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2026/1/5

「2026年 年頭所感」(国交大臣・業界団体)

 国土交通大臣および住宅・不動産業界団体トップが発表した年頭所感は、以下の通り。(順不同)

国土交通大臣 金子恭之氏
(一社)不動産協会 理事長 吉田淳一氏
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会・(公社)全国宅地建物取引業保証協会 会長 坂本 久氏
(公社)全日本不動産協会 理事長 中村裕昌氏
(一社)不動産流通経営協会 理事長 遠藤 靖氏
(一社)全国住宅産業協会 会長 肥田幸春氏
(独)都市再生機構 理事長 石田 優氏
(独)住宅金融支援機構 理事長 毛利信二氏
(公財)日本賃貸住宅管理協会 会長 塩見紀昭氏
(一社)全国賃貸不動産管理業協会 会長 佐々木 正勝氏
(一社)賃貸不動産経営管理士協議会 会長 中村裕昌氏
(一社)住宅生産団体連合会 会長 仲井嘉浩氏
(一社)プレハブ建築協会 会長 芳井敬一氏
(一社)日本ツーバイフォー建築協会 会長 野島秀敏氏
(一社)日本木造住宅産業協会 会長 市川 晃氏
(一社)日本ビルヂング協会連合会 会長 木村惠司氏
(一社)不動産証券化協会 会長 菰田正信氏
(公社)日本不動産鑑定士協会連合会 会長 吉村真行氏
(一社)日本ショッピングセンター協会 会長 菰田正信氏
(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター 理事長 淡野博久氏
(一社)不動産テック協会 代表理事 巻口成憲氏・滝沢 潔氏

■国土交通大臣 金子恭之氏

 新年を迎え、謹んで新春の御挨拶を申し上げます。

 能登半島地震の発生から2年、そして、復興中の奥能登を襲った豪雨から約1年3月が経ちました。先月も、青森県において最大震度6強を記録する大規模地震が発生したところです。被災された方々におかれましては、心よりお見舞い申し上げるとともに、震災や豪雨によって亡くなられた方々の御冥福を改めてお祈りいたします。国土交通大臣就任後、直ちに能登半島の被災地へ視察に行ってまいりました。能登半島地震、東日本大震災をはじめとする被災地の賑わいと笑顔を一日も早く取り戻し、被災された方々の生活やなりわいの再建が叶うよう、国土交通省を挙げて、復旧・復興を、急いでまいります。

 本年も、引き続き、「国民の安全・安心の確保」、「力強い経済成長の実現」、「個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり」を重点的に取り組む三本の柱として、全力で取り組んでまいる所存です。
 まず、「国民の安全・安心の確保」についてです。昨年1月に発生した埼玉県八潮市での道路陥没事故を踏まえた対策など、防災・減災、国土強靱化を強力に推進してまいります。加えて、輸送の安全は、運輸事業者にとって最も基本的であり、かつ、最も重要な使命であるという考えの下、事業者などにおける安全管理体制の強化を含む交通の安全確保に取り組むとともに、多様化・複雑化する海上保安業務に適切に対応してまいります。
 次に「力強い経済成長の実現」についてです。高市内閣で、成長戦略の戦略分野に位置づけられている我が国造船業の再生や港湾ロジスティクスの強化に向けて、率先して取り組んでまいります。その他、高規格道路、整備新幹線などの整備、空港の機能強化、物流・建設業などの担い手の確保などにも取り組んでまいります。
 最後に、「個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり」についてです。「交通空白」の解消、二地域居住等の促進、持続可能な観光の推進などに取り組み、地方への人の流れを拡大し、地方での賑わいづくりや雇用の拡大を促すとともに、日常生活や経済活動、多様な暮らし・働き方を実現するインフラや交通体系の整備を着実に進めてまいります。
 国土交通行政は、国民の命と暮らしを守り、我が国の経済や地域の生活・なりわいに直結しています。私はこれまでも「地域の繁栄なくして、国の繁栄なし」という考えのもと、徹底した現場主義で地域の「生の声」と「本音の声」を聞いてまいりました。こうした現場の声によく耳を傾け、国民のみなさまのニーズにしっかり応えるとともに、災害や事故などの有事の際は機敏に対応することを含め、本年も全力で任務に取り組んでまいります。

■(一社)不動産協会 理事長 吉田淳一氏

 我が国経済は全体としては堅調に推移しているが、物価上昇と賃上げのバランスにおいて、国民の景気回復の実感はまだまだ乏しいというのが現実ではないか。ウクライナ危機等に端を発した「コストプッシュ型の物価上昇」から、経済成長と所得増加を伴う「健全な物価上昇」の社会へ移行しなければならない。

 環境分野では、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、官民一体となって、省エネ・再エネを加速し・深化させる取り組みを推進していく。さらに、ライフサイクルカーボンの削減にも本格的に取り組む。

 都市政策では、都市の個性の確立と質や価値の向上に資する「成熟社会」における都市再生を推進しなければならない。建築費の高騰、人手不足などの問題により都市再生に大きな支障が生じる事態となる中、建設業界だけでなく、私どもも、国も、一緒になってサステナブルにまちづくりを推進できるよう、できることから実行に移していく必要がある。

 住宅分野では、マンション関係法の施行や新しい「住生活基本計画」の閣議決定が予定されている。住宅ニーズが多様化する中、そうしたことも踏まえつつ、適切に対応していく。
 また、分譲マンションの投機的短期転売に対しては、昨年11月に公表した対策をしっかりと実行していくことが重要だと考えている。

 国民の暮らしを豊かにするまちづくりや住環境の整備を通じ、我が国の経済・社会の発展に向けて、貢献していきたい。

■(公社)全国宅地建物取引業協会連合会・(公社)全国宅地建物取引業保証協会 会長 坂本 久氏

 新年明けましておめでとうございます。
 平素は、全宅連・全宅保証の活動に多大なるご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 昨年の不動産市場は、金利情勢や資材価格、地価の高騰などにより、消費者の住宅取得が難しさを増す一年となりました。そうした中、本会では令和8年度税制改正として、低未利用地の100万円特別控除や住宅ローン減税制度の適用期限延長を要望し、その実現を果たすことができました。
 また、私たち中小宅建業者は、空き家対策や自治体との連携など、地域に根差したきめ細やかな役割を果たし、大手にはない、一つひとつの物件、お客さまに寄り添う姿勢を大切にしてまいりました。
 令和8年は、この「地域密着」という私たちの強みを改めて礎とし、さらなる成長を見据えて歩みを進める一年にしたいと考えております。
 まず、あらゆる分野においてデジタル化は確実に広がりを見せています。不動産業においてもIT重説や電子契約の普及、各種データの活用など、日々変化が続いておりますが、本会としては、“安心できる取引環境の整備”を目的として、必要な情報提供や研修の充実を図り、会員業務支援サイト「ハトサポ」などを通じ、実務に役立つ支援を着実に強化してまいります。
 次に、私たちの役割は、物件の媒介にとどまらず、空き家や相続不動産への対応、地域の魅力を高める取り組みへと確実に広がっています。地域に密着しているからこそ力を発揮できる分野であり、行政や他業種との連携をますます深め、「まちの未来をつくる担い手」として、その責務を果たしていきたいと考えます。
 そして何より大切なのが、団結の力です。市場環境が大きく変わる今こそ、ハトマークグループというプラットフォームを最大限に活用し、成功事例や最新情報を共有し、横のつながりを強めていくことが、私たち中小宅建業者の一番の力になります。
 全宅連・全宅保証会長として、会員の皆様のさらなる発展と、地域社会における不動産業の信頼と価値の向上に尽力する所存です。
 本年が皆様にとりまして、飛躍と健康に満ちた素晴らしい一年となりますことを心より祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

■(公社)全日本不動産協会 理事長 中村裕昌氏

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 昨年は国土交通省・各自治体、有識者各位、そして友好諸団体皆様の厚いご支援のもと、半年間にわたり2025年大阪・関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン」に『みんな暮らしの街』をテーマとして出展事業を展開いたしました。延べ553万人に及ぶ方々の来場を得て当協会のビジョンを示すことができました。あらためまして、皆様のご理解とご支援に感謝を申し上げます。

 さて、昨年12月おいて日銀による追加利上げが決まったものの、およそ為替相場には響かず、足もとではなおも円安基調が続いております。このため、都心部をはじめとした不動産価格は依然として右肩上がりの状況にあります。物価高とその要因である行き過ぎた円安に歯止めを掛けるため、市場に対しもう一段上のインパクトを与える必要があるのは衆目一致の事実です。それだけに、今後さらなる利上げも十分に予測されるなか、住宅ローンを抱える層、あるいはこれから住宅の購入を欲する層への影響は日増しに高まっているところです。

 そうした中、高市政権下において初めての税制改正大綱が示され、当協会がかねてより要望して来た既存住宅に対する床面積要件の引下げが実現するなど、既存住宅について要件拡充・控除上限額拡張・控除期間延長等のプランが盛り込まれました。新築不動産価格の著しい高騰を踏まえると、既存住宅市場は今後益々隆盛の流れを辿ることは間違いないでしょう。今般の税制改正大綱は、消費者のみならず我々不動産流通事業者にとっても大きな追い風であり、また力の見せどころにもなると感じます。
 他方で、従来は新築住宅を対象としていたZEH等の省エネ性能基準を、そのまま既存住宅に適用することについては、実効性の確保の面で懸念もあると言わざるを得ません。このため、既存住宅においては、事後的に基準に適合させるためのスキームの開発やそのための財政的支援策の拡充、そしてまたその施工を担う人材の継続的な育成も不可欠であると考えます。

 建築コストの高騰に晒される今、既存のものを取り壊し、新しい建物を建てるという手法だけではもはや健全な市場環境は成り立たなくなっています。それだけに、当協会としても良質な既存住宅の維持と流通の促進にこれまで以上に積極的に貢献していく所存です。

 人口減少・少子高齢化が進むなかにあって、今こそ不動産業を“取引の業”から“暮らしを支える業”へと進化させる必要があると考えています。この点で、目下、全国に3万8,000有余の会員を擁し、さらに令和8年度において4万社の達成を目指す我が全日本不動産協会が果たすべき役割、そしてまた会員の皆様に寄せられる期待の度合いは年を追うごとに大きくなっています。当協会、会員ともども風檣(ふうしょう)陣馬(じんば)の如くこの一年を駆け抜けて参りたいと存じます。

 結びとなりますが、皆様にとりまして、本年も実り多き素晴らしい一年となりますこと、そして皆様のご健勝と益々のご発展を祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。

■(一社)不動産流通経営協会 理事長 遠藤 靖氏

 2026年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 わが国の景気は、米国の通商政策による影響が一部産業を中心にみられるものの、緩やかに回復しております。今後、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることを強く期待しております。

 東日本不動産流通機構によりますと、首都圏既存マンションの成約価格は、総じて13ヵ月連続、前年同月比で上昇しております。また成約件数についても同じく13ヵ月連続、前年同月比で増加しており、営業現場では堅調な住宅取引が継続していると言えます。その一方で、今後の不動産取引市場に大きく影響を及ぼす不動産価格、金利の動向には引き続き十分注視する必要があると感じております。

 昨年末には、当協会としてここ数年の課題であった住宅ローン減税における新築住宅と既存住宅のイコールフッティングに係る措置が令和8年度税制改正大綱において位置付けられ、今後の既存住宅流通の更なる活性化にとって大きな弾みになることが期待されます。そうした中、当協会としても、本年は、これらに資する方策についての調査検討等に取り組むとともに、これらを通じて、ライフイベントやライフスタイルに合わせて一生のうちに何度でも住み替えが可能となる住宅循環システムの構築に貢献できるよう政府への提言等に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 当協会は、本年も内需の牽引役である不動産市場において、安全・安心な不動産取引ができる市場の実現とさらなる活性化に鋭意取り組んでまいる所存です。

■(一社)全国住宅産業協会 会長 肥田幸春氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年を振り返りますと、賃上げの動きが広がりを見せた一方で、物価上昇の影響は家計や企業経営に重くのしかかり、実感としての景気回復には力強さを欠く一年でありました。加えて、金利動向への関心の高まりや先行き不透明感は、消費者心理に慎重さをもたらし、住宅取得を含む大きな意思決定に影響を与えたといえます。また、少子高齢化や人口減少といった構造的課題が改めて意識される中で、暮らしの安心や将来への備えに対する国民の関心が一段と高まった年でもありました。一方で、既存住宅の活用や住み替え需要の高まり、省エネルギー性能や住環境の質を重視する意識の広がりなど、住まいに対する価値観には確かな変化と前進が見られました。住宅は生活の基盤であると同時に、将来の安心を形づくる重要な資産であり、その役割が改めて見直された一年であったと受け止めております。
 住宅・不動産分野の安定と成長、そして国民の安心した住生活を支えるうえで、住宅税制が果たす役割は極めて重要です。住宅取得は多くの国民にとって生涯最大の選択であり、その判断を後押しする制度には、分かりやすさと継続性、そして将来への見通しが求められます。政策の方向性が見えにくい状況は、消費者の慎重姿勢を招き、市場全体の停滞につながりかねません。
 このような状況の中、昨年12月に発表された令和8年度税制改正大綱では、住宅ローン減税が5年間の枠組みとして示されたことは、国民や事業者にとって先を見通せる政策運営への一歩であると評価しております。中期的な方向性が示されたことで、消費者は安心して住宅取得を検討でき、事業者にとっても安定した事業計画を描きやすくなりました。住宅ローン減税の控除期間が新築・既存共に13年とされたことは、住宅取得後の長期にわたり家計負担の軽減効果を実感できる制度設計であり、子育て期から将来に至るまで暮らしの安心を支えるものとなっています。また、床面積要件について40平方メートル以上とされたことは、単身世帯や共働き世帯の増加、都市部における住宅事情を踏まえた現実的な対応であり、コンパクトであっても良質な住宅が正当に評価される環境づくりにつながっています。また、新築住宅に係る固定資産税の特例措置の延長、固定資産税・不動産取得税等各種特例措置の床面積要件の緩和などが実現されました。
 これらの制度が組み合わさることで、新築・既存を問わず、良質な住宅の取得や住替えを幅広く後押しする仕組みとして機能しています。その結果、住宅ストック全体の質の向上や円滑な流通が促され、地域経済の活性化や持続可能な社会の実現にも寄与する好循環が生まれつつあります。
 こうした経済状況と社会の変化、そして制度の成果を踏まえ、今後も住宅税制が国民の暮らしに安心と希望をもたらす政策として安定的に運営されるよう、引き続き提言活動に取り組んでまいります。会員各位が将来を見据え、前向きに事業に取り組める環境を整えることが、業界の発展と国民生活の向上につながるものと確信しております。
 令和8年は丙午(ひのえうま)の年です。丙午は、変化と前進の力が強く、これまでの取り組みが次の段階へと進みやすい年とされます。不確実性の高い時代だからこそ、将来を見通せる環境を整え、一歩ずつ着実に前へ進むことが、業界全体の持続的な発展につながるものと考えております。
 全住協は、今年も全国約1,700社の英知と熱意を結集し、国民の豊かな住生活の実現と住宅・不動産業の発展を通じ、日本経済の成長に寄与して参りますので、会員並びに関係の皆様方の倍旧のご支援とご協力をお願い申し上げます。最後になりましたが、皆様方のますますのご発展とご健勝を祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

■(独)都市再生機構 理事長 石田 優氏

 令和8年の新春を迎え、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。
 本年は、令和6年度から令和10年度までの第五期中期計画の2年目にあたります。昨年度に引き続き、国の政策実施機関として都市再生、賃貸住宅、災害対応支援の3本柱の事業で、社会課題の解決に向けて、継続的に取り組んでまいります。
 都市再生事業では、大都市圏での大型プロジェクトだけでなく、地域経済の活性化や安全・安心まちづくりなど、地域の社会課題を解決する都市再生を推進しております。
 例えば、品川エリアでは、国際交流拠点品川の形成に向けて、都市基盤の整備に取り組んでおります。本年3月には、高輪ゲートウェイ駅周辺で進める品川駅北周辺地区土地区画整理事業において全体まちびらきを、大井町駅周辺で進める広町二丁目地区土地区画整理事業において直結の複合施設の竣工をそれぞれ迎えます。
 熊本県荒尾市では、大規模な競馬場跡地等を土地利用転換し、ウェルネス拠点形成の実現を図る土地区画整理事業が昨年10月に節目を迎えております。本年6月には道の駅、保健・福祉・子育て支援施設が開業し、地域経済の活性化やコンパクトシティの実現を目指してまいります。また、URが参画する信州地域デザインセンター(UDC信州)においては、昨年7月に県内自治体の行政職員を対象にした「信州まちづくりデザインスクール」を開講し、長野県内自治体のまちづくりの実践的な力を上げる取組に協力させていただいております。
 近年は、東日本大震災などにおける復興まちづくりの経験を活かし、「高知県事前復興まちづくり計画策定指針」の策定を支援したことを契機に、高知市や四万十市において、南海トラフ地震に備えた事前復興まちづくりの支援にも取り組んでおります。
 本年も民間事業者や地方公共団体、地域の人々と連携し、引き続き都市再生を推進してまいります。
 次に、賃貸住宅事業では、昨年7月に前身の日本住宅公団の発足から70年の節目を迎えるにあたり、事業メッセージ「ゆるやかに、くらしつながる。」を発表しました。この事業メッセージには”団地を核として地域全体にくらしとくらしがつながり、豊かなくらしができていく”という思いを込めています。
 このような思いの下、賃貸住宅事業では幅広い世代や多様な世帯が安心してくらし続けられるよう、地方公共団体、民間事業者、居住支援団体等の多様な主体と連携しながら、人々の交流を育む環境づくり等を通じたミクストコミュニティの形成と住宅セーフティネットの充実、UR賃貸住宅ストックの価値向上を図っております。
 その一環として、団地の医療福祉拠点化を推進しています。昨年度末までに264団地で地域医療福祉拠点を形成し、住生活基本計画で定められた目標(令和12年度までに250団地形成)を前倒しで達成いたしました。現在国土交通省で検討中の次期住生活基本計画では、医療福祉拠点化の継続に加え、子育て支援などURに新たな位置付けがされる見込みであり、これまで以上に子育てしやすい環境整備を推進してまいります。
 また、多様化するお客様のニーズへの対応や地域の魅力・価値向上に寄与するため、地域や団地の特性に応じたストック再生を進めつつ、リノベーションした住宅の供給や、UR賃貸住宅の強みである屋外空間を活用した親子で楽しめるあそび場の提供などを通して、安心してくらし続けられる住環境の実現を目指してまいります。
 災害対応支援については、様々な大規模災害からの復旧・復興支援を通じて、防災や復旧・復興に関する経験やノウハウを蓄積してまいりました。
 東日本大震災からの復興支援については、原子力災害被災地域の福島県大熊町、双葉町、浪江町の3町においてハード・ソフトの両面から復興を支援しております。主な取組として、昨年はURが基盤整備を実施した大熊町のJR大野駅西交流エリアにおいて産業交流施設・商業施設が開業するなど、着実に復興が進んでいるところです。また、本年は東日本大震災発災から15年を迎えます。岩手県、宮城県、福島県における災害の記憶の継承と、福島県においてはハードの支援に加え、関係人口の創出・拡大に向けたソフト面の支援を引き続き進めてまいります。
 令和6年能登半島地震における復旧・復興については、発災直後から継続的な支援を行ってまいりましたが、昨年は奥能登地域における災害復旧工事のマネジメントや、復興まちづくり計画の事業化に向けた検討の支援を行うとともに、珠洲市からの要請に基づき災害公営住宅の整備に着手するなど支援を本格化させております。引き続き、被災地の早期復旧・復興に向けた支援を進めてまいります。
 さらに、大規模な自然災害等が想定されるなか、国や地方公共団体等においても平時の備えに対する意識が高まっております。この流れを受け、URでは、これまでに培ってきたノウハウや知見を整理し、国の機関としての役割を果たすべく、社内の災害対応力向上に努めていくとともに、防災から復旧・復興に至るまでの各種研修を「UR防災研修プログラム」として地方公共団体等の皆様に提供しております。本年も発災時のみならず平時においても支援を続けてまいります。
 海外展開支援については、現地事務所を設置している3ヵ国(インドネシア・オーストラリア・タイ)を中心に具体的な取組を進めております。まず、ジャカルタでは現地企業が進めるニュータウン開発の計画策定業務に着手しております。シドニーでは現地企業による賃貸住宅開発事業への日本企業の参画支援を行い、バンコクでは国土交通省と共同のTOD(公共交通指向型都市開発)に関するフォーラムとチュラロンコン大学と共同の都市の強靭化に関するフォーラムを開催しました。さらに、インドではムンバイ郊外のタネ市の公社が進める都市開発を支援するため、URとして初となるインドとの覚書を交換したところです。
 環境問題への対応については、環境に配慮したまちづくりや住まいづくりを推進するための「環境配慮方針」を2005年度に宣言したところですが、昨今の環境に関する動向を踏まえ、多様化する社会要請に応えるため、2025年4月にはこれを「環境基本方針」として改定・公表しました。当方針は、脱炭素、気候変動への適応、自然共生社会や循環型社会といった“持続可能な社会に向けた視点”に加え、環境マネジメント、法令順守、環境教育・啓発や社会とのコミュニケーションといった“環境行動の視点”も重視しております。当方針をもとに、より一層環境への取組を推進してまいります。
 また、URは昨今の働き方改革、人材不足、物価高騰等の状況を踏まえ、受注者をはじめ皆様のご意見を伺いながら、工事書類の簡素化を行う等の負担軽減の取組を進めております。引き続き多くの事業者様にURの工事にご参加いただけるよう努めてまいります。
 2023年9月に開館した「URまちとくらしのミュージアム」については、多くの方々にご来館いただいており、2025年10月末時点で約2万4,000人の来館者を迎えております。現在、ミュージアムでは展示だけでなく屋外空間を含めて様々な活動を行っており、地域とともに発展する企業ミュージアムを目指しています。是非、お越しいただけますと幸いです。
 URは、今後もまちづくりや住まいづくりを通じて社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現に向けて役割を果たしてまいります。
 最後に、当機構の業務につきまして、日頃から格別のご理解・ご協力を賜っております関係各位に深く感謝を申し上げるとともに、本年の皆様方の益々のご発展とご健勝を祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

■(独)住宅金融支援機構 理事長 毛利信二氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年も日銀の政策金利の引上げや住宅価格高騰の影響により、住宅取得環境は厳しい状況が続きました。そのような中で、昨年11月に閣議決定された総合経済対策には、固定金利型住宅ローンの利用円滑化や金利リスクの普及啓発が盛り込まれており、本年4月から【フラット35】の融資限度額を1億2,000万円に引き上げるほか、金利のある世界において住宅ローン利用予定者が最適な住宅ローンを選択できるよう、金融経済教育推進機構と連携し、公正・客観的な立場で住宅ローンに関する金融リテラシーの啓発活動に継続して取り組みます。
 我が国の政策課題に対して住宅金融が果たす役割は多岐に及びます。子育て世帯の住居費負担の軽減を図るため、子どもの人数に応じて一定期間金利を引き下げる【フラット35】子育てプラスや子育て配慮賃貸住宅への金利引下げを通じて、子どもが健やかに成長できる住環境を整備します。
 また、脱炭素社会実現に向けて住宅の省エネ・創エネを加速化させるため、より高い省エネ性能・創エネ機能を備えた住宅を対象に金利引下げ幅を拡大した【フラット35】S(ZEH)や【グリーンリフォームローン】を提供してまいります。
 さらに、シニア世代に適した円滑な住替えやリフォームの促進も重要課題です。【リ・バース60】は、住宅資産を有効に活用して多様な住宅関係資金の確保を可能とするものであり、適切なリフォームにより住宅の価値を維持保全していくことで空き家の発生防止の効果も期待されます。
 高経年マンション問題には、修繕積立金の計画的な積立てをサポートするマンションすまい・る債やマンション共用部分リフォーム融資を通じて、マンションの維持管理・再生の円滑化に尽力してまいります。
 令和6年能登半島地震の発生から2年が経過しました。被災地では公費解体が完了し、住まいの再建が進展するフェーズに入りました。過去の災害対応の知見を活かして地方公共団体等と緊密に連携し、被災者に寄り添った相談会の開催、災害復興住宅融資の提供等を通じて、住まい再建を希望される最後のお一人まで総力を挙げて支援していく覚悟です。
 いつの時代も住まいは幸せの原点です。当機構がパーパスとする「住まいのしあわせを、ともにつくる。」存在であり続けられるよう、ステークホルダーの皆さまとともに新たな挑戦を止めることなく、進化を続けてまいります。本年も変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

■(公財)日本賃貸住宅管理協会 会長 塩見紀昭氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 令和7年、当協会は設立30周年という大きな節目を迎えました。これもひとえに、長年にわたりご支援・ご協力を賜りました会員の皆様をはじめ、関係各位の温かいご理解とご尽力の賜物であり、心より厚く御礼申し上げます。30周年という節目の年に、中期運営方針2026で掲げた目標の一つである「賃貸住宅管理業界の認知度向上」に向けたブランディング強化の一環として「快適な暮らし心地をつくる。」という業界のコンセプトワードを策定しました。

 令和8年は、このコンセプトを旗印に、若年層に向けた情報発信を一層強化し、賃貸住宅管理業界の魅力を広く伝えることで、新たな人材の流入にもつなげてまいります。人材育成の観点では、賃貸住宅メンテナンス主任者や相続支援コンサルタント等の専門資格の普及を通じて、実務に強く、社会に信頼される人材の育成を進めてまいります。社会課題の解決に向けた支援では、賃貸住宅管理業法の適正な運用支援、高齢者等の入居を見据えた改正住宅セーフティネット制度の活用、居住支援協議会への参画など、引き続き、幅広い分野での取組みを進めてまいります。また、国内だけでなく海外にも目を向け、先進的な取組みから学びつつ、日本の優れた管理ノウハウを海外に発信していくことにも力を入れてまいります。

 これまでの30年で培われた経験と先人たちの教えを大切にしながら、当協会は、会員の皆様と共に、業界の更なる発展と安心で豊かな住環境の実現に努め、賃貸住宅管理業界を通じて社会に貢献してまいります。

■(一社)全国賃貸不動産管理業協会 会長 佐々木 正勝氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
会員支援の取り組みとして、本会会員と賃貸不動産経営管理士を対象とした、オンライン配信形式によるセミナー「賃貸管理サミット2025」を、9月22日から毎週1回(計5回)開催いたしました。全国から約800名の申込みがあり、「賃貸住宅管理業法」「DX」「SNS」「外国人入居者対応」「セキュリティ対策」を取り上げた講演内容に高い評価をいただきました。
 また、賃貸管理業界でのハラスメント行為の抑止を目的として、国土交通省と連携の上、「ハラスメント対策ロゴ」データを作成いたしました。本会ホームページの「カスタマーハラスメント対策ページ」で、対策チラシと合わせてダウンロードできるよう対応しており、こうした取り組みが複数のメディアで紹介されております。
 賃貸不動産管理業の適正化に向けた取り組みとして、国土交通省が9月に発足した「賃貸住宅管理業のあり方に係る有識者会議」に委員として出席し、意見具申を行っております。

 私たちのスローガン『「住まう」に、寄りそう。』を会員の皆様とともに実践してきた成果として、会員数は年々増加し、12月時点で6950社を超えております。
 そのような中、昨年は熊本県支部が設立し、岩手県支部の設置も承認され、来年度以降に全国42支部体制となります。今後も強靭な組織の確立に向けた事業展開を図るとともに、更なる賃貸不動産管理業の適正化に向け、全宅連と連携の上、国土交通省等関係機関とも協議を重ねてまいります。
 最後に皆様方の益々のご繁栄とご健勝をお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

(一社)賃貸不動産経営管理士協議会 会長 中村裕昌氏

資格の社会的地位と認知度向上へ

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年は賃貸不動産経営管理士試験におきまして、資格制度の創設以来最高となる36,360名の方に受験のお申込をいただきました。これは、適正な賃貸住宅管理に対する社会的要請の高まり、ならびに賃貸不動産経営管理士の専門性への期待が着実に広がっていることを示すものであり、協議会としてその責務の重さを改めて認識するとともに、引き続き本資格の社会的認知度の向上に努めてまいります。
 空き家対策、高齢者・外国人の入居支援、原状回復を巡る紛争防止など、賃貸住宅管理を取り巻く環境は多様化・高度化しております。本年も、試験制度の一層の充実、人材育成の強化、関係機関との連携促進を通じ、健全な賃貸住宅市場の構築に寄与してまいります。

 皆様の益々のご発展を祈念し、年頭の所感といたします。

■(一社)住宅生産団体連合会 会長 仲井嘉浩氏

 令和8年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 昨年もさまざまな自然災害により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げますとともに、日々災害対応に尽力されている皆様に深く感謝申し上げます。
 さて、わが国の経済は、デフレ経済から成長経済への移行が一段と進みつつある一方、物価や金利の上昇傾向、実質賃金の伸び悩み、世界経済の不透明感なども依然懸念されています。
 住宅市場に目を向けますと、持家着工は7ヵ月連続で対前年比減となり総戸数の年率換算値は80万戸程度の低水準であり、厳しい状況が続いています。
 このような状況を踏まえ、当連合会では税制・予算の政策に関する要望活動を積極的に行いました。その結果、令和7年度補正予算においては、「みらいエコ住宅2026事業」によるGX志向型住宅への予算拡充、さらに3省連携による新築住宅の省エネ化や既存住宅の省エネリフォームの支援措置が盛り込まれました。
 また令和8年度税制改正大綱では、住宅ローン減税が5年間延長され、既存住宅への支援強化や床面積要件の緩和が決定されました。さらに固定資産税の新築住宅に係る税額の減額措置等、期限を迎える税制特例措置も延長されました。こうした施策を積極的に周知・活用し、良質な住宅の提供と国民の真に豊かな住生活の向上に貢献してまいります。
 今後に目を向ければ、将来の社会経済の変化を見据えて官民が連携し、既存ストックの活用、担い手確保と育成、LCA(ライフサイクルカーボン評価)などへのさらなる対応が求められています。現在、社会資本整備審議会 住宅宅地分科会では、住生活基本計画(全国計画)の見直しを通じた「あるべき住生活」について、また同審議会建築分科会では建築行政における中長期的ビジョンの検討がなされ、将来の社会経済の変化を見据えた政策議論が進んでいます。
 当連合会は、それら政策議論について提言を行うなど積極的に参画するとともに、ライフスタイルやライフステージの多様化に対応した新築・建替えやリフォームの推進に努め、持家・賃貸を問わず、居住者の健康と財産を守る良質な住宅ストックを形成し、社会資産として次世代へ引き継がれる循環型社会の実現に向け活動してまいります。そして、カーボンニュートラルの実現、少子高齢化や高齢単身者の増加、地方の活力低下などの社会課題の解決につながる様、真摯な取組みを進めてまいります。
 結びとなりますが、皆様のご健康とご多幸を心より祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

■(一社)プレハブ建築協会 会長 芳井敬一氏

 令和8年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。本年も当協会の活動に対しまして、格別のご厚情を賜りますようお願い申し上げます。
 住まいを取り巻く環境は大きく変わってきています。少子高齢化、単身化の進行などのニーズの変化があるなか、生産年齢人口減少や労働環境への対応による人手不足、建設資材の価格上昇など、建築費における供給側の課題に加え、金利の上昇などお客さまの負担の課題もあります。そうした状況下、社会的には、地震や水害などに備えた住まい、省エネ、創エネなどカーボンニュートラル社会を実現する住まい、子育てや高齢化を支える住まいなど、住宅産業に大きな期待が寄せられています。
 さて、着工戸数は、依然として厳しい状況にありますが、お客さまの住まいのニーズに的確に応え、次世代に引き継げる豊かな住宅を提供できるよう、新築とあわせてリフォームを含むストック対策も視野に入れた政策が打ち出されています。
 昨年11月に成立した「強い経済を実現する総合経済対策」を手始めに、令和7年度補正予算や令和8年度予算案には、「子育てグリーン住宅支援事業」の後継事業として、「みらいエコ住宅2026事業」の創設、国土交通省・環境省・経済産業省の3省連携による「GX志向型住宅の新設」、「長期優良住宅・ZEH水準住宅の新設」および「住宅の省エネリフォーム」への支援継続と拡充などが盛り込まれました。さらに、当協会が強く要望してきた、住宅ローン減税制度について借入限度額の5年間延長と既存住宅の借入限度額および控除期間の拡充、フラット35の融資限度額の引き上げなど、住宅取得のための支援として、大きく期待が出来る施策が措置されました。関係者の皆さまには、これらの施策の実現にご尽力と、重要な支援措置の継続に特段のご配慮を賜り、心より感謝申し上げます。
 また、国土交通省にて策定されている「住生活基本計画」について、今年3月末の改定に向けた議論が最終局面を迎えています。当協会としても、新たに「住生活向上推進プラン2030」を同月末を目途に立案します。高い環境性能や耐震性能を有する質の高い住宅ストックの形成と、既存住宅を含めた住宅の円滑な市場流通の先導役を担うべく、次期プランで高い目標値を掲げ、皆さまの豊かな住生活の実現に邁進いたします。
 昨年も各地で地震が頻発いたしました。応急仮設住宅等の供給は当協会の大きな使命のひとつです。これまでの多くの実績・経験を活かし、今後発生が想定される南海トラフ地震や首都直下地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震などの大規模災害にも備え、平時から事前防災に取り組むことが重要と認識しております。そのため、当協会では、発災直後の初動期における業務継続計画の策定とその事前対策(BCP対応)を重点的に取り組んでまいりました。昨年6月には防災機能強化のため事務所を移転し、機能の強化や重要なデータの電子化、災害対応マニュアルの改訂など、万全の準備と支援体制の構築に取り組んでおります。今後も都道府県と連携を一層強化し、短期施工型の応急仮設住宅の導入に取り組むなど、迅速な供給体制の構築を整えてまいります。
 加えて、国際貢献にも取り組んでまいります。昨年11月には、「国際貢献ワーキング」を新たに設置し、海外の甚大な自然災害発生後や戦争終結後の復興を見据え、当協会に要請があれば、「復興住宅」や「仮設住宅」のノウハウを活用する提案ができるよう準備を進め、万全の協力ができる体制を構築してまいります。このため、国土交通省により設立された「ウクライナのインフラ復興に関する官民協議会(JUPITeR)」および「住宅・建築海外展開連携協議会(J-HAB)」に参画いたしました。今後も、官民連携による海外展開の推進に取り組んでまいります。
 今年の干支は、「丙午(ひのえ・うま)」です。「丙」は「決断力」といった陽の意志を、「午」は「行動力」を表しています。これからも住宅業界の先導役として役割を果たすべく、災害対応および応急仮設住宅の建設、また、国外に対しても大きく貢献ができるよう、「丙午」に見合った決断力と行動力を持って、会員企業の皆さまとともに全力で取り組んでまいりたいと存じます。引き続きご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。
当協会の強みであるプレハブ化は質の高い住宅を生産の合理化を行いつつ供給するものです。その強みを活かして国内外の住宅ニーズにしっかりと対応してまいります。最後になりますが、皆さまのご健勝とご多幸を心より祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

■(一社)日本ツーバイフォー建築協会 会長 野島秀敏氏

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 平素は、当協会の活動に対し、格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 当協会は、本年創立50周年を迎えます。これもひとえに、これまで当協会に対するご支援、ご指導くださった皆さまのおかげと、この場をお借りして深く感謝申し上げます。

 ツーバイフォー工法は、昭和49年(1974年)に技術基準が告示されたこと等から、当協会においては2024年度から3ヵ年にわたり「ツーバイフォー50周年事業」を進めております。昨年は公式Instagramの開設、カナダ建築視察研修等を実施し、本年も協会50周年誌や日本の歴史的ツーバイフォー建築物のご紹介など、引き続きツーバイフォー工法の認知度向上に資する取り組みを進めて参ります。

 さて、最近の住宅を巡る動きを見ますと、資材・人件費の高止まり、円安などの環境が続く中、住宅市場は継続的に厳しい事業環境が続いているといえます。一方でこのような環境下ではありますが、ツーバイフォー工法の着工数は、昨年8月に累計着工戸数は350万戸を突破しました。これは長年にわたる皆様のご支援と関係各位のご尽力の賜物であり、改めて深く感謝申し上げます。

 このような事業環境の中、当協会は住宅投資促進に向けた経済・税制対策の要望活動を住宅生産団体連合会と連携して進めてまいりました。その結果、与党が取りまとめた2026年度税制改正大綱には、住宅ローン減税の延長や床面積要件の緩和、中古住宅への適用拡充などが盛り込まれました。さらに、昨年はZEH水準を超える省エネルギー住宅への支援や「みらいエコ住宅2026事業」など、環境性能を重視した制度も創設され、持続可能な住まいづくりを後押しする仕組みが整いつつあります。当協会は、これら制度の周知と円滑な活用を支援してまいります。

 これらの活動と共に、引き続き工法の優位性を広く伝えるとともに、生産性向上技術の実用化、中大規模物件への展開、木材需要拡大とカーボンニュートラルへの貢献を推進します。技能者の確保・育成、外国人技能者受入れ環境の整備など、人材面の取り組みも継続し、専門性の高い職業としての魅力を広く発信してまいります。

 本年も当協会は質の高い住まいをはじめとする建築物の普及に全力で取り組んでまいります。皆様のご健勝とご発展を心より祈念し、年頭のご挨拶とさせていただきます。

■(一社)日本木造住宅産業協会 会長 市川 晃氏

 新春を迎え、謹んでご挨拶申し上げます。昨年は大分市佐賀関地区の大規模火災や青森県東方沖の地震など、心を痛める災害が続きました。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。当協会では引き続き、木造応急仮設住宅の供給体制整備に取り組んでまいります。

 国内住宅市場は、人口減少等による新築需要の低迷、資材価格や人件費の上昇、住宅ローン金利の引き上げ傾向など、厳しい状況が続いています。こうした中、昨年11月に国土交通省より「みらいエコ住宅2026事業」が公表されました。本事業を含む三省連携の「住宅省エネ2026キャンペーン」を通じて、ZEH水準を上回る「GX志向型住宅」の新築や断熱改修等への支援が引き続き実施されます。

 本年3月には住生活基本計画の見直しが予定されており、長期優良住宅の推進や既存住宅の取引環境の整備、カーボンニュートラル実現に向けた取組強化が重要テーマとなります。また、住宅ローン減税においても、既存住宅取得時の省エネ性能に応じた借入限度額の拡充や控除期間の延長等が図られており、良質な住宅ストックの形成と流通促進に貢献することが期待されます。

 当協会は本年、設立40周年を迎えます。経済情勢の変化や多様化する社会的ニーズへ適応しながら、木造住宅・建築物の性能向上とカーボンニュートラル実現を会員企業とともに進めてまいります。皆様にとって実り多き一年となりますよう祈念し、年頭のご挨拶といたします。

■(一社)日本ビルヂング協会連合会 会長 木村惠司氏

 新年あけまして、おめでとうございます。
 昨年を振り返ると、大阪・関西万博が2,500万人を超える一般来場者数を記録して成功裡に幕を閉じ、アメリカのメジャーリーグでは大谷、山本、佐々木といった日本人選手の活躍によってドジャースがワールドシリーズ2連覇を達成するなど、明るい話題が届けられました。
 その一方で、昨年の夏は記録的な猛暑が続き、観測史上最も暑い夏を更新してしまいました。
 また、昨年12月には青森県八戸市で震度6強を観測した地震が発生し、2022年に運用を開始して以来初めてとなる「後発地震注意情報」が発表されました。
 改めて、地球温暖化対策や環境負荷低減に向けた取組み、自然災害への備えと防災対策の重要性を再認識する1年となりました。
 世界に目を向けると、ウクライナや中東など不安定な国際情勢が続くとともに、米国の通商政策についても引き続き注視していくことが必要な状況です。
 そうした中で、日本の景気は堅調に推移していくと予想されています。産業界も協力している賃上げに加え、物価高や資源高の要因の一つだった円相場についても、日銀の追加利上げにより日米の金利差が解消されていき、今後円安基調が是正されていくものと期待しております。
 ビル業界の最大の懸念材料は、少子・高齢化、生産年齢人口の減少に伴う人手不足です。人手不足や資材価格の上昇は、工事費の高騰にもつながっており、ビル業界にとって大きな課題となっています。
 その影響は民間の開発事業だけでなく、自治体等の公共施設の建て替え事業にも及んでいます。こうした事態は、都市の再生や更新を遅らせ、その都市の魅力を削ぐことになってしまいます。国際的な都市間競争が激化する中、魅力ある都市づくりのためにも、この状況の早期解消が求められています。
 この解決のためには、AIやロボットの活用を積極的に進め、働き手が減少する中でも事業が成り立つ“構造改革”を図っていくことが不可欠だと感じています。今後、関係する業界の皆様とともに、様々な工夫をしながらこの課題に取り組んでいかなければならないと考えております。
 さて、オフィス市場についてですが、コロナ禍を経て、オフィスの価値が再認識され、出社率の上昇とともに、オフィス環境の改善を目的としたオフィスの拡張や増床ニーズが顕在化しています。これからもオフィスマーケットは堅調に推移していくとみています。
 昨今、ビル業界には、イノベーションの創出とともに、就業者のウェルビーイングやエンゲージメントの向上に資するオフィスづくりが求められています。当連合会では、こうした高度化・多様化する需要に応え、付加価値の高いオフィス空間を提供していこうと考えています。
 また、ビル業界にもGXやDXといった分野への対応が求められています。環境分野では、独自に策定した「オフィスビル分野におけるカーボンユートラル行動計画」をもとに、会員が一致団結してCO2削減に取り組んでまいります。
 DXについては、オフィスビルの運営管理業務の効率化を目的に導入する動きが出てきています。当連合会でも、DXに関する国内・海外の取組み、ビル業界における活用事例などの情報を収集し、会員へのフィードバックを始めたところですが、引き続き、最新の動向や情報の収集に努めてまいります。
 新年を迎えましたが、これからも全国19協会と連携を図りながら、協会活動を展開してまいります。

■(一社)不動産証券化協会 会長 菰田正信氏

 謹んで新春のお慶びを申しあげます。

 昨年は、我が国初となる女性首相が誕生し、新政権が掲げる成長戦略や、財政規律にも配慮した責任ある積極財政への期待が高まりました。株式市場では堅調な企業業績や中長期的な企業価値向上に向けた取組みが評価されたことに加え、引き続きNISA制度により個人投資家の資金が金融市場に流入したことなども後押しとなり、株価は力強く推移し、日経平均株価は初めて5万円台に到達しました。他方で金利上昇や円安、これらを要因とした物価高、といった懸念材料もあり、先行きには不確実性も残っています。
 世界経済に目を転じると、ウクライナ情勢を背景にロシアとNATO諸国間では高い緊張状態が継続しているほか、中東情勢についても和平への具体的道筋はなお不透明です。米国の高関税政策や貿易上の制裁等によるサプライチェーンの混乱も生じており、予断を許さない状況が続いております。

 そのような中、我が国の不動産市場においては、賃貸市場をはじめとしたファンダメンタルズが堅調に推移しており、付加価値が適切に評価されることで、オフィスや住宅を中心に賃料上昇が継続しています。
 Jリート市場においても、2021年後半から続いた調整局面を脱し、上昇基調へと転じました。東証REIT指数は3年ぶりに2000ポイント台まで回復するとともに、4年ぶりとなる新規上場もみられました。協会としても、市場を着実な成長軌道に乗せるべく、Jリートの投資口価格の適正な評価に向けて引き続き尽力してまいる所存です。

 さて、本年は Jリート市場創設25周年の節目を迎えます。資産規模が約24兆円にまで拡大してきた発展の軌跡を改めて振り返るとともに、次の四半世紀を見据え、時代や環境の変化に的確に応えていく市場の姿を描き出していく機会にしたいと考えております。
 私募リート市場も誕生から15年を経て、資産規模は7兆円を超え、銘柄数もJリートの58銘柄を超える61銘柄へと増加しています。今後、新たな成長段階を迎えるために、投資対象としての一層の価値向上が求められます。協会としても、運用会社と歩調を合わせながら、規律ある持続的な成長を引き続きサポートしてまいります。
 加えて、不動産アセットマネジメント事業に新規参入される方々に向けて、金融・不動産業以外の従事者にも門戸を広げたマスター資格制度を通じて、規律倫理の醸成や専門人材の育成にも寄与してまいります。

 令和8年度税制改正大綱においては、当協会が要望した「特定の事業用資産に係る買換え特例措置の延長」や「土地の売買による所有権の移転登記及び土地の所有権の信託登記に係る登録免許税の軽減措置の延長」等が認められました。これらの措置により、不動産証券化ビークルが不動産流通市場を下支えし、我が国経済の持続的な成長に貢献することが期待されます。要望実現にご尽力いただきました皆様に、深く感謝申しあげます。

 最後に、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申しあげるとともに、本年が力強い成長の年となることを願い、新年のご挨拶とさせていただきます。

■(公社)日本不動産鑑定士協会連合会 会長 吉村真行氏

 明けましておめでとうございます。
 新年のスタートにあたり、国民の皆様、会員の皆様、並びに本会の活動にご理解・ご支援をいただいております各分野の皆様へ、新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年10月に当会は、前身の社団法人日本不動産鑑定協会設立より数えて60周年を迎えることができましたが、社会のニーズは複雑化・高度化し、高い実務能力と広い知見を備えた専門家がこれまで以上に必要とされる時代が到来しており、私達不動産鑑定士は、その役割を果たしていかなければなりません。
 「業務拡充」「人材育成」「地位向上」という3つの方針のもと、「具体的な形とすること」「新たな道を拓くこと」を心掛け、一つひとつ着実に取り組んで参りました。
 また、不動産鑑定士の最大の強みであるAppraisal(鑑定評価)、この強みを活かしてAnalysis(分析)、Advisory(助言・提案)を提供するという「3A」は、業界の将来ビジョンとして平成23年に提言いたしましたが、今現在も不動産鑑定士のあるべき姿であると確信しており、鑑定Appraisalに、時代のニーズである助言Advisoryを組み合わせた「A+A」を世に認知いただけるよう尽力して参ります。
 そして、不動産鑑定士の処遇改善、将来の担い手確保に向けて、地価公示に続き、都道府県地価調査、相続税路線価評価、固定資産税評価、公共用地取得の際(用地対策連絡協議会、いわゆる用対連)の鑑定等の公的鑑定評価の報酬単価の引上げによる適正報酬の確保を図り、良い仕事ができる環境整備を進めて参りたいと考えております。
 大災害の現場においては、平成28年熊本地震での南阿蘇村支援から10年、全国の不動産鑑定士が力を合わせ、毎年のように発生する自然災害にオールジャパンで対応して参りました。令和6年能登半島地震では、延1,564名が珠洲市をはじめ6市町で住家被害認定調査等の支援活動を実施し、令和6年奥能登豪雨、令和7年8月豪雨での熊本や鹿児島、令和7年台風22号・23号災害での八丈島、また令和7年11月熊本地震に対しても、大変なご尽力をいただき本当に有難うございます。令和6年12月26日には内閣府と住家被害認定調査に係る自治体支援のための連携協定を締結しましたので、今後も一層、被災地・被災者支援活動に取り組んで参りたいと考えております。
 私達は不動産鑑定士の役割、使命をしっかりと考え、「不動産の価値判断ができる専門家・実務家」として、そして、「有事の時こそ役に立つ専門家」として、国民目線を持って全力で取り組まなければならないと考えております。
 これまで以上に社会的使命を果たせるよう会務に尽力して参る所存ですので、今年も引き続き皆様のご理解・ご支援をお願い申し上げます。
 最後になりますが、皆様の今年一年のご健勝とご活躍を祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。

■(一社)日本ショッピングセンター協会 会長 菰田正信氏

 謹んで新年のお慶びを申しあげます。
 昨年を振り返りますと、世界情勢において大きな変動が続いた一年でした。米国の第2次トランプ政権による強硬な通商政策が国際経済に緊張をもたらし、ロシアや中東では紛争が長期化するなど、地政学リスクが高まる状況が続いています。わが国では、世界中から注目を集めた大阪・関西万博が成功裏に終わり、秋には初の女性首相となる高市政権が誕生しました。景気は緩やかな回復基調にあり、企業の賃上げも進展を見せた一方で、物価上昇率は高水準で推移しており、個人消費に及ぼす影響には引き続き注視が必要な状況です。
 ショッピングセンター(以下、「SC」)業界については、既存SCの売上高は、物価高や猛暑の影響を受けながらも、全体的には前年実績を上回り堅調に推移しました。一方で、新規開業SC数は建築コスト高騰の影響を受け、統計開始以来最少の18SCにとどまりました。老朽化や再開発により閉鎖したSCもあり、全国のSC総数は、前年の3,065SCから13SC減少し、3,052SCとなりました。なお、2025年の新規開業SCは、平均店舗面積やテナント数が前年から大幅に増加し、1SCあたりの規模は大きくなっています。こうした状況を踏まえると、SCは量的拡大から質的向上へと転換する重要な局面にあるといえます。そのような背景のもと、2026年にSCと当協会が目指すべき方向性は、以下の3点にあると考えています。
 第一に、「働きやすい職場環境の整備」です。人手不足が深刻化する中、安定的な人材確保はSCにおける喫緊の課題です。パートタイマー、外国人労働者、子育て世代など多様な人材が安心して働ける環境づくりを進め、ディベロッパーとテナントが真摯に向き合い、相手の立場を尊重しながら議論を重ね、課題解決に取り組む必要があります。AIやロボットなど先端技術の活用による業務の最適化・効率化も、重要なソリューションとなります。当協会でも、売上報告業務の効率化などの取組みを、会員の皆様のご協力をいただきながら推進しています。
 第二に、「地域社会の持続的な発展への貢献」です。SCは今や、防災拠点としての機能や行政サービスの提供機能を担うなど、地域の生活基盤として重要な役割を果たしています。地域住民との共創イベントの開催や、環境保全への取組みなどを通じて、地域との共生をいっそう進め、豊かな暮らしと魅力あるまちづくりに寄与することが求められています。
 第三に、「リアルの場の強みを活かした来館価値の向上」です。顧客の消費行動が変容し、モノへの消費にとどまらず、スポーツやエンターテインメントなど、体験や交流を提供するコンテンツへの積極的な消費が拡大しています。SCにおいても、こうした新しい消費スタイルを柔軟に取り入れ、リアルの場だからこそ得られる価値を提供することが期待されています。顧客との接点を深め、多様化するニーズに応えることにより、リアルの場でしか得られない体験や感動を創出し、訪れる価値のある場としての魅力を高めていくことが重要です。
 さて、当協会は1月21~23日の3日間、毎年恒例の「日本ショッピングセンター全国大会」をパシフィコ横浜で開催いたします。諸先輩方および皆様のご支援により、今回で節目となる第50回を迎えることとなりました。SC業界に携わる多彩な関係者の方々との交流を通じて、今後のSCのあり方について有益な示唆を得られる場になると思いますので、ぜひご来場のほどお願い申しあげます。
 本年も当協会への格別のご理解、ご協力をお願いいたしまして、年頭の挨拶とさせていただきます。

■(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター 理事長 淡野博久氏

 良質なストックが循環する豊かな住生活の実現に向けて
 新年明けましておめでとうございます。
 日頃から当財団の事業に多大なご支援とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

 当財団は住宅品質確保法及び住宅瑕疵担保履行法に基づき、住宅紛争処理支援センターとして住宅紛争審査会(全国の単位弁護士会)への支援、消費者等からの電話相談にお答えする「住まいるダイヤル」の運営、全国の単位弁護士会と連携した弁護士と建築士の対面による原則無料の専門家相談等を実施しております。

 昨年は住宅品質確保法が2000(平成12)年に施行されてから25年(四半世紀)を迎える節目の年であったことから、有識者の皆様や関係団体の協力を頂戴しつつ、昨年10月23日に記念シンポジウムを開催しました。その模様を含め、関係者からお寄せいただいた原稿や法律の制定・改正や関連制度の経緯・変遷などを紹介する記録誌を本年春にもとりまとめることとしております。住宅の質の確保・向上と紛争の予防、円滑な解決に向け、同法に基づく各種制度(特に建設住宅性能評価)の一層の普及と適切な運用等を図るべく、記録誌の内容を広く周知してまいりたいと考えております。

 住生活基本計画の見直しに向けた審議において多世代にわたり活用される良質な住宅ストックの形成、そのようなストックが循環するシステムの構築、担い手の確保・育成などが重要なテーマとして掲げられています。当財団といたしましても、安心して既存住宅が取引・リフォームされる環境整備に向け専門家相談、紛争処理支援等の対象となる2号保険(既存住宅売買やリフォームに係る瑕疵保険)の普及、所有者自身による適切な維持管理・点検等を推進するための情報発信、マンションリフォームマネジャー・<住宅リフォームエキスパート>増改築相談員などリフォーム関連の資格制度の充実・活用促進、コンクールを通じた社会課題・地域課題に対応したリフォームの推奨など、ストック関連の対策に力を入れて取り組んでまいる所存です。

 新築住宅も対象とする各種取組みに加え、ストックに重点を置いたこれらの取組みを通じ、消費者の利益の保護、住宅紛争の迅速かつ適正な解決、良質な住宅ストックの整備・流通の円滑化、リフォーム市場の健全な発展等による豊かな住生活の実現を図るべく、尽力してまいります。

 末尾に当たり、皆様のご健勝とご繁栄を心より祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

■(一社)不動産テック協会 代表理事 巻口成憲氏・滝沢潔氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 近年の不動産業界は、単なるデジタル化の段階を超え、データとテクノロジーを前提とした産業構造そのものの再設計が求められる局面に入っています。AI・ビッグデータ・生成AIの進化は、業務効率化にとどまらず、不動産の価値評価・取引の透明性・リスク管理の在り方にまで大きな変革をもたらしつつあります。

 こうした環境変化の中で、不動産業界には個別最適ではなく、業界横断で共有されるルール・データ・基盤の整備が不可欠となっています。

 当協会は、「不動産事業者と不動産テック事業者の橋渡し」をミッションに掲げ、これまで業界内外の連携を促進してまいりました。 近年はその役割をさらに進化させ、不動産テック協会が中核となり、複数の専門領域団体と連携する“業界インフラ構築”に向けた取り組みを本格化させています。

 テクノロジーを活用した不動産価値の高度化、生成AIによる業務変革、スマートビル・スマートシティに向けたデータ連携の検討など、協会活動は単発の実証や情報共有にとどまらず、将来的な制度化・標準化を見据えた議論の段階へと進みつつあります。

 また、行政機関や関係団体との対話も深化し、官民連携による新たな枠組みづくりに向けた土台が整い始めています。

 2026年は、こうした流れを受け、以下の3つの柱を中心に活動を一層強化してまいります。

 1.不動産テックの実装とビジネス機会の拡張
 データ活用・AI技術の実務実装を加速させるため、ビジネスマッチング部会や各種ワーキンググループを通じ、より具体的で再現性のある事例共有を推進します。
協会加盟員の事業成長に資するだけでなく、業界全体に波及するユースケースの創出を目指します。

 2.業界横断の標準化・共通基盤づくり
 不動産IDをはじめとするデータ連携の枠組みは、今後の不動産市場における基盤インフラとなる重要なテーマです。
 国土交通省・経済産業省の取り組みとも連携しながら、データ標準、API連携、ガバナンスの在り方について、民間主導での実効的なモデル構築に取り組んでまいります。

 3.テクノロジーを前提とした業界構造の進化
 生成AIを活用した取引プロセスの高度化、需要予測・価格分析などのデータ分析は、不動産業界の生産性と信頼性を大きく左右します。
 協会としては、技術論にとどまらず、倫理・透明性・制度との整合性を含めた議論の場を提供し、持続可能な業界革新を支えていきます。

 これらの取り組みを通じて、当協会は、不動産業界における競争力強化と市場の透明性向上を同時に実現する「共通インフラ」の形成に貢献してまいります。

 また、会員間の連携をより一層強化し、地域・分野ごとの課題解決を支えるハブとしての役割も果たしていきます。関係省庁、業界団体、金融・技術分野との連携をさらに深化させ、日本の不動産市場が国際的にも信頼される持続可能な産業へと進化することを目指します。

 2026年が、不動産業界にとって「次の10年に向けた基盤づくりが本格的に動き出す一年」となるよう、皆さまと共に歩みたいと考えております。

 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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2025/12/27

12月27日(土)~1月4日(日)の間、お休みさせていただきます。

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