(一社)不動産協会は19日、第358回理事会を開催し、「令和8年度税制改正要望」を決定。同日行なった記者懇談会で、同協会理事長の吉田淳一氏が内容を説明した。
同氏は「今年度末までに非常に多くの税制が期限切れを迎える。大きな節目のタイミングでの税制要望活動だ」と述べた上で、(1)住宅ローン減税の延長、(2)長期保有土地などに係る事業用資産の買換え特例の延長、(3)都市再生促進税制の延長・拡充、(4)国家戦略特区に係る特例の延長─の4つを要望の最重点項目として挙げた。
特に(1)について、「住宅価格や物価の上昇の影響などで住宅取得環境が厳しさを増す中、子育て世帯や若年夫婦世帯の住宅購入に対する思いは切実なものがある」(吉田氏)として言及。住宅ローン減税の現行の枠組みを維持することにより、安心して子供を生み育てることができる良質な住環境を整備することが、少子化問題を喫緊の課題として抱える日本の将来を見据えても必要不可欠であるとの認識を示した。
加えて、「内需の柱であり、経済波及効果の高い住宅投資を促進することのみならず、2050年カーボンニュートラルの実現のため省エネ性能が高い新築住宅の供給を促進する意味でも、強く要望していきたい」とも話した。
その他、「賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現を目指し」(同氏)、都市の国際競争力強化と多様で魅力的なまちづくりに係る税制や、未来志向の豊かな住生活を実現するための税制などについて、適用期限・支援措置の延長や拡充、要件緩和などを要望していく。
また、同理事会において丸紅都市開発(株)の入会を承認。同協会の会員数は163社となった。