(株)竹中工務店は、創立110周年記念事業の一つとして建設を進めていた「新耐火実験棟」を、このほど竹中技術研究所内(千葉県印西市)に完成させた。
同施設は、30MN(メガニュートン、1MN=約100t)の載荷能力と、最大8時間の加熱が可能な耐火実験装置を備えた、日本最大の規模と能力を有する耐火実験棟。「耐火性能設計」の適用のいっそうの推進と高強度部材等の開発に役立てることを目的としたもの。
「耐火性能設計」とは、室内のすべての可燃物が燃え尽きるまでの時間(火災継続時間)を計算し、それに耐えることができる耐火性能(保有耐火時間)を持った柱・梁などを選定する設計法。
同設計は、実験による検証作業が必須となるが、同実験棟では実物大レベルで耐火性能を評価するため、より高精度な性能確認ができる。
そのほか、高強度部材の開発では、火炎にさらされると熱によって表面が爆裂し、荷重の負担能力が著しく低下できる「高強度コンクリート」の性能確認を進めていく。
今後は、12月まで耐火炉を試験稼働させた後、2010年より本格的に稼働を開始する予定。