

日本大学理工学部まちづくり工学科は6月29日、同大学駿河台キャンパス(東京都千代田区)にて、「新たな“まちづくり”を考える」と題したシンポジウムを開催した。2013年4月に「まちづくり工学科」が新設されたことを記念して実施したもの。
開会に当たり、同学科長の横内憲久氏は「まちづくりの研究分野は社会、経済、法律、文化と多岐にわたる。それゆえ切り口を明確にしておく必要がある。同学科は理工学部に属しているので、学生たちにはまず、まちを構成する建築物のあり方をしっかりと理解させた上で、そこにどのような生活を展開させていけば、よりよいまちづくりになるのか、また、どうしたら持続可能なまちづくりができるのかを研究するための場にするのが本学科の課題であり使命であると考えている。」と挨拶。
シンポジウムでは、埼玉県知事の上田清司氏が「埼玉県のまちづくり」と題し、埼玉県の取り組みについて紹介。まちづくりには自助、公助、共助が大事であると述べた。続いて内閣総理大臣補佐官で前・内閣官房地域活性化統合事務局長の和泉洋人氏が「新たな“まちづくり”の方向性」をテーマに高齢化や土地の地価や住宅など日本のまちを構成する10の問題点を挙げ、それらの解決方策などについて解説した。
季刊まちづくり編集長の八甫谷邦明氏による「雑誌編集者からみたまちづくり」、東京工業大学名誉教授の中村良夫氏による「ニハ(庭)としての都市―まちニハからのまちづくり―」の講演も行なわれた。