不動産ニュース / 開発・分譲

2025/11/26

野村不HD、「顧客を起点とした価値創造へ進化を」

『まだ見ぬ、Life & Developerへ』の実現に向け、顧客を起点とした価値創造手法へと進化・変革を図る、と説明する新井社長

 野村不動産グループは26日、フェアモント東京(東京都港区)で記者懇談会を開催。4月に策定した新経営計画や同社事業内容。進捗などについてプレゼンテーションを行なった。

 野村不動産ホールディングス(株)代表取締役社長の新井 聡氏が、新経営計画について説明。「顧客、社会のニーズや価値観の変化、環境に関する変化など、いずれも不透明な上に変化の度合いが大きい状況にある」とし、原則一定期間見直すことのない「長期経営方針」と、それに基づく具体的な事業方針を示したものであり、3年ごとに見直しを行なう「3ヵ年計画」を策定したと説明。2030年ビジョンに掲げた『まだ見ぬ、Life & Developerへ』の実現に向け、同社の商品・サービスありき、ではなく、「顧客を起点とした価値創造手法へと進化・変革を図り、不動産というハードのみならず、付随するサービスを不可分なものと考え、多様化する顧客のニーズに答えていく」(同氏)と述べた。

 続いて登壇した同社代表取締役副社長の松尾大作氏は、野村不動産グループの事業分野ごとに、進捗等を含め説明。
 基幹事業である分譲住宅事業については、2024年は全国で3,584戸を供給。25年も都心高額分譲マンション、都市型戸建住宅事業のどちらも順調に進んでいるとし、「すでに6,000億円超の用地ストックを確保しており、今後も継続的に事業を展開できる状況にある」(同氏)とした。さらに、4月にNREG中里建設(株)が同社グループ入りしたことで、「難易度の高い都心狭小地での戸建事業においても強みを持つ体制を構築できた。今後住まいのメニューを拡大し、顧客に多数の選択肢を提供していく」と語った。
 賃貸住宅事業、シニア向け住宅事業に関しては、コリビング賃貸レジデンス「TOMORE」の第2弾物件である「TOMORE田端」の開発が決定。賃貸シニアレジデンス「オウカス」についても今期2棟の竣工が予定されており、今後3ヵ年で1,000億円を投資を予定している。

 都市開発部門では、9月1日に全体開業した大規模複合開発「BLUE FRONT SHIBAURA」のTOWER Sが、竣工後半年でオフィス区画の契約満床を達成。またTOWER Nについても既存ビルの解体工事が開始し、2030年竣工に向けて順調に進んでいるとした。

 海外部門は、東南アジアを中心に8ヵ国に進出し、総事業費8,200億円を投資。ベトナム、フィリピン、タイの住宅分譲を中心に今期も大規模タウンシップ等に参画。英国、米国では、オフィス、賃貸住宅を中心にアセットタイプ・事業エリアを拡大させている。

 なお、住宅部門(分譲住宅・賃貸住宅、ホテル)で総額2兆7,700億円、都市開発部門(オフィス、物流施設、商業施設)で総額1兆300億円のストックを確保しており、当面、事業量確保に不安はない、と説明した。

 サービス・マネジメント分野では、個人から企業のCRE戦略まで幅広いニーズに対応している不動産流通事業については、個人向けのリテール事業、企業オーナーや士業案件に対応するミドル事業、企業不動産やファンドに対応するホールセール事業など、顧客に合わせた拠点展開をしており、「いずれも好調に推移。特にミドル事業、ホールセール事業が伸長し、収益に大きく貢献している」(同氏)と述べた。

松尾副社長は、「潤沢なストックを積み上げており、当面の事業量は確保済み」と説明

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