

野村不動産(株)は、三井不動産レジデンシャル(株)、積水ハウス(株)、阪急不動産(株)とともに組合員として参画してきた複合再開発「Tomihisa Cross(トミヒサクロス)」(東京都新宿区)内の分譲マンション「Comfort Tower(コンフォートタワー)」(販売戸数992戸)を、7日から発売する。
「トミヒサクロス」は、東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前」駅徒歩5分圏に広がる、約2.5haに及ぶ再開発。バブル期の無秩序な土地の売買と、バブル崩壊により空き地が点在する「虫食い」状態となり、治安も悪化したため、1990年から地元住民が再開発に向けた勉強会を開始。早稲田大学関係者の協力も得て、住民主導の「まちづくり組合」を結成。2002年、「都市再生緊急整備地域」に指定されたことで、容積率アップと高さ制限の緩和を受け、09年の再開発組合設立を経て、20年かけて着工にこぎつけた。
幅員の狭い道路により細分化され、木造住宅が密集したエリア内の道路を廃道し、外周道路を拡幅。エリア内には、鉄筋コンクリート造一部鉄骨造地上55階地下2階建て、山手線環内で最高層となる地上180mの「コンフォートタワー」、7階建ての賃貸住宅、大型スーパー・認可こども園、商業店舗、防災倉庫、その屋上に配置されるペントハウス(地権者住戸)を建設。周辺住民とのコミュニケーションの場となる、約800平方メートルの大広場を設置する。住宅の総数は、約1,230戸。
「コンフォートタワー」は、デュアル制震構造を採用。72時間稼働の非常用発電設備や3日間の非常食を備えた大型備蓄倉庫を備えるほか、早稲田大学名誉教授の尾島俊雄氏が監修した災害時の生活継続と日常生活への早期復帰プログラムも策定する等、防災面に配慮した。また、13年2月からウェブアンケートや座談会を通じユーザーの声を10万件以上集め、そのうち1,000のアイディアを共用空間やサービスに反映させ「イゴゴチの良い空間」を目指している。
住戸は、1LDK~3LDK、専有面積36~120平方メートル。49階以上を水回りも含めたフルオーダーメイド対応としたほか、27階以上に間取りの一部範囲を自由に可変できる「ゾーンオーダーメイド」を初採用した。また、多世代近居・同居ニーズに応えるため、46階以上の住戸で2住戸連結にも対応する。オーダーメイドへの対応は、施工が進む10月~11月末までとなるが、最大で600戸程度まで可能。
7月からプレセールスを開始。これまでに資料請求は1万件を突破、モデルルームへの事前来場者数も3500組を超えた。好反響を得ていることから、1期販売戸数は今年分譲された首都圏マンションでは最大となる400戸台後半を予定。販売予定価格は、7,000万円台中心。坪単価は約330万円。
5日会見した、野村不動産執行役員プロジェクト開発部・プロジェクト事業推進部担当の松崎雅嗣氏は「利便性の高い立地、“イゴゴチの良い”空間、防災対策に加え、2世帯居住ニーズ等にも応えた。後世に残るまちづくりとして、地域の発展に応えたい」等と語った。