不動産ニュース / その他

2002/3/1

【編集部取材】三井不動産グループ、大幅機構改革を決定

大幅な再編計画を発表する岩沙社長(中央)
大幅な再編計画を発表する岩沙社長(中央)

 三井不動産(株)は1日、岩沙弘道代表取締役社長、椿原久光専務取締役、三井不動産販売(株)清水隆雄代表取締役社長出席のもと、同日開催の取締役会において決定した同社グループの大幅再編計画を発表した。

 同社では、2002年度を最終年度とする「グループ中期経営計画」の3ヵ年を「新たな成長基盤を確立し方向性を定める期間」と位置づけ、グループ内のシナジー効果を高めた新たな三井不動産グループ創成を計画。その早期確立のに向け本日決定、発表されたのは、(1)同社および主要子会社5社(三井不動産販売、三井ホームおよび連結子会社2社、ららぽーと、港エステート、ガーデンホテルプロパティーズ)を含むグループベースで、事業用土地の土地再評価法による時価評価を実施する、(2)グループ会社の三井不動産販売を株式交換により100%子会社化する、(3)ららぽーとスキードーム・ザウスを9月末で閉館し、ザウス事業から撤退するの3点。

 (1)については、不動産をとりまく環境が大きく変化している現状を鑑み、同社グループの保有資産の有効な入れ替え戦略を機動的に実行するための基盤整備が必要と判断したため、土地再評価法を適用し時価評価を行ない、帳簿価格改定の実施決定に踏み切ったとしている。これによりグループ内の9割以上の土地の再評価されることとなり、含み損が大幅に解消されるとしている。
 (2)の三井不動産販売100%子会社化に関しては、三井不動産との事業領域が重なる部分があり、利益相反等も今後懸念されるため、それぞれの本業、強みに特化するには完全子会社化することが最良であると判断した、としている。株式交換比率は、三井不動産1に対し、三井不動産販売が0.475と決定。今後のスケジュールとしては、5月下旬に契約書を締結、株主総会等を経て、10月1日付けで株式交換を実施する予定。なお、リハウスネットワークについては、従来通り直営店、FC店が併存する形をとる。
 (3)のザウス閉館については、93年のオープン後、4年目以降より年々来場者数が減少、年間20億円程度の営業赤字が続いていたためとしている。なお、9月末の閉館以降については、現在、譲渡も視野に入れつつ具体的処理を検討中とのこと。
 会見の席で岩沙社長は、「今回の大幅な再編計画決定により、新生三井不動産グループの方向性は定まった。具体的な再編はこれからとなるが、早期に新体制を確立し、グループ内のシナジー効果を最大に高めていきたい」とコメントしている。

 また併せて同社は、2002年4月1日付の組織改正および人事異動について発表した。グループ中期経営計画の目標達成に向けた各本部・部門の運営体制の強化および効率化を目的に、ビルディング事業の推進体制の強化およびオフィスマネジメント業務の効率化を図るべく「ビルディング事業部」分割等による「ビルディング本部」の改正や、アウトレットモール「ジャズドリーム長島」(三重県桑名市)のオープンに伴い現地での運営・管理業務を行なう「ジャズドリーム長島事務所」新設等の「商業施設本部」の改正、「住宅事業本部」の改正などが発表された。
 また、4月1日付の役付取締役、役付執行役員の異動および担当業務変更、部門長人事異動も併せて発表されている。

 なお同日、同じくグループ会社である三井ホーム(株)も経営構造改革を発表(「三井ホーム、2002年3月期業績予想を下方修正」参照のこと)している。

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