記者の目

「東京ステーションシティ」が始動

超高層ツインタワービルが完成

 「東京」駅八重洲口の超高層ツインタワービル「GranTokyo North Tower(グラントウキョウノースタワー・I期)」と「GranTokyo South Tower(グラントウキョウサウスタワー)」が11月2日、完成した。  八重洲駅前広場を挟んでそびえ立つ両タワーの存在感は絶大。ハイグレード仕様のオフィスや、壁面にミラーをランダムにあしらった活気ある商業施設、リニューアルオープンした「大丸東京店」等が入居した両タワーの登場により、「東京」駅八重洲口は国際都市東京の「新しい顔」としてスタートを切る。その内覧会の様子をレポートしたい。

「ノースタワー」外観。ガラスの性質を駆使し、光の輝きと陰影を醸し出している
「ノースタワー」外観。ガラスの性質を駆使し、光の輝きと陰影を醸し出している
丸の内側から見た夜のツインタワー。ライトアップされた外観はひときわ目立つ
丸の内側から見た夜のツインタワー。ライトアップされた外観はひときわ目立つ
木のぬくもりに包まれた2層吹き抜けのスカイロビー
木のぬくもりに包まれた2層吹き抜けのスカイロビー
最上階から眺める東京の景色は、仕事の疲れを癒してくれる
最上階から眺める東京の景色は、仕事の疲れを癒してくれる
オフィスではあまり目にすることのない、室内に設けられた螺旋階段
オフィスではあまり目にすることのない、室内に設けられた螺旋階段
子供の目線に合わせてつくられた流し台やお手洗い。母親は安心して仕事に打ち込める
子供の目線に合わせてつくられた流し台やお手洗い。母親は安心して仕事に打ち込める
3台の可動式スクリーンパネル。前後に移動できるため、さまざまな演出が可能
3台の可動式スクリーンパネル。前後に移動できるため、さまざまな演出が可能

高透過ガラスを用いたクリスタルデザイン

 同ビルは、東日本旅客鉄道(株)、三井不動産(株)、鹿島八重洲開発(株)、新日本石油(株)が共同で進めているプロジェクト「東京駅八重洲口開発事業」の一つ。今回のツインタワーの完成で、プロジェクトの第一ステージが完了する。
 
 街区全体が「Tokyo Station City(東京ステーションシティ)」と名付けられており、八重洲駅前広場を挟んで、南棟に「グラントウキョウサウスタワー」、北棟に「グラントウキョウノースタワー」を建設、中央部にツインタワーを結ぶ歩行者デッキと大屋根「GranRoof(グランルーフ)」が設けられる。
 両タワーは、南北両棟でディテールを統一。世界的な建築家ヘルムート・ヤーン氏をデザイン・アーキテクトに迎え、「光の塔」をコンセプトに高透過ガラスを用いたクリスタルデザインを採用。ガラスの持つ究極の美しさと機能性をフルに発揮することで、プロジェクトのコンセプトである「先進性」と「先端性」を表現している。

 昼間の美しさだけでなく、夜間のライティングされた外観も見逃せない。
 建物頂部には「ライト・ビーコン」と呼ばれる投光照明とLED照明が組み込まれており、夜間にはツインタワーの連動した光の演出が楽しめる。クリスマスやお正月などのイベント時には、特別な演出を施すそうなので、家族連れ、カップル等に人気のスポットとなるのではないだろうか。

低層部に百貨店、高層部に開放感あふれるオフィス

 今回の内覧会では、「ノースタワー」17階のスカイロビーや、42階の屋上デッキ、「サウスタワー」地下1階の商業施設「GranAge(グランアージュ)」、(株)リクルートが入居するスペースのオフィスフロアや社内託児所等が公開された。

 「ノースタワー」は、地上43階地下4階建て、延床面積21万2,000平方メートル(グランルーフ等中央部含む)。B1階~13階は「大丸東京店」が入居、17階~42階はオフィスフロアとなっている。

 1階からシャトルエレベーターで直通の17階「スカイロビー」は、木のぬくもりに包まれた天井高9.4mの大空間で、開放感にあふれている。複数テナントの専用受付、接客スペース、ホール等の多目的な利用が可能。セキュリティゲートを設置し、高いセキュリティ性能も確保している。シャトルエレベーターにより、低層部にオープンする「大丸東京店」来店者とオフィス利用者の動線を分離。オフィス利用者の利便性を向上させている。

 38階のオフィスフロアは、1フロア約2,680平方メートル、奥行18mの無柱スペースとし、オフィスビルとしては画期的な天井高2,950mmの大空間を、全ての基準階において実現。エアフローウィンドウを採用することで、さらに快適で開放的なオフィス空間を創り出している。

 オフィス最上階の42階は、BNPパリバ・グループ専用の特別フロア。外気に触れることのできる高さ16mのガラスに囲まれたバルコニー付きフロアの開放感は格別で、ここから見た東京の景色は圧巻。ノースタワーの特等席と呼ばれているのも納得できる。

商業施設やショールームを備えた、バラエティ豊かなオフィスビル

 「サウスタワー」は、地上42階地下4階建て、延床面積約14万平方メートル。B1階~2階は6日にオープンした商業施設「GranAge/グランアージュ」とBMWショールーム、5階~41階はオフィスで構成されている。

 2階メインロビーからリクルート受付のある23階まではシャトルエレベーターで直結しており、そこからは高層エレベーターで各オフィスへと移動する。

 リクルートが入居する39階のオフィス基準階は、最新の設備と設計思想を導入した、広々とした開放感のあるオフィス空間。応接室・会議室などに利用されるガラス張りの小部屋が設置され、オープンなオフィス環境をつくり出している。
 ひときわ目立ったのは、室内に設けられた螺旋階段。「コミュニケーションの活性化が目的で、設計段階でぜひとも採り入れて欲しいと希望した」(リクルート広報)とのこと。
 通常、オフィス間を行き来するためには、セキュリティゲートを通過してエレベーターで移動しなくてはならないが、階段を利用すればその手間がかからない。ちょっとした相談事や確認事項がある時など、お目当ての相手のところへすぐに移動できるというわけだ。フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションをとることで、人間関係は良くなり、仕事も効率的かつスムーズに進めることができるのではないだろうか。

 M2階は、同社専用の託児所が設けられている。子供の目線に合わせてつくられた流し台やお手洗い、シャワー室など、子供への配慮がうかがえる。
託児所の設置は、女性従業員が60%を占めるという同社の子育て支援強化策の一つ。こうした施設が社内に備わっていれば、母親は安心して仕事に取り組めるに違いない。

 1階には、ビー・エム・ダブリュー(株)のショールーム「BMW Group Studio」がオープン。3台の可動式プラズマディスプレイのスクリーンパネルを採用、高さ2.1m、幅3.7mのパネルは迫力満点だ。スクリーンパネルは、ショーウィンドウぎりぎりの位置まで移動させることが可能なため、ショーウィンドウがディスプレイ大画面となって、まち行く人々の目を惹き付ける。

 地下1階~地上2階には、JR東日本グループの(株)鉄道会館が運営する商業施設「グランアージュ」を展開。飲食・コンビニエンスストア・歯科・リラクゼーションサービス等、既存15店に新規7店が加わった計22店が出店している。
 とくに飲食店には力を入れており、最高級銘柄豚「上州とことん」が味わえる豚肉料理専門店「とんとことん」、皮から自家製の餃子が自慢の老舗店「餃子舗 珉珉」など、同地域のオフィスワーカーをターゲットに“本物の食”を提供できる専門店を取り揃えている。会社からの帰りにぜひ立ち寄ってみたい。

進化し続ける東京駅

 1914年、近代化の象徴・赤レンガ駅舎が「東京停車場」として誕生、その後、関東大震災に耐え、戦災復興を経て進化を遂げてきた東京駅。
 今回、東京ステーションシティの一角をなすツインタワーが完成したことにより、東京駅は「東京の新しい顔」にふさわしい姿へと進化した。
 これから、東京ステーションシティの開発は第二ステージに突入。2012年に「ノースタワーII期(低層部)」、2013年に歩行者デッキ・グランルーフが完成する予定だ。ますます進化し続ける東京駅から目が離せない。(I)

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