不動産ニュース / 調査・統計データ

2003/7/11

三鬼商事、東京・大阪の6月度「オフィスビル最新状況」発表

 三鬼商事(株)は11日、2003年6月度の東京・大阪の「オフィスビル最新状況レポート」を発表した。

【東京】
 東京ビジネス地区(都心5区)の2003年6月末時点の平均空室率は、対前月比0.07ポイント増の8.57%。大規模な自社ビルやオフィスビルの供給の影響が一段落したことにより、1ヵ月間の空室在庫は約5,000坪増加するにとどまった。この半年間に完成した大型オフィスビル(基準階面積100坪以上)は29棟、延床面積約50万3,000坪と、今年予定している新規供給量の8割以上がすでに供給されているため、今後、年内に竣工が予定されているのは20棟、延床面積は約12万2,000坪にとどまる予定。また、汐留・品川駅東口地区の本社移転による影響がほぼ出そろっており、前月からの大型ビル平均空室率の急上昇に歯止めがかかった状態となった。
 中型オフィスビル(基準階面積100坪未満50坪以上)の平均空室率は、対前月比1.01ポイント増の8.45%。大企業の本社移転に伴って支店や分室が集約されたことが大きな要因となっており、その動きが活発であった千代田区・中央区・港区で上昇傾向が強く、8~9%台での推移を見せている。一方、新宿区や渋谷区では同空室率は6%台をほぼ横ばいで推移している。また小型オフィスビル(基準階面積50坪未満)の平均空室率は、対前月比0.12ポイント増の7.48%。前年からの大型供給の影響はほとんど見られず、空室率の上昇は緩やかとなり、特に影響の少なかった渋谷区では4%台半ばで推移している。

【大阪】
 大阪ビジネス地区の2003年6月末時点の平均空室率は、対前月比0.13ポイント増の11.01%。6月は淀屋橋・本町地区で大型募集が開始されたほか、船場地区では新規供給に向けた解約予告が出てきている。新大阪地区ではリストラに伴う館内縮小や撤退などの動きも出ており、大阪ビジネス地区全体の空室在庫は約2,400坪増加。このような状況下で、梅田地区では築年数の浅い大型ビルに需要が見られた。また、南森町地区では空室在庫の減少が徐々に進み大阪ビジネス区で最も低い地区となったが、他地区の空室率は依然として高水準で推移しており、エリア格差が広がっている。
 なお、船場地区の6月末時点の平均空室率は対前月比0.90ポイント上昇し、14.54%となった。同地区では、テナント企業の縮小や撤退が続いたため、大阪ビジネス区の中でも空室率は高水準で推移している。新規供給量は多くないものの、年に1~2棟が継続的に供給。3月に竣工した「ベネトン心斎橋(延床面積1,644坪)」が高稼働しているように、店舗需要はおう盛だが、オフィス需要は依然低迷している。

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