(株)ニッセイ基礎研究所とアトラクターズ・ラボ(株)(東京都千代田区、代表取締役:沖有人氏)は6日、「東京オフィスの『2010年問題』」についてのレポートを発表した。
これによると、オフィスの「2003年問題」は、オフィス需要が拡大しない状況下において、新築ビルが大量供給されることによるものだが、今後はオフィス需要そのものの減少が大きな問題になると思われる。
アトラクターズ・ラボが5月17日に発表した「労働力人口長期予測」によると、東京23区のオフィスワーカー数は2000年から2010年の10年間で5%の減少が予想されており、最悪のケースで370万平方メートルのオフィス需要が市場から消えるということとなる。これは丸の内ビルディング23棟分にも相当するもの。また特に、2007年~2009年前後には団塊の世代の定年退職による大きな落ち込みも予想されることから、オフィスの「2010年問題」として注意を喚起すべきとしている。
同レポートでは、2005年をピークに日本全体で人口減少時代を迎えることから、市場危機は2010年で終わらないことは明らかとし、都市政策を現在の供給喚起型からストック調整型や需要誘導型へ転換させるべきとまとめている。