモニュメントや照明、スツール、ローテーブル、飾り棚などを設置している。また、同市との景観協定に基づき、入居者は美しいまち並みを維持していく義務が生じる。

 25年6月末から予告広告を開始し、これまで37組を集客。8月8日から販売を開始。販売価格は7,780万~8,480万円。すでに1戸が売却済み。来場者のうち30組が新規顧客で、18組が越谷市外在住者。周辺相場より1,000万円以上高額なことから、注文住宅やタワーマンションとの競合となっている。独自のまちづくりコンセプトや建物外観、コミュニティ形成の仕掛けづくりなどを丁寧に説明することで、年度内完売を目指す。

 ポラスグループは、同住宅地での蔵の再生・保存以外にも、同市と共同で古民家2棟を再生。官民出資のまちづくり会社に参画し、各施設の運営にも携わっている。

住戸内部も随所に「和」の設えを施す
旧日光街道に面する2戸は、1階の道路面居室を土間付きのフリースペースとしている。道路からもアプローチできるようにすることで、地域に開いたスペースとして、入居者の趣味を生かした習い事や近隣住民とのコミュニティスペースとして提案
各住戸には、土地オーナーが住んでいた古民家で使われていた古材をリメイクした小物を設置。写真は間仕切りを再生したローテーブル

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長期優良住宅

長期にわたり使用可能な質の高い住宅をいう。その具体的な基準は明確には定まっていないが、単に物理的に長寿命であるだけでなく、ライフスタイルの変化などへの対応、住環境への配慮など、社会的に長寿命であることが必要であるとされる。

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