不動産ニュース / 政策・制度

2002/6/13

2001年度「工業化住宅に関するCSアンケート調査」結果発表

 経済産業省は10日、工業化住宅について消費者が求めている住宅性能等への期待や実際の満足度を把握し、今後の住宅産業施策を展開するうえでの基礎資料とすることを目的とした、2001年度における「工業化住宅に関するCSアンケート調査」の結果を発表した。

 同調査は、プレハブ住宅メーカーが供給した一戸建住宅のうち1999年10月から12月までに竣工した住宅の中から無作為に抽出した4,000件を対象に実施したもの。今年度においては、前年度同様に住宅建築に際して重視される項目のひとつとして、住宅設備メーカーが供給したシステムキッチンのうち、使用開始より1年程度経過したものの中から無作為に抽出した1,000件のシステムキッチンについても調査を行なった。調査時期は2001年12月、回収率はプレハブ住宅が34.2%(前年度40.4%)、システムキッチンが40.8%(同41.5%)。

【工業化住宅】
 住宅の概要については、平均延べ床面積154平方メートル(前年度同)、平均部屋数6.4部屋(同6.3部屋)で、二階建てが全体の86%(同87%)を占めた。平均購入価格は3,002万円(同2,928万円)と3,000万円を超え、1平方メートル当たり単価では20.0万円(同19.8万円)となった。設備面では、「段差のない床」の採用が全体の92%(同87%)、「24時間換気システム」が32%(同24%)、「太陽光発電」が8%(同2%)とそれぞれ増加しており、消費者の関心の高まりがうかがえる。
 プレハブ住宅購入の動機は、「大手メーカーだから安心」(78%)が最も多く、次いで「優れた品質性能」(73%)となった。住宅の満足度および重視度は、「室内の明るさ、日当たり」「間取り」「通風や換気」といった住まいの心地に関する点や「キッチン、トイレ、浴室の使いやすさ」など水回り設備についての重視度が高く、評価も高くなっている。しかしながら「収納スペース」については、重視度が高いにも関わらず評価が低い結果となっている。
 プレハブ住宅の総合満足度としては、93%の人が「満足」と回答した。またカテゴリー別に回答を見ると、満足意見・不満意見ともに「担当者」「提案設計内容」「アフターサービス」が多くあがっており、個々の担当者の対応の差やバラツキが大きいものと考えられる。
 以上から、住宅メーカーは消費者に対し、計画段階からアフターサービスに至るまで、トータルコンサルティングおよびアドバイスを的確に行なうのに加え、商品の性能や仕様部材等に関する内容の事前説明を十分行なうなど、消費者の納得感を得ることが重要だと思われる。

【システムキッチン】
 システムキッチンの概要については、形態として「I型」が73%(前年度76%)、平均価格は135万円(同130万円)であった。商品の値頃感については、「どちらともいえない」が67%(前年度74%)を占める結果となった。
 購入状況では、「増改築または取替の機会」に購入したとの回答が57%(前年度50%)、「新築または建替の機会」に購入したとの回答が42%(同50%)と、リフォーム時の購入の増加がみられた。購入時に重視した項目は「機器の性能」が一番多く、「アフターサービスの良さ」の重視度は低かった。
 システムキッチンの総合満足度としては、「満足」との回答は82%。個別の評価では、「デザイン」「レイアウト」の評価が高いものの、「アフターサービス」「清掃性」については低い評価となった。また実際に使用したうえでの「使い勝手」「掃除」「収納」といった商品に関する意見が、満足意見・不満意見ともに多くみられた。
 以上から、システムキッチンについては、多様化傾向にある商品ニーズやサービスニーズに対応する商品を開発するとともに、体制面および人的スキルを充実させ、ツールを改善することが重要だと思われる。

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