三菱地所(株)はこのほど、空間伝送型ワイヤレス給電ソリューション「AirPlug」を提供するエイターリンク(株)(東京都千代田区、代表取締役CEO:岩佐 凌氏)に出資したと発表。
ワイヤレス給電(マイクロ波方式)とは、電源ケーブルや電池を使用せず、長距離に電力を空間伝送する技術。「AirPlug」はワイヤレス給電空間を構築し、その空間内にあるセンサーを電源ケーブルや電池なしで稼働させることができるソリューション。天井などに設置した送信機から最大約17m離れたセンサーへワイヤレスで給電できる。この技術を活用することで、オフィスやホテルでの環境センサー等の設置時に配線工事が不要となり、工事費や資源の削減、センサー配置自由度の向上、電池交換の工数削減などが期待できる。
両社は、2022年から23年にかけて「大手町ビル」(東京都千代田区)のイノベーション施設「Inspired. Lab」において実証実験を実施。レイアウト変更が多いフリーアドレスオフィスにおいても、配線工事なしにセンサーを追加できるといった有用性を確認できたことから、この技術の活用深化に向け実証拡大・連携強化を目的に出資を行なった。
なお、AirPlugを活用した空調制御を検証すべく、25年9月10日より「常盤橋タワー」(東京都千代田区)にて実証を開始した。センサーの配線工事や電池交換が不要となり、メンテナンスコストの大幅削減が期待できるほか、送信機1台から複数のセンサーに同時給電ができるためレイアウト変更が多いオフィスでも柔軟な運用ができるという。さらに、配線のない空間により、オフィスワーカーの利便性や快適性が向上するという。