不動産ニュース / 調査・統計データ

2014/6/2

名前を知らなくても顔を知っている“匿名コミュニティ”が防犯に有効/旭化成ホームズ調査

 旭化成ホームズ(株)は5月30日、単身居住者の防犯意識に関する調査報告書「ひとり暮らしの安全・安心~匿名コミュニティによる低層賃貸住宅の防犯~」を発表した。
 侵入窃盗被害リスクが比較的高いといわれる低層賃貸住宅について、特に女性単身居住者の防犯意識を把握して防犯設計の向上・促進に役立てるための調査をまとめたもの。女性専用防犯賃貸住宅「ヘーベルメゾン サフォレ」や一般賃貸住宅の単身入居者男女への個別インタビューや、サフォレ、一般賃貸住宅、分譲マンション、シェアハウスの単身入居者の女性へのグループインタビュー、アンケート調査などを通じて調査。調査期間は2010~13年。

 女性専用賃貸住宅への評価については、女性専用住宅居住者は、フロア内で男女混合で暮らすことに半数超が抵抗感を示し、隣人が女性であってほしいというニーズは9割以上。 それに対し、一般賃貸の女性居住者は男女混合フロアに対する抵抗感が1~2割と低く、逆に1棟全体女性専用の運営に対する抵抗感は3~5割と高くなることが分かった。

 住まいの安全・安心の評価、防犯設備に関しては、多くの人が防犯設備で犯罪を防ぐことはできないと考えており、特にストーカーのような特定の意志を持った接近については、約7割の女性がオートロックやホームセキュリティでは防げないと回答。また、防犯設備の効果については、例えば、ホームセキュリティの一般的な契約内容における通報後の到着時間が「25分以内」ということを認識している人は2割程度しかいないなど、誤解が多いことも判明した。

 賃貸住宅の居住者同士がどのような関わり合いを希望しているかという「コミュニティに対する志向性」については、シェアハウスのように共用部で居住者同士の会話(対面コミュニティ)を志向する人は男女ともに2割程度という結果に。
 残りの8割については居住者間の関係を否定しているわけではなく、「名前は知らなくても顔がわかる人がいるとなんとなく安心」と考える人が女性では5割近く、男性でも4割超存在した(匿名コミュニティ志向)。
 上記以外をNONコミュニティ志向として、その差を分析したところ、「顔を知っていれば何かあった時に助け合える」と考える人は、対面志向・匿名志向層の女性では9割前後に上るのに対し、NONコミュニティ志向女性では2割弱と大きく異なる傾向が見られた。

 なお、同社では1日、この調査結果をもとに匿名コミュニティを形成することで安心感を高めた防犯強化賃貸住宅リニューアル新商品「ヘーベルメゾンNew Safole(ニューサフォレ)」を販売開始している。詳細は、リンク先のニュース参照。

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