学校法人芝浦工業大学、(株)新日鉄都市開発、日本土地建物(株)、阪急インベストメント・パートナーズ(株)、戸田建設(株)による、港区芝浦三丁目「芝浦工業大学旧芝浦キャンパス跡地再開発プロジェクト」(東京都港区芝浦3丁目)が本格着工した。5日、関係者による記者会見が開かれ、具体的な開発計画が発表された。
同プロジェクトは、2006年芝浦工業大学が江東区豊洲キャンパスへ移転したことにともない計画されたもの。開発面積は7,565.41平方メートル、延床面積は4万5,418.52平方メートル。A街区の大学棟(地上9階地下1階建て)、B街区のオフィス棟(地上19階地下2階建て)、C街区のホテル棟(地上11階建て)からなる、3業態、産学連携による日本初の再開発プロジェクト。
プロジェクト具体化にあたっては、大学と民間事業パートナーにより組織された「芝浦キャンパスまちづくり協議会」が、“歴史の伝承と新しい知の創造”という開発コンセプトに基づく「まちづくりガイドライン」を策定。環境・景観・防災の3つをポイントにプロジェクトを推進していく。芝浦地区の特徴である運河と一体となった、水辺環境を活かした緑豊かな潤いのある都市環境を創出。屋上緑化や多様な樹木が植栽される。また、壁面位置をそろえ、B街区とC街区に運河へと続く空地を作るなど、ゆるやかな統一感を持たせ、全体として一体感のある都市景観を演出する。また、災害時には各棟それぞれ避難所を提供するなど、地域貢献機能を備える。
また、3業態がそれぞれ持つ機能を有機的に連携させることで、学生・入居企業・宿泊客などに相互にメリットを提供し、サービスを充実させることを予定。具体的な連携サービスとしては、各棟で空きスペースを有効活用する空きスペース連携制度、大学棟の芝浦工業大学の学生とオフィス棟の入居企業をつなぐインターンシップ制度、大学、オフィスの各利用者に向けたホテルパックの開発などを考えている。
事業本格着工にともなってネーミングを「芝浦RENASITE(ルネサイト)」に決定。「RENASITE(ルネサイト)」とは、英語で“芸術・学問の再生”などの意味をもつ「RENAISSANCE」と、“位置・場所・敷地”などを意味する「SITE」を組み合わせた造語。研究や教育を通じて日本の工学技術と芝浦のまちの発展に寄与した芝浦工業大学の歴史・伝統を活かしつつ、新たに様々な人・企業が交流し、3街区が連携することによって新しい価値が生み出されるようにという願いが込められている。
芝浦工業大学理事長・長友隆男氏は「この地は、約80年間わたり本校が所在した思い出の場所。ここから、連携サービスなどを利用して産学連携に深く踏み込み、新しいまちで多くの人が交流することにより新たな知能創造を行ない、21世紀の社会へ寄与していきたい」などと語った。
大学棟、オフィス棟は09年3月竣工、ホテル棟は08年9月竣工、10月オープン予定。09年4月にまち開きが行なわれる予定。