明和地所(株)が東京都国立市に建設した高層マンションの「高さ」により景観が壊されたとして、周辺住民が同社に対し高層部分の撤去などを求めていた訴訟の上告審で、最高裁は30日、この請求を棄却した。これにより、住民側の敗訴が確定。01年3月以来争われてきた「国立マンション問題」は、6年の歳月を経て決着をみた。
同問題は、2000年、国立市が「高さ20メートル以下」と定めた建築条例を施行すると同時に、地元住民が東京地裁に「高さ20メートル以上を超える部分の撤去」を求め建築差し止め仮処分を申請。同年6月、仮処分は却下。東京高裁への抗告も同年12月却下された後、住民側が訴訟を起こした。02年12月の1審判決では、住民側の訴えを認め、明和地所側に高さ20メートルを超える部分の撤去を命じた。しかし、04年10月の2審ではこの請求を棄却していた。
また今回、最高裁は「居住者が景観の恩恵を受ける利益は法的保護に値する」との判断を下した。
なお、この判決に対して明和地所は「判決は、当該事業を開始した当初より法律を遵守し進めてきた当社の姿勢と主張が認められたものであります」とコメントしている。