記者の目 / その他

2006/5/10

長谷工G、3つ目の有料老人ホーム「センチュリーポート西千葉」完成

入居一時金を抑えた新ブランドによる初の供給

 長谷工グループの有料老人ホーム運営会社である(株)センチュリーライフ(東京都港区、社長:北村嘉孝氏)は10日、千葉県での初の供給となる有料老人ホーム「センチュリーポート西千葉」(千葉市中央区、以下「西千葉」)のマスコミ向けの見学会を開催した。「センチュリーシティ」のブランドで展開してきた同社の有料老人ホーム事業において、新ブランドである「センチュリーポート」の第1号物件である「西千葉」の様子をレポートする。

「センチュリーポート西千葉」外観。従前建物もタイル張りだったので、それを生かしているとのこと
「センチュリーポート西千葉」外観。従前建物もタイル張りだったので、それを生かしているとのこと
周囲は低層の住宅が並ぶ閑静な住宅街。写真赤丸は、千葉市のターミナル駅である「千葉」駅のあたり。その距離約1kmと非常に交通至便な地でもある。最寄り駅「西千葉」駅までは徒歩6分
周囲は低層の住宅が並ぶ閑静な住宅街。写真赤丸は、千葉市のターミナル駅である「千葉」駅のあたり。その距離約1kmと非常に交通至便な地でもある。最寄り駅「西千葉」駅までは徒歩6分
居室部分。もともとのワンルームの部屋を生かしたつくりとなっている
居室部分。もともとのワンルームの部屋を生かしたつくりとなっている
各部屋にはなかったトイレを設置、洗面所も車椅子対応のものへ変更した
各部屋にはなかったトイレを設置、洗面所も車椅子対応のものへ変更した
6階の機能訓練室兼多目的室
6階の機能訓練室兼多目的室
非常用飲料水生成システム「WELLUP」も設置している。非常時には1日15tの飲料水生成が可能。同施設入居者のみならず、4
非常用飲料水生成システム「WELLUP」も設置している。非常時には1日15tの飲料水生成が可能。同施設入居者のみならず、4

●同社初のコンバージョンによる供給

 「西千葉」はJR総武線「西千葉」駅徒歩6分、低層住宅が建ち並ぶ閑静な住宅街に所在する。文教地区ということもあり、環境は非常に良好だ。「もともとはある企業の独身寮(1991年竣工)として使用されていたものを、当社が土地・建物とも買い取って、改修工事を施したものです。改修費用・事業化までの期間とも土地から仕入れをするのと比べて大幅に圧縮することができました」(センチュリーライフ営業部取締役部長・野本 久氏)の言葉どおり、総事業費約10億円、6ヵ月の工期で竣工にこぎつけた。
 また「西千葉」は、これまで同社が手がけてきた「センチュリーシティ大宮公園」「センチュリーシティ北浦和」と比べて入居費用が廉価なのが特徴。センチュリーシティシリーズは、いずれも入居一時金が1,000万円台~3,000万円台なのに対し、「西千葉」は600万円と非常にリーズナブルな設定となっている。

●もとの建物を生かしつつ、必要な改修を実施

 「西千葉」は6階建て。1階はエントランスやリビングダイニングなど、6階はルーフバルコニーや機能訓練室兼多目的室などが設置された共用専用フロアとなっており、2階~4階が入居者の居室部分(個室フロア)となっている。居室面積は14.8平方メートル、部屋数は全64室で、いずれもほぼ同じつくりだ。「独身寮が全室ワンルームだったので、基本的に部屋はそのままのつくりを生かしてあります。ただし、各室へのトイレの設置、車椅子対応の洗面所の導入は実施しました。もちろんですが、内装はすべて新調しました」(同氏)。
 共用部についても、もとの建物を生かす所は生かし、変更すべきところは変更するというスタンスだ。例えば駐車場。以前は機械式駐車場であったものは、機械を撤去し、駐車場兼フリースペースに変更した。「有料老人ホームの場合、寮とは違って車の所有率・使用頻度が非常に低いので、平置きの駐車場に変更し、駐車車両がない時には多目的に使用できるようにしました」(同氏)。また浴室についても、以前は大浴室1つの設置であったが、改修後は自立した方向けの一般浴室のほか、車椅子の方向けの機械式浴室も設置。さらに脱衣所・床暖房などが新設された。他にも以前は6階部分にもあった個室部分はすべてなくして、機能訓練室兼多目的室に変更。リハビリスペースとして活用できるようにした。

●今後10年で30棟の供給を目標に

 先月のモデルルームオープン以来、問い合わせはすでに約180件というから上々の反響と言えよう。また10日現在、申し込みはすでに5件にのぼるという。「高齢者施設では、通常のマンションと違い『販売即満室』ということがないので、現在の反響状況は極めて順調な滑り出しと捉えている。開業予定は6月2日なので、6月中に20件くらいの契約が目標」(同氏)とのこと。
 同社では今後も有料老人ホーム事業を積極的に展開していく予定で、それに際しては「センチュリーシティ」、そして入居一時金が比較的廉価な「センチュリーポート」のほかに、さらにグレードの高いブランドでの供給も検討中という。野本氏は「例えば東京都世田谷のようなエリアで供給することを考えると、さらなるハイグレードなニーズが高いはず。地域特性、エリアニーズなどを勘案しながら、供給手法についても、土地仕入れから入るものもあれば、今回のようにコンバージョンによるなど、一つひとつ見極めながら事業化していきたい」と語った。(NO)

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