注文住宅メーカーの小林住宅(株)と、分譲住宅事業を展開する(株)創建は30日、共同で住宅性能と睡眠の質の相関性を検証する実証実験を開始すると発表。記者説明会を開いた。
OECDの調査では、世界の平均睡眠時間8時間18分に対して、日本のそれは7時間22分であり、睡眠不足による日本経済損失は15兆円超に上るとされている。しかし、日本では長時間労働や夜勤、長時間の通勤などの生活習慣が定着し、短時間睡眠を改善することが難しい側面がある。さらに、厚生労働省の調査では「睡眠で休養が十分とれていない」という人が増加しており、睡眠の時間的・質的な問題があるという。
そこで両社では、睡眠の「質」の改善に着目。住宅性能による睡眠の質向上について検証し、「究極の睡パ(睡眠パフォーマンス)住宅」を目指すこととした。検証に当たり、睡眠研究の第一人者である筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構機構長で、(株)S’UIMIN取締役CSO会長の柳沢正史氏の協力を得た。
実験では、茨城県つくば市内に実験棟を隣接して2棟建設。両棟ともに2階建て、延床面積119.42平方メートル、吹き抜けのある3LDKとし、間取り・家具などを同一にした上で、住宅性能を変えて検証する。一方の実験棟は外断熱・トリプルガラスの樹脂サッシ、C値0.2、第一種換気システムを搭載した断熱性能等級6の住宅。もう一方は内断熱・ペアガラスのアルミ樹脂複合サッシ、第三種換気システムで断熱等級4の住宅とした。
実験は冬季・夏季両方で実施。それぞれに20~70歳未満の被験者20人に2泊ずつ宿泊してもらい、S’UIMINが開発した計測機器を使って睡眠時の脳波等の生体情報を取得、AIによって自動解析する。得られたデータや被験者の声などを参考に、睡眠の質について検証する。検証結果については、26年10月頃に報告を行なう計画。
今回の実験について、建築を担当した小林住宅経営企画室室長の岡村顕治氏は「一般的なコストで言えば、実験棟2棟のコスト差は300万円から500万円程度。当社では、外断熱の実験棟レベルの性能をほぼ標準レベルで採用している」とし、結果次第で睡眠パフォーマンスをアピールしていく考え。また、創建代表取締役社長の吉村卓也氏は「分譲事業は建物の質に多少差が出るものではあるが、実証実験の結果次第では標準仕様を上げていくことも考える」などと話した。
