不動産ニュース / ハウジング

2014/6/2

単身女性ターゲットにした防犯強化賃貸住宅をリニューアル/旭化成ホームズ

「New Safole」プロトタイプ外観イメージ
「New Safole」プロトタイプ外観イメージ
「おかえりラウンジ」。入居者同士の気配・温かみや匿名の緩やかなつながりが感じられる空間として設置
「おかえりラウンジ」。入居者同士の気配・温かみや匿名の緩やかなつながりが感じられる空間として設置
「匿名コミュニティは大災害時に力を発揮することも期待できる」などと解説する山本教授
「匿名コミュニティは大災害時に力を発揮することも期待できる」などと解説する山本教授

 旭化成ホームズ(株)は1日、都市で働く単身女性をターゲットにした防犯強化賃貸住宅「ヘーベルメゾンSafole(サフォレ)」をリニューアルした新商品「ヘーベルメゾンNew Safole(ニューサフォレ)」を首都圏エリアで販売開始した。

 同社「くらしノベーション研究所」が実施した単身居住者の防犯意識に関する調査によると、20歳代後半~40歳代の単身女性の多くが、「名前は知らないが顔はわかる」程度の入居者同士の緩やかなつながり(匿名コミュニティと命名)を持つことに安心を感じることが分かった。今回の新商品では、その入居者の“匿名のコミュニティ”を形成することで、見守りによる安心感を高めた設計を採用した。

 従来から行なっている周辺環境の安全性調査などに加え、本などのシェアやメッセージボードの活用などを通して入居者の雰囲気を感じ合える共有空間「おかえりラウンジ」をエントランスに設置。清掃などの管理サービスも併せて外部から不審者が入りにくい環境を整え、見守りによる防犯の強化にもつなげる。

 また、入居者を女性に限定し、入居申込時の「マナー同意書」(挨拶やマナーの重視、緊急時の助け合いなど)へのサインを条件とすることで、より安心感を高め、緊急時の通報など助け合い行動も促進する。

 各住戸の間取りについては、都市で働く単身女性のニーズを捉えた1K~1LDKの間取りを提案。防犯とプライバシーへの配慮から1階住戸の窓は電動シャッターを標準装備とし、さらに室内物干し金物と浴室乾燥機も全戸標準装備とした。建具で仕切ることのできるベッドルームや、調理スペース、パソコンデスクなど多目的に使えるリビングカウンターなど、従来のサフォレで入居者に好評だった仕様は今回も継続して採用している。

 なお、立地に関しては、同商品に相応しい立地だけに限定。オーナーへ提案した上で30年一括借上げを適用する。建設費は3階建て11戸、敷地面積299.24平方メートル(90.5坪)、延床面積475.31平方メートル(143.7坪)のプロトタイプで坪単価約70万円。今年度の目標棟数は10棟。

 5月30日に実施した記者説明会で、コメンテーターとして出席した明治大学理工学部建築学科教授の山本俊哉氏は、「安全で安心な居住空間の実現に向けて」をテーマに、「安全はデータに基づく客観的測定が可能な対策、安心は主観的判断に依存する信頼感との相関関係が強いもの」などと安全と安心の基本的な違いを説明。また、安心のキーワードがthin trust(ほんの少しの信頼感)であるイギリスの例を挙げ、 「匿名コミュニティは、単に防犯上、住居への侵入などを食い止めるだけでなく、いざというときにどう助け合うかに通じるものであり、大災害時に力を発揮することも期待できる」などと解説した。

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