「国土強靭化施策とLPガスの未来」シンポジウム実行委員会は5日、イイノホール(東京都千代田区)にて、「政府が推進する国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)施策とLPガスの未来」と題しシンポジウムを開催した。
冒頭、同シンポジウム実行委員会委員長で、東京工業大学ソリューション研究機構特任教授の金谷年展氏は、「国土強靭化というと道路を作るなどのコンクリートの公共事業と取られがちであるが、国家のリスクマネジメントであり、本当の意味での国づくり、産業づくり、人づくりのための戦略的な公共投資のことである。今回は、災害時に非常に強さを発揮し、今後の国土強靭化のエネルギーシステムにおいても重要なカギを握るであろうLPガスの動向について議論をしていきたい」と挨拶。
国土強靭化担当大臣の古屋圭司氏が「国土強靭化施策で、これからの産業、エネルギーはどう変わるか」というテーマで基調講演を実施。続いて、金谷氏をコーディネーターに、古屋氏のほかレモンガス(株)代表取締役会長の赤津一二氏、東京工業大学特命教授の柏木孝夫氏など5名をパネラーにパネルディスカッションを開催。震災時に軒下在庫のLPガスを活用した事例を紹介。リスクの分散化という面からもLPガスの常用が必要となってくるとしながらも、高コストであるなどの課題についての指摘がなされた。また、今後住宅づくり、まちづくりの際にも、エネルギーについては大きな課題となってくるが、ユーザー視点に立って、関連業界が協力し合い、あるべきソリューションは何かを考えることが必要である、などの意見が挙がった。