ミサワエムアールディー(株)は、4大都市圏を中心とした2003年2月の「MISAWA-MRD不動産流通市場調査」の結果を発表した。
これによると、首都圏については、宅地・一戸建てともに引合件数の「増加」がそれぞれ前月比16.2ポイント増・11.3ポイント増と大幅な増加をみせた。一方、中古マンションは購買需要が弱く、引合件数の「減少」回答は減っているものの、「増加」はほとんど増えておらず、市況は停滞しているものと思われる。
中京圏では、需給状態で「売手市場」および「両者ともいる(売手・買手ともにいる)」との答えが増加、2002年7月以来の過半数となった。これに伴い、引合・成約件数も増加傾向となっており、引合においては4ヵ月ぶりの増加傾向となっている。また価格動向では、「下降」が減り、先安感が弛んできている状況。一戸建ても、買手の存在を示す回答が約半数を占めるなど、根強い勾配需要がうかがえ、市況改善の動きが見られる。一方、中古マンションの購買需要は依然低調に推移。需給状態についても買手の存在を示す回答が2割に満たない状況であり、引合件数の減少傾向がわずかに緩む動きが見られたものの、低調な市況となっている。
近畿圏の宅地においては、価格動向については今後の「下降」を示す回答が約6割超で先安感ははあるもの、需給関係では買手の存在を示す回答が過半数を占め、購買需要は根強い。一戸建てでは、今後価格の「下降」が6割超存在しているものの、引合・成約件数ともに「増加」の回答が増えており、とくに引合件数は13.5ポイント増と増加傾向に転じた。中古マンションについては、価格動向で「下降」が67.3%と多く、買手不在を示す回答が過半数を超え、購買需要は依然低迷している。引合件数で「増加」が10.1ポイント増えたものの、依然として減少傾向であり、低調な市況が続いている。
福岡圏では、需給状態ではいくぶん改善状況が見られるものの、購買需要は依然低水準で推移。宅地の引合件数についても目立った改善が見られず、調査対象圏域中唯一の減少傾向となっている。一戸建てでは今後価格の「下降」が増え、先安感が強まる動きがある一方、買手の存在を示す回答は過半数を保っており、購買需要の安定、市況の好調な推移がうかがわれる。中古マンションでは、強い下落傾向が続いており、買手の存在を示す回答も3割に満たず、依然として購買需要は低迷。しかしながら、一部引合件数については「増加」が増えて23.4%を占めており、一部好調な市況も推察される。
全体的には、例年2月は春の需要期に向け購買行動が活発になる時期であることから、宅地・一戸建て市場の大きな改善が見られた。一方、中古マンション市場では、市況がわずかに改善の動きを見せているものの、依然として低調な推移となっている。