(株)ウィルは4日、同日開催の臨時取締役会において、現在進行中の開発分譲プロジェクトのうち、他社不動産ディベロッパーとの共同開発プロジェクトから撤退、同社が有する事業シェアを売却すると発表した。
同社は、2006年の早い段階からマンション用地の仕入れを中断、主力事業を戸建開発に移行する方針を打ち出し、現在販売中の新築マンションの早期完売、戸建開発中心への早期シフトをめざしてきた。しかし、販売が想定期間以上に長引いたため、財務面の影響に加え、今後に控える戸建開発2物件(計176戸)の販売計画にも支障をきたすと判断し、撤退を決断するに至ったもの。
対象物件は、「ブランズ須磨鷹取リヴェール」(神戸市須磨区、総戸数84戸、同社シェア持分40%)、「ブランズ苦楽園リヴェール」(兵庫県西宮市、総戸数54戸、同社シェア持分、土地45%・建物44%)。両物件とも、東急不動産(株)との共同事業協定書を締結している。
前者については、6月30日現在で未契約の残戸数14戸につき、7月10日をもって東急不動産との売買契約を締結、全戸の同社シェア分を売却することとなった。後者についても、東急不動産に全54戸の同社シェア分を売却する方向で交渉中。
同社は今回の撤退により、財務面の負担軽減、販売長期化リスクの軽減を図ることで、売却に伴う一時的な損失以上に将来におけるメリットを享受できるものと考えている。
併せて、2008年12月期中間業績予想を下方修正した。
連結業績予想は、売上高17億4,835万8,000円(増減額▲10億5,694万1,000円)、営業損失1億4,884万2,000円(同▲1億9,274万6,000円)、経常損失1億6,731万4,000円(同▲1億6,586万6,000円)、当期純損失9,871万5,000円(同▲9,793万3,000円)。
個別業績予想は、売上高13億6,181万4,000円(同▲10億3,577万6,000円)、営業損失1億2,961万6,000円(同▲1億3,710万6,000円)、経常損失1億2,043万1,000円(同▲9,022万7,000円)、当期純損失7,105万4,000円(同▲5,474万5,000円)。
いずれも、当期中の顧客への引渡し、販売等の遅れにより、期初に想定していた売上計画を下回る見通しとなったため、今回の修正に至ったもの。