ニッセイ基礎研究所は、東京のオフィス市場動向を発表した。
これによると東京23区の「空室率」は、2001年3月に3.6%まで低下した後、2期連続で上昇。オフィス賃料が低下したことにより、潜在化していたオフィス需要が喚起、コンピューターソフト会社や通信系企業のオフィス需要が堅調で、空室率は依然として非常に低い水準にある。
「オフィス市場規模」は、2000年12月の全国のオフィス貸室総面積約5,600万平方メートルのうち、東京23区は2,850万平方メートルと5割を占め、賃料と稼働率を加味した市場規模では全国の6割を占める。
「オフィス需要」では、東京圏のオフィスワーカーのうち専門的・技術的に従事するワーカー数は10年間に60万人増加の288万人で、増加率は26.1%となった。これは全国平均の20.1%、近畿圏の13.3%、名古屋圏の15.8%を大きく上回る結果となった。
同研究所では、東京においてオフィスビルの大量供給が予定されている2003年を控え、オフィス市況の悪化が懸念されているが、全国的にみれば東京市場の一人勝ちという状況にあり、今後不況が深刻化した場合にも、経済活力や雇用機会の大きい東京に需要は一層集中するとみられ、他都市との経済格差が拡大する可能性が大きいとしている。