不動産ニュース / 調査・統計データ

2007/5/1

常磐線と比較し、「TX」沿線エリアのマンション市場将来性は期待大/トータルブレイン

 分譲マンション事業の総合コンサルティングを手掛ける(株)トータルブレイン(東京都港区、代表取締役社長:久光龍彦氏)は1日、「並行路線沿線市場シリーズ 第4回 JR常磐線&つくばエクスプレス(TX)」と題したレポートを作成した。都心から一定距離を空けて並行して茨城方面を結ぶ両線のマンション市場の相違点と共通点、現況と今後の市場見通しなどについて考察したもの。

 両線の1995年~2005年の新規分譲マンション市場を見ると、常磐線は平均年間供給量は1,782戸、平均価格3,320万円、平均専有面積 73.58平方メートル、平均坪単価151万円、初月成約率は74.6%だった。これに対し、TXは平均年間供給戸数が開通から時間が経っていないことや沿線開発が進んでいないこともあり696戸と少なかった。平均価格は 3,361万円、平均専有面積71.39平方メートル、平均坪単価158万円、初月成約率73.0%と、他はほぼ似通った結果となった。

 ただし、茨城県内の市場についてみると、平均価格が常磐線2,409万円に対し、TXは3,138万円、平均坪単価が常磐線109万円に対し、TXは128万円。初月契約率も常磐線の55.9%に対し、TXは76.3%と高かった。これは、TXが「守谷」「つくば」の2駅が市場を牽引しているのに対し、常磐線がTX開通のあおりで市場が沈滞化しているためで、今後の価格予想でも常磐線茨城エリアは「5~10%の下落」と予想しているのに対し、TX茨城エリアでは「10%程度の上昇」と予想している。こうしたことから、沿線全体の価格上昇率も、常磐線が13~14%となるのに対し、TXが17~18%と逆転すると予測している。

 これら市場動向を分析した結果、同社は常磐線沿線については「沿線開発がほぼ完成された街で、エリア内のマーケットも確立され、これ以上大きな変化が望めない」とする一方、TX沿線については「開発のスピードが驚くほど早く、これから数年の変化が楽しみ。現在は、常磐線沿線と市場相場は互角だが、今後はTXが上昇していくことは容易に予想できる」とした。ただし、「各ディベロッパーは、茨城県内で相当大量のマンション用地を仕込んでおり、もともと大きなマーケットではないこのエリアで需給バランスを無視した供給が行なわれれば、市場がガタガタになる事も懸念される」と警鐘を鳴らしている。

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